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α-STATION「ナガオカケンメイ LONG LIFE DESIGN RADIO」

α-STATION「ナガオカケンメイ LONG LIFE DESIGN RADIO」

By α-STATION FM KYOTO

京都のラジオ局 α-STATION FM KYOTOで毎週日曜日 18:00-19:00にナガオカケンメイがお送りしている番組「LONG LIFE DESIGN RADIO」から
2タイプの対談アーカイブをお送りします。
♦過去にオンエアーした京都人とのイケズ!?対談「京都のつづく」
♦ある「もの(プロダクト)」に注目し、その「もの」と継続的につながる「地域、暮らし、産業、環境、仲間」等の現状を探る対談「もののまわり」
Currently playing episode

京都のつづく #29 利田淳司/竹平商店四代目/銘竹問屋

α-STATION「ナガオカケンメイ LONG LIFE DESIGN RADIO」Feb 26, 2023

00:00
31:42
もののまわり#42ふろしきのもののまわり②山田芳生・大橋敏子(山田繊維株式会社)軸原ゆうすけ・武田美貴(COCHAE)

もののまわり#42ふろしきのもののまわり②山田芳生・大橋敏子(山田繊維株式会社)軸原ゆうすけ・武田美貴(COCHAE)

前回にひきつづき、ふろしき専門メーカー・卸の山田繊維株式会社 山田芳生社長に加えて、ふろしきを盛り上げる仲間としてデザインユニット「COCHAE(コチャエ)」の軸原ゆうすけさんと武田美貴さんがスタジオに登場!!昨年 結成20年を迎えられたコチャエさんは、“あそびのデザイン”をテーマにした折り紙やおもちゃを作られています。そんなお2人が むす美では 折る素材を「紙」から「布」へと変化させ、「福コチャエ」や「どうぶつコチャエ」といった楽しいシリーズを展開されています。コチャエのお2人は 果たしてどんな風にふろしきを楽しまれているのでしょうか? そして後半には、山田繊維株式会社/開発リーダーの大橋敏子さんも交えて、コチャエさんとの製作過程のお話や、ユーザーさんから届いたYes/No枕的な!?楽しい活用エピソードもご紹介します。


■山田繊維株式会社 ⇒ https://www.ymds.co.jp/

■COCHAE ⇒ https://cochae.com/

■イベント:ふろしきSDGs LIFE 2024 ⇒ https://www.kyoto-musubi.com/event/exhibition/2024/sdgslife.html

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May 01, 202436:42
もののまわり#41 ふろしきのもののまわり① 山田芳生・河村好有子(山田繊維株式会社)

もののまわり#41 ふろしきのもののまわり① 山田芳生・河村好有子(山田繊維株式会社)

『ふろしきの歴史は古く、今も正倉院には当時のものが姿をとどめています。1300年もの時を経て、ふろしきが使われ続けているのは何故なのか。そこには、道具としての利便性だけではない‟大切な価値”を感じているからだと思います。(山田繊維株式会社公式サイトより)』

サスティナブルなアイテムとして、そして「結ぶ」という日本人の知恵と文化を伝えるアイテムとして再び注目を集めている「ふろしき」を、もののまわりの視点から3回に渡って再考します。

初回の出演者は 山田繊維株式会社代表取締役社長の山田芳生さんと同販売部むす美マネージャーの河村好有子さん。

ふろしきは「モノが売れればいい」という訳ではなく、販売時に「結び方を伝える」というアクションを伴うことがプロダクトとしての個性でもあります。そんな“ひと手間”と河村さんはどうやって向き合ってこられたのでしょうか。

■山田繊維株式会社・むす美 ⇒ https://www.ymds.co.jp

■2024年5月開催リアルイベント「ふろしき SDGs LIFE 2024」⇒https://www.kyotomusubi.com/event/exhibition/2024/sdgslife.html


Apr 21, 202433:47
京都のつづく#70 山田芳生・山田恵/山田繊維株式会社/むす美/ふろしき製造・卸

京都のつづく#70 山田芳生・山田恵/山田繊維株式会社/むす美/ふろしき製造・卸

<2020年7月放送>

前回(#69)の姉弟ご出演につづいて、ケンメイさんたっての希望による「ご夫婦出演」。

「むす美の新作発表会や展示会で、いつも素晴らしい人がいる」とケンメイさん。それが芳生社長の奥様である恵さんです。元々は某大手アパレルのパタンナー。芳生社長曰く「誰も着こなせないような服をサラっと着こなしてはった」とか。そんな恵さんは ふろしきが好きで好きで、主婦目線でもその便利さを伝えたくてたまらない。一枚の布が“結ぶ”という手を加えることでいかに「できる子」になるか…これがまだまだ世に知られていない事がもどかしくてもどかしくてたまらない。生来の朗らかなお人柄もあってイベントごとに 自ら伝道師として出動、お客様を楽しく巻き込む「めぐみマジック」を繰り広げていらっしゃいます。そしてもちろん、前対談でご紹介した山田家の「月命日」を支えるアイデアいっぱいの「お参りメニュー」のお話もして頂きました。

またこの対談当時は祇園祭さえも中止となったコロナ禍。日々の暮らしや環境への向き合い方が大きく変わる中で、「ふろしき」への注目が益々高まっていた時期でした。国内でも希少な「ふろしき専門メーカー」として、素材、デザイン、機能性全てに妥協せず、常に新作リリースとニクいコラボレーションを繰り返し、ふろしきから“過去のもの”というイメージを払拭し続けた「むす美」は、日本人の知恵と器用さを凝縮した「結ぶ」文化を国内外へ伝える役も担っています。その重責をまるで神輿のように「喜んで!」と皆で担ぎ、突き進む馬力を山田繊維という企業が宿していることは、この対談からも感じて頂けるのではないでしょうか。

ふろしきからあふれる“ふろしき愛”は「京都のつづく」#69と#70で。ふろしきというプロダクトそのものの「つづく」への探求は、この後に続く「ふろしきのものののまわり<2024年4月放送>」でお届けします。


■山田繊維株式会社・むす美 ⇒ https://www.ymds.co.jp

■2024年5月開催リアルイベント「ふろしき SDGs LIFE 2024」⇒ https://www.kyoto-musubi.com/event/exhibition/2024/sdgslife.html


Apr 14, 202440:48
京都のつづく#69 山田芳生・山田悦子/山田繊維株式会社/むす美/ふろしき製造・卸

京都のつづく#69 山田芳生・山田悦子/山田繊維株式会社/むす美/ふろしき製造・卸

<2017年4月放送>

いつまでもケンメイさんの心に深く温かく残り続ける山田家の恒例行事「月命日」。この言葉が初出したメモリアルな対談。山田繊維という会社が健やかであり続ける理由がこの対談を機に徐々にひも解かれていきます。

初回のご出演は山田芳生社長と、芳生社長のお姉さまで広報ご担当の悦子さん。ふろしき専門メーカー・山田繊維株式会社の直営店「むす美」は 外国人の方がひっきりなしに訪れ、現在では京都店は三条通のランドマークにもなっていますが、この対談当時はその京都店ができたばかり。「京都の会社でありながら、東京出店から12年を経ての京都出店はなぜ?」といったイケズリサーチもありつつ、「京都のふろしき屋」という事実に窮屈さを感じていらっしゃった若き頃のお2人それぞれが、現在に至るまでのユニークな歩みに迫ります。「僕よりもチャラい先輩」が山田社長に投げかけた、人生を変えたひと言とは?さらに「ふろしき」に軸足を定めた当時の思いは?

そして前述の「月命日」。京都では月命日を行うご家庭は今でも多くありますが、山田家ではお坊様にお経を唱えて頂くのみにあらず。親戚数十名が「当たり前の事」として「毎月(!)」欠くことなく集まり、共にご先祖様に手を合わせ、家庭料理を囲み、そして語らう。お盆やお正月には遠方の親戚も加わり50名近くになるとか。そしてその明るい食卓を支えてきたのは、この行事を始められたお2人のおばあ様、大阪育ちで笑いと人情にあふれるお母様、そして芳生社長の奥様。「ご先祖さまや周りへの感謝の気持ちを忘れずに」その心は山田家の食卓で年月をかけて、自然に育まれてきたのでした。「つづく」を心根から育み支えるものがある事を、私達はこの対談で学びました。


■山田繊維株式会社・むす美 ⇒ https://www.ymds.co.jp

■2024年5月開催リアルイベント「ふろしき SDGs LIFE 2024」⇒ https://www.kyoto-musubi.com/event/exhibition/2024/sdgslife.html


Apr 14, 202442:48
もののまわり#40 サナダ精工企画 ナガオカケンメイ講演会

もののまわり#40 サナダ精工企画 ナガオカケンメイ講演会

2024年3月16日、大阪上本町「銭屋本館」で開催されたサナダ精工企画 ナガオカケンメイ講演会「Long Life Design×愛されるプラスチックを作ろう=□」の模様をお届けします。

前半はケンメイさんによる「Long Life Design」をテーマにした講演のダイジェスト。「プラスチック教の教祖」と自ら称すほど プラ愛が止まらない…ケンメイさんの変態ぶりがより露わになった講演会でした。そして後半は、眞田和義社長(サナダ精工株式会社)、浜辺久美子さん(オーケー化成株式会社)、ケンメイさんの3者によるクロストーク。日頃明かされることのない「プラスチック業界」を垣間見ることができる内容で、それぞれがプライドと愛をもってプラスチックに向き合い、業界を支えていらっしゃる事を知ることができます。

もののまわり#27~#30と併せて、是非「Long Life Plastic Project」のプラマグを愛でながらお聞きください。

なお、会場で寄せられた質問はイベント会場ではご紹介しきれなかったため、後日オンエアーにてご紹介予定です。


■サナダ精工株式会社 ⇒ https://www.sanadaseiko.co.jp

Instagram ⇒ https://www.instagram.com/sanadaseiko


■オーケー化成株式会社 ⇒ https://www.ok-kasei.co.jp

Instagram ⇒ https://www.instagram.com/original_kolor_design


Apr 13, 202443:30
京都のつづく#68 堀井長太郎/堀井七茗園 代表取締役社長/宇治茶業

京都のつづく#68 堀井長太郎/堀井七茗園 代表取締役社長/宇治茶業

#67にひきつづき 長太郎社長、2024年3月放送の対談をお届けします。

コロナ禍を経て…そしておよそ5年かけたD&DEPARTMENTによるCIを経てのご出演となりました。リブランディングによってより明確になった堀井七茗園の個性とは?

また今回は「改めて最近 先代であり父である信夫の遺してくれたものの大きさを感じている」と社長。先代信夫さんは、宇治茶のルーツとも言うべき在来種約1,500本を1981年、改植を期に選抜。まず53種に絞った後に茶の品質、樹勢、収量等を検査、気の遠くなるような細かな検査を自力で繰り返し、1994年には2種にまで絞り込まれました。さらにその後6年間の栽培試行期間を経て、2000年に農林水産省に品種登録申請、2002年に登録告示。足掛け20年の歳月を経て誕生した新品種こそが、堀井七茗園の看板商品 碾茶向き「成里乃」と玉露向き「奥の山」の2種類です。「成里乃」はその圧倒的な美味しさで2010年全国茶品評会で「農林水産大臣賞」を受賞、日本一にも輝いています。

そうした年輪を重ねた良質な商品を提供し続けると同時に、新しいコラボレーションも生まれています。

■D&DEPRETMENTオリジナルの宇治茶各種( https://www.d-department.com/item/GREENTEA.html )

■京都醸造とのセゾンビール「緑風一陣 (GREEN BREEZE)」( https://kyotobrewing.com/products/kikan-tea-saison )

ほっとひと息、愛情いっぱいの宇治茶をPodcastのお供にいかがでしょうか。なお新茶のように爽やかな堀井成里乃さんとの対談は#07をお聞きください(長太郎社長も一部ご出演)。

■堀井七茗園(https://horiishichimeien.com)

Apr 08, 202457:58
京都のつづく#67 堀井長太郎/堀井七茗園 代表取締役社長/宇治茶業

京都のつづく#67 堀井長太郎/堀井七茗園 代表取締役社長/宇治茶業

明治十二年創業、その商いスタイルを“茶畑から茶の間まで”という言葉で表される「堀井七茗園」さんは、茶葉の栽培、製造・卸、そして販売までを一貫して手掛けられている宇治茶の老舗です。かの足利将軍ゆかりの「奥ノ山」茶園を大切に受け継ぎ現在も栽培を続けられているほか、代々の当主が非常に研究熱心で、「堀井式碾茶製造機」の開発や新品種の育成など 宇治茶の美味しさを後世に繋ぐ重要な役割を果たしてこられました。

そんな堀井七茗園の6代目当主が長太郎社長。非常に優しく気さくに接して下さる一方で「おいしいお茶」を手掛ける姿勢は誰よりも熱く厳しく、日々変化する茶葉そのものへの目利き、合組(ごうぐみ)と言われるブレンド技術、味筋の才は圧倒的で、その背中こそが宇治というブランドを確かなものへと牽引されているようにも思います。「商売道徳」は、ケンメイさんにとっても忘れられない言葉となりました。

すべては、宇治茶の美味しさを後世に伝えるために。

長太郎社長、初出演となった2018年1月放送の対談をお届けします。


■堀井七茗園の“つづく”をひも解く「7つの物語」 ⇒ https://horiishichimeien.com


Apr 08, 202458:08
京都のつづく#66 金谷亘(京菓子司「金谷正廣」六代目/和菓子職人)

京都のつづく#66 金谷亘(京菓子司「金谷正廣」六代目/和菓子職人)

『京都のつづく#50』の金谷亘(かなや わたる)さん、再登場。今回は とある賞の受賞報告も兼ねて、2年ぶりの対談でした。 ※ 亘さんのこれまでの歩みや ケンメイさんが銘菓「真盛豆」に虜になった様子は「#50」をお聞きください

芸大出身のアーティスティックな感性と、京都で育まれた理屈っぽさのハイブリッド。相変わらずブレない亘さんは今回もトレードマークの黒キャップをかぶり、およそ“和菓子職人ぽさ”皆無でスタジオにやってきました。

和菓子に合うお皿を提案しようと思い立ち、「清水六兵衛窯」の清水宏彰さんに声をかけて実現したブランド【flat plate kyoto】は前回からさらに歩みを進め、新作「Monotone Kurokura shiroshiro」をスタジオで披露。ケンメイさんは一目見るや否や「これ、めっちゃいい!」と目を輝かせました。そうして今、D&DEPARTMENT KYOTOには、1枚1枚に個性が宿る「flat plate kyoto」が並んでいます。

菓子作りや店番、配達などで日々忙しくされている亘さんですが、それら定番の営みと同時に 様々なイベントやポップアップ、美術館の展覧会等からコラボレーションの依頼が舞い込み、都度 新しいアイデアやエッセンスを和菓子に落としみます。それゆえに試作は数知れずですが「捨てることなんてできないです」と最後まで食されるところに、そこはかとない「和菓子愛」と真っすぐな人柄を感じます。

そんな亘さんは 冬のある静かな日、和菓子を仕上げる瞬間を客人に披露しその場でお薄と共にお出しする…というイベントをひらかれました。亘さんらしい解釈の掛け軸とアンビエントなサウンド、もちろんflat plate kyotoにのせられたお菓子は、完璧なる被写体。和菓子にまつわる「ためになるうんちく」も素晴らしく、やさしい言葉で日本の美学を学ぶことができます。

D&DEPARTMENT KYOTOでもいつの日か…「わかりやすい和菓子」が開催されますように。亘さんの手から生まれるとっておきの和菓子体験を是非。


Mar 28, 202438:09
京都のつづく#65 清水愛子/五条坂清水/近代陶芸史研究者

京都のつづく#65 清水愛子/五条坂清水/近代陶芸史研究者

「五条坂の愛子さん」は生粋のやきもの好き。

人間国宝だった祖父・清水卯一さんが初代となる「五条坂清水(ごじょうざかしみず)」を切り盛りしながら、五条エリアにかつての賑わいを再興させようと「京都・五条 やきもの市」代表として奔走されています。普段の話声はとても小さな愛子さんですが、やきものの話になると熱さを増し その豊富な知識であらゆる質問に丁寧に、そして楽しそうに答えて下さいます。

外国語大学に進学するも工芸や焼き物への興味は尽きず「そうした勉強は一切苦にならなかった」と工芸の研究へと舵をきり、最終的に京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程を修了。主な論著に「清水焼団地 受け継がれるパイオニア精神」「神坂雪佳と競美会-近代京都の陶芸史の一考察-」など。育児に励みながら広島市立大学などでも教鞭をとられています。

一見おっとりタイプの愛子さんですが、対談がすすむにつれて「愛子さん、めっちゃパンクですね~」と繰り返したケンメイさん。「小さな頃から、世間一般に“これが普通”とか“これは優れている”とか言われているものが、果たして本当にそうなのか?…という疑問を抱いてて。感受性を誘導されるようなシーンに出会う度に、居心地の悪さを感じていたかも。」

そんな愛子さんだからこそ、学生への授業や 月に一度開催されている子供たちとのモノづくり活動「想作の森」では、“好き”や“いいな”と思う自分自身の感覚を まず大切に育めるよう心掛けているといいます。祖父・卯一さんの言葉『やきものに適した土が必要なのではない。その土を活かすやきもの作るだけ』にも垣間見える五条坂清水スピリット。弟である清水志郎さんは陶土を購入せず、自ら土を掘って作品を制作。出会った土の個性と向き合い、形を作り、そして火に委ねるといいます。

そんな五条坂清水の長女・愛子さんが代表をつとめる「京都・五条やきもの市」は2024年で3度目の開催となります。「時代と共にやきものの新境地を拓いてきた五条の歴史を大切に思い、そこに今という時代ならではの試みを積み重ねていくことで未来へと繋げ、地域の魅力を高めていきたい」

■2024年3月15日~3月24日、五条周辺の各有志店舗にて開催。お茶会やライブ等のイベントもあり。詳細や最新情報はInstagramにて⇒ https://www.instagram.com/kyoto_gojo_yakimonoichi/


Mar 13, 202401:13:09
京都のつづく#64 渡辺都&スペシャル(一保堂茶舗)

京都のつづく#64 渡辺都&スペシャル(一保堂茶舗)

創業300年余年、日本茶専門店「一保堂茶舗」会長夫人である渡辺都さんと、特別すぎる“付き添いの方”との貴重な対談が実現しました。

今回は、会長ご夫妻が毎日点てて2人で一緒に飲む…という「濃茶」をスタジオでも淹れて頂きました。“付き添いの方”の慣れた所作によるお茶淹れを、耳でもお楽しみください。

また 日本茶の楽しみ方や淹れ方を丁寧に伝えていきたい…という思いのもとにはじめられた京都本店の喫茶室「嘉木」は、2023年12月にリニューアル。1995年からの歩みを振り返ります。

毎日が二重奏。

京都香る孝史会長の品のあるお声と、愛らしく朗らかな都さんの声のやり取りは耳に大変心地よく、最後までリラックスしてお聞きいただけます。急須で淹れたお茶と一緒に是非お楽しみください。


■ tea to go

東京ミッドタウンにてPOP UP Storeがオープン。テイクアウトの抹茶やほうじ茶ラテはオーダー毎に点てて頂けます。

期 間:2/16(金)~4/14(日)

営業時間:11:00~21:00

場所:東京ミッドタウン ガレリアB1


■ 楽しいイベントやお茶のある暮らしのヒントがいっぱい。

公式サイトで「お茶まわり」をアップデート♪⇒ https://www.ippodo-tea.co.jp/



Feb 22, 202444:04
もののまわり♯39 新美南吉のもののまわり(3)/ゲスト:遠山光嗣(新美南吉記念館館長)/朗読:神戸浩(俳優)

もののまわり♯39 新美南吉のもののまわり(3)/ゲスト:遠山光嗣(新美南吉記念館館長)/朗読:神戸浩(俳優)

「ごんぎつね」「手袋を買いに」「でんでんむしのかなしみ」ーーー“悲哀と愛の童話作家”と呼ばれる「新美南吉」の世界をラジオで探求しました。

ゲストは、新美南吉記念館の遠山館長。そして朗読は、愛知県出身の俳優神戸浩さん。南吉の故郷・愛知県半田市のでケンメイさんが開催された「あぐいの美塾2023」。この催しの中で披露された南吉作品の朗読をお届けします。

最終回となったこの放送では南吉作品を通して「文学教材」について改めて考えます。「教科書が文学に触れる最後の砦なんです」と館長。文学教材では、読んだ人それぞれが登場人物の心情を想像することが求められます。説明文と違って解釈は人それぞれ、答えは一つではありません。各々の解釈にお互いが歩み寄り、他者の心情を理解しようとする…その営みこそが国語の学習指導要領にもある「伝え合う力」を育むかもしれません。

朗読は、神戸浩さんによる「天国」と、遠山館長による「明日」。


■遠山光嗣(とおやまこうじ)■

新美南吉記念館 館長。1971年、半田市に生まれる。龍谷大学文学部史学科卒。1994年から新美南吉記念館の学芸員として、新美南吉に関する調査研究及び特別展や講座などの運営にあたる。2020年から同館館長。日本児童文学学会会員。


■神戸浩(かんべひろし)■

出身地 愛知県。1982年まで北村想主催の劇団プロジェクトナビに所属。1991年映画「無能の人」で 報知映画賞最優秀助演男優賞、1996年「学校Ⅱ」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、全国映連賞男優賞を受賞。ドラマでは1994年日本テレビ「ザ・ワイドショー」、2010年NHK連続テレビ小説「てっぱん」笹井拓朗役、2015年名古屋テレビ「三人兄弟」神戸浩役などでレギュラー出演ほか、数多くの作品に出演。映画では1993年・1994年・1996年「男はつらいよ」シリーズ、2002年「たそがれ清兵衛」以降の山田洋次監督作品ほか、様々な作品に起用。

Feb 04, 202430:54
もののまわり#38 新美南吉のもののまわり(2) /ゲスト:遠山光嗣(新美南吉記念館館長)/朗読:神戸浩(俳優)

もののまわり#38 新美南吉のもののまわり(2) /ゲスト:遠山光嗣(新美南吉記念館館長)/朗読:神戸浩(俳優)

「ごんぎつね」「手袋を買いに」「でんでんむしのかなしみ」ーーー“悲哀と愛の童話作家”と呼ばれる「新美南吉」の世界を ラジオで探求しました。ゲストは、新美南吉記念館の遠山光嗣館長、そして朗読は、愛知県出身の俳優神戸浩さん。

南吉の故郷・愛知県半田市の隣町、阿久比町(あぐいちょう)にあるd news aguiで開校した「あぐいの美塾2023」。この催しの中で披露された朗読もお届けします。


シリーズ2回目となるこの放送は、地元の景色の描写が多い南吉の「郷土愛」についてのお話。そして朗読は「和太郎さんと牛」です。


■遠山光嗣(とおやまこうじ)■

新美南吉記念館 館長。1971年、半田市に生まれる。龍谷大学文学部史学科卒。1994年から新美南吉記念館の学芸員として、新美南吉に関する調査研究及び特別展や講座などの運営にあたる。2020年から同館館長。日本児童文学学会会員。


■神戸浩(かんべひろし)■

出身地 愛知県。1982年まで北村想主催の劇団プロジェクトナビに所属。1991年映画「無能の人」で 報知映画賞最優秀助演男優賞、1996年「学校Ⅱ」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、全国映連賞男優賞を受賞。ドラマでは1994年日本テレビ「ザ・ワイドショー」、2010年NHK連続テレビ小説「てっぱん」笹井拓朗役、2015年名古屋テレビ「三人兄弟」神戸浩役などでレギュラー出演ほか、数多くの作品に出演。映画では1993年・1994年・1996年「男はつらいよ」シリーズ、2002年「たそがれ清兵衛」以降の山田洋次監督作品ほか、様々な作品に起用。

Feb 03, 202444:18
もののまわり#37 新美南吉のもののまわり(1)/ゲスト:遠山光嗣(新美南吉記念館館長)/朗読:神戸浩(俳優)

もののまわり#37 新美南吉のもののまわり(1)/ゲスト:遠山光嗣(新美南吉記念館館長)/朗読:神戸浩(俳優)

童話「ごんぎつね」で知られる「新美南吉」は愛知県半田市出身の児童文学作家です。「ごんぎつね」は没後80年を経た今も全国の小学4年生の教科書(全社)に採用され、これまで通算7000万人以上に読まれてきました。その衝撃的なラストシーンを記憶されている方も多いのではないでしょうか。

ケンメイさんの故郷・阿久比町にある「権現山(ごんげんやま)」はその「ごんぎつね」の舞台になったと言われおり、【あぐいの美塾2023】でも新美南吉にちなんだ講座が複数回 開校されました。そのご縁もあり、今回のラジオは「新美南吉のもものまわり」と題し、新美南吉記念館の遠山館長に解説頂きながら新美南吉の人物像や作品の世界を探求していきます。また、朗読担当は愛知県出身の俳優、神戸浩さん。「あぐいの美塾」で披露して下さった朗読をお届けします。

初回は南吉が生涯抱き続けた「悲しみ」についてや「文学作品」の良さ、意義についてなど。神戸さんの朗読は「でんでんむしのかなしみ」です。

■遠山光嗣(とおやまこうじ)■

新美南吉記念館 館長。1971年、半田市に生まれる。龍谷大学文学部史学科卒。1994年から新美南吉記念館の学芸員として、新美南吉に関する調査研究及び特別展や講座などの運営にあたる。2020年から同館館長。日本児童文学学会会員。

■神戸浩(かんべひろし)■

出身地 愛知県。1982年まで北村想主催の劇団プロジェクトナビに所属。1991年映画「無能の人」で 報知映画賞最優秀助演男優賞、1996年「学校Ⅱ」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、全国映連賞男優賞を受賞。ドラマでは1994年日本テレビ「ザ・ワイドショー」、2010年NHK連続テレビ小説「てっぱん」笹井拓朗役、2015年名古屋テレビ「三人兄弟」神戸浩役などでレギュラー出演ほか、数多くの作品に出演。映画では1993年・1994年・1996年「男はつらいよ」シリーズ、2002年「たそがれ清兵衛」以降の山田洋次監督作品ほか、様々な作品に起用。

Jan 21, 202430:06
京都のつづく#63 小堀周一郎/麩嘉七代目

京都のつづく#63 小堀周一郎/麩嘉七代目

B級からハイエンドまで、京都の “うまいもん”を熟知される真のグルメ番長のご出演が 2021年12月に実現。終始 温和な笑い声を発するも、その瞳の奥は職人としての鋭い眼差しが常に輝いていらっしゃいました。そして終盤には 番長から「京都のうまい店3選」をご紹介頂くという“ご褒美回”です。

********************

「経営者になるな。店の味は、店のもんが守ること。」

これは江戸中期創業の生麩専門店『麩嘉』の家訓です。「生麩」とは小麦粉に水を加えて練ったあと、抽出したグルテンを餅粉と合わせて蒸したもの。京料理では欠かせない食材で、鎌倉時代に禅宗の食材として中国から渡り、1700年半ばに今の形になったと言われています。

生麩の保水率は60%以上。それだけに良い水を使うことが美味しさの絶対条件となりますが、昔から麩嘉では地下70mから汲み上げた水を使用。さらに、商品によってグルテンの比率を変えるのはもちろん、発酵の段階でも生地のコンディションを見ながら微調整を繰り返します。匂い、見た目、テクスチャー…何よりも大切なのは「職人の感覚」。材料の水と小麦粉というシンプルさゆえに最高のクオリティーを守り続ける難しさは、冒頭の家訓からも垣間見えます。

そんな麩嘉の七代目となる周一郎さんは、生粋の京都っ子。中学からはラガーマンとして才を発揮、大学時代は東京で、社会人になってからは広島で、ラグビーに明け暮れます。ところがご自身の大怪我と先代の病をキッカケに、27歳で京都に戻り麩嘉に入社。麩嘉の味を頑なに守りながら、一方ではNYで精進レストラン開業(ミシュラン二つ星も獲得)等、新しく粋な企画を細部にまでこだわりぬいて遂行されています。

さらに2023年の暮れには「京都の生麩の老舗がオリジナルスピリッツとクラフトジン製造」のニュースも舞い込みます。こちらは、洛北の地「花脊」のボタニカルを使ったクラフトジン「VALLEY OF FLOWERS GIN」と、2種のオリジナルスピリッツ「VALLEY OF FLOWERS SPIRITS KUMAZASA 」「VALLEY OF FLOWERS SPIRITS KUROMOJI」(詳しくは ⇒https://hanasegin.stores.jp/)。麩嘉のオンラインショップでお求めいただけるほか「祇園サンボア」で頂けるそうです。まずはストレートやロックでその香りとお味をお楽しみください。


\「d食堂京都」にて「京都・麩嘉定食」を提供中!! /

期間:2024年1月12日~2月15日 場所:本山佛光寺境内「d食堂京都」

おしながき:粟生麩の揚げ出し/粟生麩の揚げ出し/鯨生麩のおすまし/利休麩のかやくごはん/生麩まんじゅう

驚くほど「腹もち良し」な定食、毎日数量限定!

是非 ほんまもんの生麩をお召し上がりください。

詳細 ⇒ https://www.instagram.com/d_d_kyoto/

Jan 21, 202401:02:30
もののまわり#36 ナガオカケンメイのもののまわり2023 /DJ川原ちかよ

もののまわり#36 ナガオカケンメイのもののまわり2023 /DJ川原ちかよ

「2023年のナガオカケンメイを振り返る」大晦日の特別企画。いつもはゲストに質問を投げかけるケンメイさんですが、この企画では京オンナDJ川原ちかよさんにインタビュアーになって頂き、この1年のケンメイさんの あんな活動、こんな活動についてお話を伺いました。

 終盤には、“D&DEPARTRTMNET代表取締役社長兼ナガオカ妻”こと松添みつこさんから、お手紙スタイルで「2023年のナガオカ総評」を頂きました。こちら必聴です。

 また、2024年初回の放送でも引き続き川原さんにご出演いただき、新著「ナガオカケンメイの眼」にまつわるお話をお伺いしました。“おしゃべりモンスター”の異名を持つ川原さんとの対談はラジオの本放送では収まりきらず…。このPodcastではロングバージョンでお届けします。

■川原ちかよX(旧Twitter)⇒ https://twitter.com/chikayobaby

Jan 14, 202458:51
もののまわり#35 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)④/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

もののまわり#35 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)④/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

1954年7月4日、コザ市(現沖縄市)に開業した日本初のショッピングセンター「プラザハウスショッピングセンター」。沖縄の人々と米国や世界をつなぐ「窓」の役割を いち早く果たしてきたプラザハウスの歩みとこれからを、現社長の平良由乃さんと共に語る「もののまわり」、全4回シリーズの最終回。

「プラザハウスショッピングセンター」では毎月、オリジナルのフリーマガジンマガジンを発行。印刷以外の全ての工程は自社で行われています。しっかりとした世界観を持ったマガジンで「これは相当大変な作業のはず」とケンメイさん。特に平良社長によるエッセイのページ「le souvenir(ル・スーヴェニール)」は このマガジンを深く印象づける存在で、詩のような余韻が広がる文面に 旅情に導かれるファンも少なくありません。そして本土の人にとっては「沖縄=リゾート!太陽!」…と想像されがちですが、そこに暮らす人々にとってはイコールにあらず。むしろ「沖縄は月の暦で生きてる。特に女はね。」とのこと。詳しくは本編にて。

 後半は、2023年2月に発行された「リメンバリング オキナワ-沖縄島定点探訪(沖縄尚文著) 」のお話。これは、戦後復興期と現代の<定点写真>で沖縄の歴史の変遷をたどる1冊で、d沖縄店では関係者や平良社長も登壇されたトークイベントを開催。地元テレビニュースでも紹介され注目されたこの催しには、戦後間もない沖縄を知る方々も来場され 終始熱心に聞き入っていらっしゃったそう。なお、「リメンバリング オキナワ」巻頭にはジョン・カビラ&川平慈英兄弟の父で元アナウンサーの川平朝清さんが、戦後の沖縄と半生を綴った「アメリカ世と私」を掲載。その他映画監督で本書監修者の當間早志さんによる「映画館と沖縄の戦後復興」、沖縄の建築家・普久原朝充さんの「Road to naminoue」、1972年から沖縄に駐在し現在もお住まいのRob Oechsleさんによる「1970年代とその後の沖縄」など、素晴らしいコラムも寄稿されています。

 京都から発信した沖縄のお話。対談最後に平良社長に投げかけた質問は「未来の沖縄のために社長がプラザハウスで実現したいことは?」

最後までどうぞお楽しみください。

Jan 01, 202429:50
もののまわり#34 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)③/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

もののまわり#34 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)③/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

沖縄の、忘れてはいけない物語。

そこに住まい、歴史の波と島の変遷を瞼と脳裏に焼き付けた人の声で語られるその物語の一片を 今回のPodcastでお届けします。

1954年7月4日、コザ市(現沖縄市)に開業した日本初のショッピングセンター「プラザハウスショッピングセンター」の歩みとこれからを、現社長の平良由乃さんと共に語る「もののまわり」、第3回。

 450年続いた琉球王国の廃滅、1945年の沖縄戦、米軍統治時代、1972年の本土復帰…。ケンメイさんからの沖縄近現代史の端的な紹介につづき、多感な時期にコザ暴動や本土復帰、熊本で数年間を過ごされた平良社長のお話に耳を傾けます。「沖縄の人であること」が、今とは全く違う受け止められ方をしていた時代、少女の心に残るもの。さらに沖縄をとりまく壮絶なうねりの中で 強く逞しく根をはり幹をのばし、やがてプラザハウスを今に導かれたお父さまのお話。平良社長のいつもの明るい笑い声の中に、あえて振り返られる事のなかった人の思いや市井の人だけが知る真実が垣間見えました。また昨今の島の変化にも触れ「開発といえばsounds goodだけれど…」に続いて 平良社長らしい表現で 今の沖縄に施したいことを言及されました。

そうして後半は、ファッション業界の第一線で「働きまくった」という東京時代のお話。ケンメイさんも夢中になりすぎた!?「DCブランド全盛期」のファッション業界にもふれながら、この夏、40年ぶりの再会となった稲葉芳江氏のプラザハウス訪問時のエピソードを。ライカムアンソロポロジー(詳細エピソード#32)を巡ったあと、稲葉さんが平良社長にかけたひと言とは?また、いち早く海外と繋がっていた沖縄の感性と東京で培った経験を携えた平良社長が、今 プラザハウスで大切にされていることとは?答えは本編にて。


島の方が 魔法の言葉「なんくるないさぁ」を口にするとき、近くを見ているようで、その瞳の奥はずっとずっと遠くを見つめているのかもしれない。もののまわり#34、繰り返し聞いて頂きたい対談となりました。

Dec 27, 202341:08
もののまわり#33 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)②/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

もののまわり#33 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)②/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

1954年7月4日、コザ市(現沖縄市)に開業した日本初のショッピングセンター「プラザハウスショッピングセンター」。沖縄の人々と米国や世界をつなぐ「窓」の役割を いち早く果たしてきたプラザハウスの歩みとこれからを現社長の平良由乃さんと共に語る「もののまわり」、全4回シリーズの第2話。

今回は、ROOT BEERでおなじみ!平良さんのお父様がアメリカ人から経営権を継承されたファーストフードチェーン「A&W」のお話や、2019年にプラザハウス1階に開業された「ロージャース フードマーケット」について。“自分たちなりの空間作りや調達の仕方”…そのエッセンスを平良さんに伺います。そして後半は、ミュージックタウンとしての「コザ」から沖縄音楽のお話、工芸のお話など。

そして来年のプラザハウス70周年を控えて 新名称をいち早く発表。ケンメイさんも「それ、いいですね」と即反応。是非本編をお聞きください。

なお、対談前半で言及する「A&W」の1号店は、1963年11月、屋宜原に誕生しました。マクドナルド日本1号店の開業が1971年7月だったことを考えると、アメリカの文化がいかに早く沖縄で浸透していたかがわかります。

「ドライブイン」「ROOT BEER」「カーリーフライ」etc…今回の対談の大切なキーワード【琉米文化】を手軽に体感できる場所かもしれません。そしてなんといっても「A&W」は、日本では沖縄のみのお楽しみ。ちなみに 平良社長のお気に入りは「ハムチーズサンド」なんだそうです。

株式会社プラザハウス ⇒ https://www.plazahouse.co.jp/brand_operation/plazahouse

Dec 18, 202339:57
もののまわり#32 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)①/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

もののまわり#32 プラザハウスショッピングセンター(沖縄)①/平良由乃/株式会社プラザハウス代表取締役社長

プラザハウスショッピングセンターは、1954年 アメリカ独立記念日の7月4日にコザ市(現沖縄市)に開業しました。米国型のショッピングセンターとしては日本初。開業当初は隣接する琉球米軍司令部(ライカム)など 米軍専用の施設でしたが、55年には基地外の地元客にも開放されました。これは1972年の沖縄本土復帰より18年前の事になります。沖縄ならではの国際色豊かなVIPを迎え入れ、海外ブランドの架け橋となり、そして時代の荒波を受け入れながら沖縄のショッピング文化を支えてきたプラザハウスが、2024年に開業70周年を迎えます。その磨き抜かれた審美眼で“琉米文化”の一端を担ってきたショッピングセンターの歩みとこれからを、現社長の平良由乃さんと共に語ります。

【ケンメイさんと沖縄、平良社長とのこれまで】

ケンメイさんは なぜ沖縄に通い続け、一年の三分の一までを過ごすようになったのか。平良社長との出会いとご縁。そして2021年9月、d沖縄店は宜野湾市からプラザハウス2階に移転し「D&DEPARTMENT OKINAWA by PLAZA 3」に。

【プラザハウスショッピングセンターってどんな場所?】

本土の人々が想像する「ショッピングセンター」とは趣を異にする空間、そしてアイテムセレクト。ドキドキ。

3階には平良社長曰く「プラザハウスの神社」というギャラリースペース「ライカムアンソロポロジー」が。こちらでは写真家のご家族から信頼を得て預かった約8千枚の写真を保管し、テーマや季節ごとに入れ替えながら「琉米文化写真展」を常設されています。1950年代~70年代までの 経済・技術発展が著しかった…いわゆる「ミッドセンチュリー」の時代をアメリカとして過ごした沖縄の風景がそこには広がります。ただし回顧展にあらず…キーワードは「REMEMBER THE FUTURE」。


■ 株式会社プラザハウス ⇒ https://www.plazahouse.co.jp/brand_operation/plazahouse

Dec 10, 202340:15
京都のつづく#62 齋藤智子/アロマ調香デザイナー/TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO主宰/ TS AROMATIQUE 株式会社代表取締役/一般社団法人プラスアロマ協会 代表理事

京都のつづく#62 齋藤智子/アロマ調香デザイナー/TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO主宰/ TS AROMATIQUE 株式会社代表取締役/一般社団法人プラスアロマ協会 代表理事

ホテルや国内外のブランドから、オリジナルの香りのプロデュース依頼が絶えないアロマ調香デザイナー齋藤智子さん。香りへの興味のルーツは、京都にありました。

 齋藤さんの著書「暮らしの図鑑 香りの作法 基礎知識×覚えておきたいアロマ40×楽しむ工夫」、そして「アロマ調香デザインの教科書」を熟読されて対談に臨まれたケンメイさん。

精油とアロマオイルの違いって?蒸留所ってたくさんあるの?目に見えないものをどうやって表現するの?

次々に投げかけられる質問に、齋藤さんは微笑みながら明確に答えていかれます。また「アロマ調香デザイン」は齋藤さんの商標登録とのことで、「齋藤さんはアロマ調香のお家元ってことですよね」。

 世の中に「アロマ」と謳われるものは無数にありますが、その中で齋藤さんが手掛けられる香りの絶対的な個性は「天然のものしか使わない」ということ。しかも産地に出向き、その土地の土と風をたしかめ、生産者さんとのコミュニケーションをとることで得られるとっておきの天然製油。旬もあれば、気候の変化にも影響される。農作物と同じ感覚です。産地と土地を非常に大切にされているその様子に「あれですね、香り版のテロワールだ」。

 植物性の精油の魅力は、香りのグラデーションがなだらかで、かつ「雑味」があること。この雑味こそが化学では解明ができない世界であり魅力だとも齋藤さんはおっしゃいます。

「香りの軸にあるのは日本の森の香り。植物の恵みである天然精油を素材から選び、組み立て、 空気のように自然なのに、心を動かす香りをつくります。(公式サイトより)」

 嗅覚は人の記憶と深くリンクするといいます。思わず目を閉じて深呼吸したくなるような なだらかな香りは、太古から続くその土地の記憶を 今を生きる齋藤さんの手が紡いだもの。一片の風のようなその香りは、京都ならNOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTOなどで体感していただけます。

 ちなみに。関西でいうところのとても「シュっとした」齋藤さんですが、実はしっかり体育会系女子という事も判明。神奈川県でトップを飾ったこともある中距離ランナー。そして「僕も陸上選手だった」という、スタッフも知らなかったケンメイさんの新情報も放出。土を踏みしめていた青春時代…何の選手だっかたは対談をお聞きください。意外に!?負けず嫌いという共通点も伺えた対談でした。

TOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIO ⇒ https://ts-aromatique.com/



Dec 10, 202301:20:35
京都のつづく#61 飯尾毅/株式会社飯尾醸造 会長/富士酢醸造元

京都のつづく#61 飯尾毅/株式会社飯尾醸造 会長/富士酢醸造元

2019年9月放送、「富士酢」で知られる飯尾醸造の四代目で会長、飯尾毅さんとの対談。

 70代とは思えない色艶の良い肌。とことん研究体質でお酢に関する歴史や研究結果等、ありとあらゆるデータを脳内インプット、資料も何も見ずにスラスラ紹介される様子に「お酢界の山下達郎!?」とさえ思ってしまう。そんな研究魂の根底には、自社の商品へのピュアな愛に留まらず、そのお酢の原料を作って下さっているお米農家さん達への感謝とリスペクトとも深く繋がっています。“無農薬”を謳うことは今では珍しくなくなりましたが、無農薬であることで一番負担を強いられるのは農家の方々。富士酢に使用するのは地元・丹後の新米のみ。また、周りの農薬や生活排水の影響を受けないようにするため、人里離れた棚田で米作りが行われています。飯尾家では常に農家さんの立場に立ち、どうすれば農作業の負担を軽減できるか、経営を安定していけるのか…を念頭に置く。自然豊かな宮津の空の下、健やかな循環が実らせるお酢の足取りをこの対談でお聞きください。

 そして対談中 何度か話題になった「富士酢」や「紅芋酢」を試してみたくなったら、本山佛光寺境内の「d&department KYOTO」へ是非。d食堂京都では「紅芋酢ソーダ」も常備メニューになっています。ちなみにケンメイさんが「実はお酢が苦手」と告白すると「私も苦手です!」と即答して下さった会長。「毎日紅芋酢を飲んでいますが、社員は8倍に薄めて飲みますが、私は10倍に薄めます(笑)」。どこまでも朗らかで健やかなお人柄は、富士酢そのものだと実感した2019年の対談でした。


★information★

本山佛光寺境内にある「d食堂京都」では、2023年12/1(金)から2024年1/11(木)まで、京都「宮津定食」をお召し上がりいただけます。

以下、料理長より。

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京都府北部、日本海に面した宮津では、ちくわや鯖のへしこ、干物等、様々な加工品が作られています。その一方で、丹後半島の山道を上って行くと棚田が広がる昔ながらの原風景、上世屋地区があります。その美しい風景を残していくべく活動している方々がいます。

農薬や化学肥料を使わず昔ながらの稲木干しで米作りをされていたり、山と共に生きる者としてそこに棲むジビエ(鹿など)を捕獲し、美味しく食べてもらうことで山の価値を高めようとしていたり、お酢の原料である米を自ら米作りからされていたり…。そのような方々のことをこの定食を通じて伝えていきたいと思い、宮津の郷土料理と共にこの一膳にしました。


●宮津ちくわのおでん

 宮津市漁師町の通称「ちくわ通り」に店を構える「カネヒロ」のちくわを丸ごと1本!いりこ出汁のおでんにし、「飯尾醸造」の玄米黒酢をひとかけ。「ほどほど屋エイト」の練り和がらしを添えて。

●山の芋とろろかけ麦飯

 上世屋の棚田で農薬や化学肥料を使わずに育て、昔ながらの稲木干しでじっくり干し上げた「チャントセヤファーム」の新米。麦飯にして宮津特産、山の芋のとろろをかけました。

●アカモクの味噌汁

 宮津の海で採れたアカモク(海藻)を「世屋蔵」の世屋みそで味噌汁に。

●鯖のへしこ

 丹後地域の郷土料理。「世屋蔵」特製のへしこをさっと炙って。

●鹿肉のサラミ

 「上世屋獣肉店」特製、丹後の野生の鹿肉を1ヶ月低温熟成させた柔らかい無添加サラミ。

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京都「宮津定食」は数量限定です。宮津の皆さんの温かな思いがたくさん詰まったお膳を 是非お楽しみください。



Dec 05, 202353:27
京都のつづく#60 下條ユリ/画家

京都のつづく#60 下條ユリ/画家

ケンメイさんが過去イチ 愉快に振り回されたゲスト、画家の下條ユリさん。スローで丁寧、品のある語り口でありながら、少女のようなあどけなさとウィットに富んだお話にスタジオの誰もが魅了された2016年10月の対談を、満を持してアーカイブ。

 東京都出身、現在はNYと京都を行き来される下條さんは、高度成長期の80年代にイラストレーターとしてキャリアをスタート。可愛らしさと怪しさを混在させた作品は瞬く間に評判になり、数多くの雑誌の連載、小沢健二や松任谷由実などの一流ミュージシャンのCDカバーやアニメーションを手がけるほか、コラムの執筆やCM出演、TV番組の司会業もするなど、多才ぶりを発揮されます。下條さんいわく「サブカルチャーなんていう言葉がまだなかった頃。子どものココロを持った大人がたくさんいた東京で、とにかく自分達が一番おもしろいと思ってた」という享楽の時代でした。

 ところが1996年、日本のキャリアに突如別れを告げてブルックリンで活動開始、NYのストリートアートシーンでの活動をはじめられます。幼少期より「第二の故郷」というハワイとの往復生活や世界各地への旅を通じて、その土地の土着文化やアニミズム、シャーマニズム、社会問題に影響を受けた下條さんは、独自の感性で日本画材を用い制作するようになり、顔彩、墨や朱による神秘的かつ、抽象性のなかに深いメッセージを含んだ作品を数多く発表。やがて「3.11」後、コミュニティや社会状況の変化を、作品に対する人々の反応から感じとった下條さんは、再び日本での作品の制作を決意。自身が「かつてのブルックリンに似ている」と語る 京都市左京区に「お山のアトリエ」なるものを作り、京都とNYの二拠点で活動するに至る。2012年には「生と死」を主題にした5枚の連作『メメント・モリ(Memento Mori)』を完成、翌2013年に京都と東京で11年ぶりとなる個展を開催。

 今回アーカイブした対談は、ホホホ座さんのマネージメントにより(!?)2016年に収録。下條さんと同じく東京での享楽の時代を経験したケンメイさんと当時を振り返りながら なぜ東京を後にしたのか、そしてまたなぜ京都にやってきたのかをストレートに問いかけます。下條さんが繰り返したフレーズは「人間らしさ」と「リアリティー」。

対談最後は、世界のあらゆるシーンを体感されてきたアーティストである下條さんにケンメイさんが質問します。「ロングライフデザインってどう思います?」

そんな楽しい迷走対談から7年…コロナを経て、様々な人生の節目を越えて数年ぶりに下條さんは京都に。そして旧知の友人である料理家の船越雅代さんのアトリエ「farmoon」で「線と点と」という個展をひらかれたのでした。

【コロナ禍前にNYの下條ゆりちゃんちに滞在した折、描きかけの線の絵をみせてもらって涙が止まらなくなった。いつもバカ話してガハハと笑い合ってるゆりちゃんの、どこまでも澄んで強くて美しい画家魂に触れた瞬間。3年越しにゆりちゃんも京都のお山に帰ってきて今回farmoonで美しく表装された下條ゆりの線と点の2点の新作をみなさまにお披露目できることにこの上ない幸せを感じています。(船越雅代)】

アーティストとアーティストの心が尊く触れ合って生まれた展覧会には、親交のあった坂本龍一さんが下條さんに捧げられた言葉も飾られ、数々の共鳴の輪を広げながら終了。下條さんはNYとの行き来を繰り返しながら、言葉にならない「人間らしさ」を きっとこれからも表現されていくのだと思うと、その姿を追いかけずにはいられません。きっと遠くない未来に再びケンメイさんとの対談を。


■下條さんの姿もおさめられたカナダのドキュメンタリーシネマ「Colour of Ink」(Directed by Brian D. Johnson)⇒ https://vimeo.com/747468768

■下條ユリInstagram ⇒ https://www.instagram.com/yurishimojo/?hl=ja

Dec 03, 202301:03:08
京都のつづく#59 幅允孝/有限会社BACH代表/ブックディレクター

京都のつづく#59 幅允孝/有限会社BACH代表/ブックディレクター

マイルド声×マイルド声なお2人による「本」にまつわる対談、そのまま永遠に耳を傾けられそうな80分。

 他人の時間の奪い合いが激しく 人と本との距離が遠くなりつつある昨今、「気が付けば読んでいた…という状況をつくりたい」と幅さん。ブックディレクターという仕事は、本そのものを選ぶことはもちろん、最近では より本に没入しやすい環境を整えるべく家具やカーペット、照明のセレクトをされる事も。

「それだけ、そういう環境を求めている、本を読みたいっていう人が増えてるってことでもありますよね?」とケンメイさんらしい切り返し。

 幅さんと言えば 今年(2023年)2月に住民票を京都に移され、「鈍考donkou/喫茶 芳 Kissa Fang」という名の私設図書室と喫茶を開設。なぜ京都だったのか、そしてなぜそのような空間を作られたのか、建築好きゴコロを十二分にくすぐられたケンメイさんならではのQ&Aもありながら会話はすすみます。(ちなみに京都バナシでは、ダムタイプのファンで「京都メトロ」には度々通われていたという新事実も判明)

 また、ケンメイさんと同じく愛知県育ち。「本屋にツケがきいた」というお話やお母さまの影響など、幅少年の読書環境についての興味深いお話や、上京&卒業後の「青山ブックセンター六本木店」勤めのお話の際は、当時ケンメイさんが近くに事務所を構えていたこともあり「きっと接触してたはず」と判明。その「青山ブックセンター六本木店」時代には、世界最大規模の某ネット通販が台頭した事を目の当たりにし、その頃からの時代の変遷を共に振り返ります。

「本自体が寛容さの器」「幾重も奇跡が重ならないと本は売れない」「遅効のコンテンツ」」etc…人が本を手に取る瞬間ををずっと見つめてこられた幅さんがよどみなく口にされる「本まわり」の言葉を、ケンメイさんは「快適な小難しさ」と賞し、聞き惚れているうちにタイムリミットにてあえなく対談終了。再びのご出演を切に願うばかりです。

 図書館、病院、学校、ホテルetc 全国各地に幅さんディレクションによるライブラリーはありますが、京都から近い所では大阪の「こども本の森 中之島(設計・建築/安藤忠雄)」がおすすめだそう。こちらの事前予約システムは「鈍考」のヒントにもなったとか。こどもに限らず、大人な皆さんも 是非お出かけください。

「鈍考donkou/喫茶 芳 Kissa Fang」 ⇒ https://www.donkou.jp/

健やかな本との付き合い方のヒントとなる最新著「差し出し方の教室(弘文堂)」ほか 著書多数。

Nov 19, 202301:20:39
京都のつづく#58 涌波まどか・涌波優太/蘇嶐窯

京都のつづく#58 涌波まどか・涌波優太/蘇嶐窯

番組初、母&息子ペアご出演。中学生が陶工への夢を語る胸アツ回。

 京焼青磁の窯元に生まれ、四代目・涌波蘇嶐(わくなみそりゅう)を襲名されたご主人と、福岡市の小石原焼の窯元に生まれ育った妻・まどかさん。土も作風も全く異なる窯元に生まれた2人が 京都の陶工高等技術専門校で運命的に出会い、やがて夫婦となり、東山の地で「蘇嶐窯」を盛り立てていらっしゃいます。

 ご主人のルーツである「練り込み青磁」に、まどかさんのルーツである「飛鉋(とびかんな)」を施すことで 規則的な文様が浮かび上がるという「青磁飛鉋」は、2人ならではの新しい青磁の世界を開拓。さらに陶工の妻であると同時に2人の子供の母でもあるまどかさんの視点は大いに作風に作用し、お茶の世界から羽をひろげ、日々の暮らしの中へ、あるいは国内外のレストランや料理店へと軽やかに舞い込んでいます。

 そんなご夫婦の元で生まれ育ったお嬢さんと息子さんは共に「将来は家業を継ぐ」と口にし、特に長男優太さんは小学3年生の時にはその思いを作文にしたためたと言います。この対談では、その作文作成から3年を経て中学生となった優太さんが、母まどかさんと共にご出演。家業の事を語るお母さんを素直に称賛し、また小学生の頃から変わらない自身の思いをケンメイさんにも語ります。一方でまどかさんにも、小学生の息子の継承宣言を喜ぶと同時に「現状を変えていかねば」と強く決意した…その心中を伺いました。

 また、優太さんの学校課題として提出した「縄文土器」の制作をキッカケに、まどかさんの「縄文愛」もゆっくりと開花。やがて大きなうねりとなって、縄文にまつわる作品を制作。縄文個展や 昇苑くみひも八田さん(当Podcast#53 参照)らとの縄文コラボ展etcを度々開催され、常に進化を遂げていらっしゃいます。

 そんな好奇心あふれるまどかさんゆえに、次なるコラボレーションは写真の世界へ・・

★ information ★

蘇嶐窯 × 町田益宏 展「Blue 青の光の中で」

|会期:2023年11月18日(土) – 26日(日)

|時間:10:00 – 17:00

|会場:蘇嶐窯、山山(2会場で同時開催)


写真家としてのフィルターを通して見つけた青の数々。私達はそれに呼応するように手を動かし 新しいプロダクトをつくりました。そしてまたそのプロダクトを写真家の目線で写し出してもらう“言葉ともの“のやり取りを繰り返し 生まれてきた青の景色を是非体感しにいらしてください。

( 蘇嶐窯公式サイトより ⇒ https://soryu-gama.com/unclassified/5481 )

 対談本編ラストには、大学生になった優太さんも加わった近況コメントあり。少年の成長を目の当たりにし、スタジオも騒然…!青年となった優太さんの陶工になる夢は果たして…!?その後の涌波家の動向にも是非ご注目(耳)下さい。

Nov 17, 202352:03
もののまわり#31 プラスチックのもののまわりvol.2⑤「d SCHOOLわかりやすいプラスチック」オールスターズ

もののまわり#31 プラスチックのもののまわりvol.2⑤「d SCHOOLわかりやすいプラスチック」オールスターズ

9月28日「D&DEPARTMENT TOKYO」で開催された「d SCHOOLわかりやすいプラスチック」の模様をお届けします。

1部:サナダ精工株式会社 眞田和義社長によるプラスチック勉強会(歴史等)

2部:参加者による意見交換~ナガオカ×眞田対談(プロジェクトのこれから)

Long Life Plastic Projectのリアルイベントとなるこの催しでは、「思いを発信する側」のお話にとどまらず、その思いの「受け取り手」であるイベント参加者の皆さんが 日頃どんなどんな思いでプラマグと接していらっしゃるのか、これを垣間見られる貴重な時間となりました。

プラマグを毎日使う小学生、環境問題に関心のある方、プラスチック関連のお仕事をされている方、そしてプロジェクトにまだまだ「?」を抱かれている方etc、プラマグを片手に円になり、Long Life Plastic Projectに期待することを語り合う。プラの変態さんや、逆に傍観されている方など 色とりどりの意見に時間が経つのを忘れます。そして終盤は、熱く奇妙なこのプロジェクトが踏み出そうとしている「100円ショップでの展開」についてのナガオカ×サナダ会談。4950円のプラマグを通して伝えた「ロングライフ」な思いを、数百円のプラマグにも。さらには新たなアイテムも加わって…!?

Long Life Plastic Projectの最新情報、製造工程で生まれる「かも」しれないレアマグ情報は、プラマグ購入者が参加できるLINEのオープンチャット「Long Life Plastic Projectの仲間」にいち早くポストされます(2023年11月現在 参加者224名)。


特集記事「Long Life Plastic Project プラスチックのロングライフデザインを考える」はコチラ ⇒ https://www.d-department.com/item/LLPP.html

Nov 06, 202301:11:10
京都のつづく♯57 高島慎一/洸春陶苑

京都のつづく♯57 高島慎一/洸春陶苑

わかりづらい“京焼”に一歩 歩み寄る対談。番組スタート1年目、2015年12月放送。

洸春窯は 1943年東山区日吉地区に開窯しました。初代、二代目による作風の移り変わりを経て三代目となる慎一さんは、「いっちん」という装飾技法を用いて七宝柄を手描きする作風を生み出し、茶道具から日常使いのものまで、目にも鮮やかな器たちを手掛けていらっしゃいます。

そもそも 京都には焼き物に適した土がない。そのため、陶工達は 様々な地方から土を取り寄せ、混ぜ合わせ、それぞれの手法技法を用いて京都の工房で作る。つまりは「決まった手法がないのが特徴」…それが京焼。慎一さんによるとそんな特徴故に京焼のことを「己(おのれ)焼」とも言うそうです。

実際に慎一さんも 例えば「白の器」のオーダーを受けても 依頼主が抱く白のイメージと違うならば、様々な場所から土を取り寄せ、混ぜ合わせ、要望にそぐう「白」になるまで創意工夫を凝らす。「京都に注文きてできひんって言うな」という先人達の言葉も頭をよぎります。

ということで、今回の対談を経てのケンメイさん的解釈は「じっくりと上質なものを作る オールマイティーな焼き物の産地」


なお、京都のイケズに関しては「そんな質問をするケンメイさんの方がイケズだ!」と、まさかのイケズ返し。また「ロングライフなもの、とは 工夫する余裕のあるものではないか」など 興味深い私見もお話して下さいました。

そんな対談にプラスして、8年を経ての近況コメントでは「もののまわり、という考え方が本当に嬉しい!」とおっしゃった慎一さん。d京都店では「洸春陶苑のもののまわり」を開催。前述の「とことん要望にそぐう」を実践した朱色の「洸春陶苑×D&DEPARTMENT KYOTOオリジナルマグ」には特にご注目下さい。慎一さんが得意とされる「いっちん」もdロゴの中に…!


「洸春陶苑のもののまわり」

日程:2023/10/19(木)~2023/11/27(月)

時間:11:00~18:00(水曜休)※最終日は17:00まで

場所:D & DEPARTMENT KYOTO SHOP(最新情報⇒ https://www.instagram.com/d_d_kyoto/)

Nov 02, 202340:18
もののまわり#30 プラスチックのもののまわりvol.2④/眞田和義(サナダ精工株式会社)

もののまわり#30 プラスチックのもののまわりvol.2④/眞田和義(サナダ精工株式会社)

プラスチックに「ロングライフ」というテーマを根付かせることができるのか?それを確かめるべく、プラマグが大きな一歩を踏み出そうとしています。


3者対談を経ての ナガオカ×サナダ対談再び。

前半は プラスチックの現状と未来への思い、後半は 驚きの新展開についてお話します。

“使い捨て“ ではなく “一生もの“ のプラスチック

時間軸と人の想いをそこにのせることができるのか。


「やめる訳にはいかないので」byケンメイ


来年創業50周年♪サナダ精工株式会社 ⇒ https://www.sanadaseiko.co.jp/


Nov 01, 202321:49
もののまわり♯29 プラスチックのもののまわりvol2③/眞田和義(サナダ精工株式会社)浜辺久美子(オーケー化成株式会社)

もののまわり♯29 プラスチックのもののまわりvol2③/眞田和義(サナダ精工株式会社)浜辺久美子(オーケー化成株式会社)

「あなたのうれしいを色でつくる」…オーケー化成株式会社営業部/カラーデザインチームの浜辺さんを迎えての、続・紅一点対談。

今回は 「流行色について」「プラスチックならではの色表現とは?」「ダメージ加工ってあり得るの!?」 等々、プラスチックと色 との関係をさらに深掘り。

環境問題ばかりが先行しがちな昨今ですが、私達の暮らしに欠かせないマテリアル「プラスチック」。だからこそ、より愛着がわいて思わず長く使いたくなるプラスチックとは?…に三者で迫ります。

プラマグの歩みはまだまだ続く。

Oct 24, 202322:03
もののまわり#28 プラスチックのもののまわりvol.2②/眞田和義(サナダ精工株式会社)浜辺久美子(オーケー化成株式会社)

もののまわり#28 プラスチックのもののまわりvol.2②/眞田和義(サナダ精工株式会社)浜辺久美子(オーケー化成株式会社)

オジサマ2人の間に 笑顔ほころぶ女性が参列。

第2回、3回の対談は オーケー化成株式会社営業部カラーデザインチームの浜辺久美子さんをお迎えして プラスチックの「色」に迫ります。

オーケー化成さんはプラスチック用の色、着色剤を製造しているメーカーです。普段その名が表に出る事はありません。

今回は 浜辺さんに日頃の業務内容や、ケンメイさんも「あそこで2泊3日できそう」と思わず口にした魅惑のショールームについて、さらに色の「経年変化」に関するお話を伺います。

入社11年目「プラスチックの虜」という 浜辺さんは、日々どんな想いでプラスチックの「色」と向き合っていらっしゃるのでしょうか。


サナダ精工株式会社 ⇒ https://sanada-group.jp/

オーケー化成株式会社⇒ https://ok-kasei.co.jp/

Oct 15, 202316:01
京都のつづく#56 宇髙竜成/能楽師シテ方金剛流

京都のつづく#56 宇髙竜成/能楽師シテ方金剛流

2018年5月放送 ( details later )


第21回 宇高青蘭能之会(うだかせいらんのうのかい)

日時:2023/10/14(土) 13:30~16:00

会場:金剛能楽堂

詳細紹介動画 ⇒ https://youtu.be/sHUMCdsil2Q

チケット ⇒ https://teket.jp/1133/23945


<プログラム>

舞囃子「藤戸(ふじと)」

 シテ 宇髙竜成

狂言「寝音曲(ねおんぎょく)」

 シテ 山口耕道 

 アド 山本善之

〈休憩20分〉

能「半蔀(はしとみ)」

能面制作 宇髙景子


<みどころ(公式サイトより)>

この度、亡父・宇髙通成が長年にわたり主催してまいりました「宇髙青蘭能之会」を、私たち三人で受け継ぐことを決めました。今後も三人力を合わせ、さらに素晴らしい舞台を目指し、努力を積んでまいります。


二十一回目となる宇髙青蘭能之会では、次男の徳成が源氏物語を題材にした能「半蔀」を演じます。能「半蔀」では、長女の景子が今回の為に制作した能面「孫次郎」を使用します。また、長男の竜成が平家物語を題材にした舞囃子「藤戸」を演じます。

能「半蔀」では夕顔の上の幽霊が登場し、光源氏との恋の思い出を美しくも儚い物語として描きます。舞囃子「藤戸」では、源平の合戦に巻き込まれた漁師の幽霊が登場し、恨みや苦しみを語ります。

私たちはこれらの作品に心を込めて取り組み、一層の成長と進化を遂げることを目指しています。ご来場の皆様に感動と興奮をお届けできるよう、全力を尽くす覚悟です。引き続き、温かいご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


長女・景子 長男・竜成 次男・徳成


Oct 13, 202356:60
もののまわり#27 プラスチックのもののまわり vol.2 ①/眞田和義/サナダ精工株式会社代表取締役

もののまわり#27 プラスチックのもののまわり vol.2 ①/眞田和義/サナダ精工株式会社代表取締役

2020年1月、「プラスチックだって愛せるぞ!」という思いの元に開催された「nagaoka kenmei plastics」。この個展が水面に落ちた水滴のように波紋をひろげ、Long Life Plastic Projectはプラスチック製造に関わる方々やユーザーを巻き込みながら広がりをみせています。

「プラスチックも経年変化によって一生モノになり得る」という事を体現するプロジェクトの一環として、2年に1度オリジナルのプラスチックマグカップ(通称プラマグ)の新作をリリース、そのプラマグファンがLINEのオープンチャットで集う「プラマグの会」の参加者は、現在(2023年10月)約220名。各々のプラマグライフが垣間見える写真投稿や、ケンメイさんやメーカーさんからのレスポンス、dスタッフからのいち早いインフォメーション投稿など、プラマグを通して温かくゆるやかに繋がっています。

前回から1年を経て2度目の放送となる「プラスチックのもののまわり」では、サナダ精工の眞田社長やオーケー化成の浜辺さんにご出演頂き その後の経過や意識の変化、業界バナシ、今後の展開についてクロストーク。そして最終回では、愛すべきプラスチックの変態(⁉)がd東京店にリアルに集った「d SCHOOLわかりやすいプラスチック」の模様もお届けします。


① ゲスト:眞田和義(サナダ精工株式会社 代表取締役)

大阪府唯一の村、千早赤阪村でプラスチック製生活雑貨を製造販売。2012年社長就任。「愛されるプラスチックをつくろう」を企業理念に掲げ、プラスチックとの良い関わりを提案出来る企業を目指す。2024年は創業50周年のアニバーサリーイヤー。

サナダグループ ⇒https://sanada-group.jp/


Oct 08, 202319:45
京都のつづく#55 三浦豊/森の案内人

京都のつづく#55 三浦豊/森の案内人

林は人の営み、森は自然の営み。

森は人間のために生きている訳ではないんです。


森の案内人・三浦豊さんは、子供の頃からアウトドア嗜好なお父さまに連れられて、北アルプスや屋久島など日本各地の自然豊かな場所を巡ります。また家の近くには下鴨神社、ユネスコの『世界文化遺産』に登録されている「糺の森」を日常的な風景として育ちます。「さては生粋の自然マニアだな!」…と思いきや、ハタチになっても向日葵と桜の名前くらいしか知らないほどの「自然音痴」。そんな三浦さんの転機は 大学進学に伴う上京後のある日、突然やってきます。建築を学んでいた当時 街中を散策していると、ふと目に入ったのはアスファルトの隙間から懸命に芽吹いている草木たち。よくよく目にする風景ですが、その時なぜか三浦さんにビビビと電気が走ります…「草や木はどうしようもないほど…生きている!!」。不思議と幼い頃に見た屋久島の原生林の風景がフラッシュバック。太古からの自然の営みを真正面から受け止めた瞬間でした。


そこから三浦さんは「より森の近づく」べく進路を軌道修正、建築から庭師へと舵をきり 京都にリターン。さらに数年後、26歳の時に「もっと森を感じたい」と、仕事を辞めて日本中の自然を巡る一人旅に。そこから5年間は、重い重い図鑑を携えて ただひたすら一人で日本中の森を歩くフィールドワークを重ね、2010年から「森の案内人」としての活動をスタートさせます。


ネイチャーガイドとの違いは、三浦さんは森林や里山だけでなく、神社仏閣、日本庭園、都会のビルの狭間など、茂みのある所ならどんな所でも案内してくれるところ。なぜなら三浦さんにとって森の定型句は存在しないから。三浦さんのwebサイトに掲載されている「森ツアー」のほか、ユニークなのはプライベートな「オーダー森ツアー」。例えばある時は、毎日の通勤の道のりを、交通手段も含めて完全に日常と同様に三浦さんと辿り、三浦さんの視点で道中や車窓からのぞく茂みや木々達を解説、そして会社の前でさようなら。ある時は、「失恋した私を慰めてほしい」というオーダーのもと、メールでのやり取りの後に奈良の室生寺や長谷寺巡り。またある時は、小さなお子さんのいるお母さんからのオーダーで、子供の歩く速さと目線を大切にした毎日のおさんぽ道中ガイド。


「草木が生き物であること、そして人間のために生きている訳ではないこと。これをツアーに参加してくれた人に感じてもらえたら僕的には大成功」

森への想いの根っこがユニークな三浦さんなので、ツアーに参加して帰路に着くころには 自宅周りの見慣れた風景も違って見えるかもしれません。


その他 京都の城陽から滋賀の木之元へ木々を連れて移住されたお話、行政と地元の森林の物語を紹介する冊子を作ったお話、三浦オススメ「秋の森三選」紹介、100年後の日本の森はどうなる!?など、気になる話題続々。とっても不思議でボリューミーな対談となりました。


「化学的に解明されない…でもやっぱり必要な事、というものが見直される時代になるんじゃないかと思う。そう考えると森に学べることはたくさんあるように思う」とケンメイさん。そして6年前も今も変わらず、三浦さんのことを「森さん」と言い間違えるのでした。<①2016年8月放送 ②2023年9月放送>


■ 三浦豊 ホームページ ⇒ https://www.niwatomori.com/


Oct 08, 202301:50:23
京都のつづく #54 永松秀高/「Section D’or(セクションドール)」オーナーシェフ/一般社団法人「食で未来を創るアカデミー」理事

京都のつづく #54 永松秀高/「Section D’or(セクションドール)」オーナーシェフ/一般社団法人「食で未来を創るアカデミー」理事

「自分が何者であるかを知るっていうことは 何においても大切だと思いますね。」

セクションドールのオーナーシェフ永松秀高さんは 3年前のご出演時も、そしてコロナ禍を経た現在も 同じことを話されました。数々のゲストの中でも群を抜いて「ブレない人」、そして極めて高い俯瞰力の持ち主。

ケンメイさんの(数少ない)「京都の好きな店」。この上位に君臨する「Section D’or(セクションドール)」は、2011年にオープン。永松さんによる完全なるワンオペスタイルのレストランです。10年間の生存率は10パーセント以下、最初の2年で50%が閉店を余儀なくされる…と言われる日本の飲食店業界で「ミシュランガイド」「ゴ・エ・ミヨ」等を獲得し、オープンから12年経った今でも事前予約は必須。しかもメニューは変わることなく タンドリーチキンのワンプレートのみ。それにビール、水出しウーロン茶、ワイン・・以上!

「変わらないこと」に永松さんが飽きることはありません。

12年間、一日も欠かすことなく「普通の掃除」と「大掃除」の2本立てを遂行。テーブルや調理道具が美しいのは当たり前、床も「白衣の膝が汚れない」を完了の目安に ひざまずいて拭き、隅々までピッカピカに磨き上げられています。店内BGMのオペラも12年間変わっていません。

フランスの星取得レストランでの経験も含め、国内外問わずシェフとして煌びやかな道のりを歩いてこられた永松さんですが、ある日「本物の天才料理人に出会ってしまった」ことが転機となり、自らは分析を重ねることでオリジナリティーの濃度をとことん高めたセクションドールのスタイルへ。

「僕、セクションドールでは無敵なんです。どんな人が来ても絶対に負けない。」

まるで 疎水沿いに建つ精悍な城とその主。その場所で主が考え抜いた「黄金比(セクションドール)」な一皿を食す幸せを、ファンはいつも噛み締めます。あのお店ので体験が特別であることは、母親に「絶対あそこに行きなさい」と諭されて来たという修学旅行生のエピソード、毎年必ず桜の季節に訪れるというご年配婦人のお話からも感じ取って頂けるのではないでしょうか。ちなみに有名料理人にも永松さんのファンは数多。常にベストコンディションに整えられた一席でプロ達は何を感じられているんでしょうか。

また「京都」という街については、「その冷静な資質が とことん肌に合う」と言い、「イケズは気づきのポイント」だとも言います。実際、とある有名料理人にお店のとこでイケズを言われた永松さんですが、そこで卑屈になるのではなく、己のスタイルにさらに磨きをかけて年月を重ねることで、見事 仕返し成功。「要は、イケズを言われた時にそこで 何に気づくか、何ができるのかを自分で冷静に考えることが大切」と言う永松さんに、「京都らしく生き残る…ってことに、非常にあってるんでしょうね」と呟いたケンメイさんでした。

さらに、総合芸術プロデューサー的な手腕を持つがゆえに その奇才は隠し切れず。 かの福武美津子さんが代表理事を務め、香川県の豊島を基盤とする一般社団法人「食で未来を創るアカデミー(通称:食アカ)」の理事に召喚され、現在 セクションドールの経営と並行して「食を支える人」が豊かになることを通した未来づくりに積極的に携わられています。永松さんが自らの経験や思いを惜しみなく語る食アカの公式YouTubeも 是非ご覧ください。

なお 12年間「変わらない」をつづけるセクションドールに、最近1つだけ変化がありました。数少ないメニューに、ある飲み物がプラス。「それは大革命じゃないですか!」とケンメイさんも驚きを隠しきれません。とことん凝ってしまう永松さんにゆえに、儲けは度外視されたという極上の飲み物とは…?? 答え合わせは 本編、もしくはセクションドールでどうぞ。


■「食で未来を創るアカデミー」 ⇒ https://shokuaca.or.jp

<①2020年2月 ②2023年9月 放送>

Sep 30, 202301:44:54
京都のつづく#53 八田俊 / 昇苑くみひも

京都のつづく#53 八田俊 / 昇苑くみひも

「組紐のお仕事は、八田さんにとってはもう天職ですね」

さらに「組紐にとっても、八田さんみたいな人がいてよかったですよね」とも。


縄文好き、手仕事好き、スケーター、若い感性

これらの八田さんの個性と「組紐」とが ピターっと美しくハマった奇跡、運命の瞬間ようなものをケンメイさんが目の当たりにされてのコメントでした。


1948年、宇治に創業された「昇苑くみひも」さんは、分業が主たる業界にあって製造から加工までの全ての工程を手掛ける数少ない会社です。

手組みも機械での製造も、それぞれの長所を生かしてどちらも手掛け、和装等の資材としての組紐はもちろん、完成形のオリジナル商品も数多手掛けていらっしゃいます。昔も今も人気の商品は「正絹ストラップ」。

そんな組紐は映画「君の名は」でブレイクしたのは記憶に新しい所ですが、歴史は古く、シンプルなものは日本古来のもの、今のベースとなるものは仏教伝来と共に大陸から入ったとされています。普段 意識はしていませんが、紐は人が生活がする上で実は1番目か2番目に身近 かつ必要な道具であり、繊細な作業が得意な日本人の「紐文化」と結びつき、独自の発展を遂げていったと考えられています。

そんな紐の生成方法には「織る」「編む」「組む」の3パターンがありますが、くみ紐はその名の通り、組み台と正絹を使って「組む」ことでできるプロダクト。

八田さん曰く「分かりやすのは三つ編みで、あれは正確には“三つ組み”になるんです。」製造業務をみっちり経て営業職に就かれた八田さんは、組紐博士のごとく全てにおいて分かりやす説明してくださいます。

対談中、終始ケンメイさんの心をとらえて離さなかったのがそんな八田さんの「縄文好き」(ご本人いわく、縄文に限らず“古代史好き”だとか)ですが、「資料がないものをひも解いていくことが好きなんです」とのことで、単純に組紐のメカニズムや情報を説明するだけでなく、八田さんを通して遥か太古の祖先の暮らしへのイマジネーションがリンクすることで、紐の魅力や紐愛がぐっと深まります。

ちなみに八田さんのような「縄文好き」は全国に数多いらっしゃるそうで、SNSなどでの情報交換も盛ん。八田さんも長野や東北まで、縄文の聖地めぐりをされるそうで、対談中にそんな一連の行為を「縄文活動」とケンメイさんは名づけました。

その他、昇苑くみひものある宇治のお話や工芸とサーフィン・スケートのお話、未来への思いなど対談は様々な広がりを見せました。そして終盤、紐という道具そのものについてこんな言及も。

「ひもを結べる、ということは“整える”という要素を強く持っている。そして日本人は 節目節目に紐を結んできたのではないかと思う。」

紐そのものの美しさだけでなく、きちんと美しく紐を結ぶ…という行為がもたらす清々しさ、心の安らぎも思い出させてくれる対談となりました。

対談をお聞きになって組紐のことが気になられた方は 是非こちらの企画展へ。アメリカでは組紐ブーム到来…「こんな組紐も!?」というものも並ぶそうです。

10月11日~10月15日 

「日本とアメリカのくみひも展」@京都市国際交流会館

⇒ http://www.kumihimo-society.org/exhibition.html


昇苑くみひも

⇒https://shop.showen.co.jp/

Sep 20, 202301:04:29
京都のつづく#52 山田博之/イラストレーター

京都のつづく#52 山田博之/イラストレーター

プロのイラストレーターを目指す方には特に聞いて頂きたい対談となりました。キーワードは「自分の居場所」です。

イラストレーターの山田博之さんは現在 横浜にお住まいですが、元々は洛中っ子。祇園祭で「最寄りの鉾は?」などと聞かれた日には「え?長刀鉾。」とドヤ顔で言える場所。そして学区(京都では割と重要視される)は d&department KYOTOのある「豊園学区」のご出身です。

対談冒頭はイラスト業界の現況について。ケンメイさんと年齢が近いこともあり、80年代から現在への変遷、webの台頭が及ぼした影響についてリアルにお伺いすることができました。「こんな話、なかなか聞けないですよね。」とケンメイさん。またご自身については「表現者」ではなく「職能」という言葉を何度も引用されますが、気になる詳細は お2人の会話でお確かめください。

そんな山田さんのイラストレーションと言えば、「S&Bスパイス&ハーブボトル」のボタニカルアートをはじめ、各種広告、カバーアート、記念ポスターetc、また最近では大河ドラマ「どうする家康」の劇中イラストレーション等も手掛けていらっしゃいます。ケンメイさんとは、「カリモク」や「日フィル(日本フィルハーモニー交響楽団)」のCDシリーズからのお付き合い。ちなみにカリモクのお仕事は、ケンメイさんによるfacebook上での公開発注(!!)が始まりで、当時 周辺がザワついたという事も今回発覚しました。

そしてこのfacebookというのが、山田さんが2011年11月から始めた「1日1枚絵」が展開されている場所(現在はInstagramでも展開)。毎日欠かすことなく、様々なイラストレーションとそのイラストレーションのタイトルをサイトに載せていらっしゃいますが、日フィルのCDの装丁は そんなケンメイさんと担当デザイナーの村田英恵さんが、日フィルの音源を聴き、それぞれに合ったビジュアルを見つけてマッチングされたそうです。またこの「1日1枚絵」を始められる前年の2010年からは、イラストレーション講座「山田塾」を主宰。ご自身がイラストレーターとして“迷走した”という経験から、塾では仕事をとるためのイラストレーション指南ではなく、個々をすっぴんな状態へと戻していく作業を施されるそうです。なぜなら それがイラストレーターという仕事の「つづく」に繋がるからと。

「東京で会う時の山田さんとなんか違う…。洛中人っぽくチクっと言うところとか。こんな山田さん、知らなかった。」

なぜか嬉しそうにスタジオを後にしたケンメイさんでした。


山田博之facebook ⇒ https://www.facebook.com/hiroyukiyamada.illustration


<2017年10月オンエアー>

Sep 16, 202349:46
もののまわり #26 「JOJO Naitou」 ①-④ 内藤誠治/祇園ない藤 五代目/履物匠

もののまわり #26 「JOJO Naitou」 ①-④ 内藤誠治/祇園ない藤 五代目/履物匠

一度目のご出演(京都のつづく#14)から8年の時を経て、今度は「JOJOのもののまわり」コンテンツで再び出演して下さった内藤誠治さん。収録当日は 目にも鮮やかな真っ赤なパンツ姿。そしてまるで“助さん格さん”のように ご子息と「組や」の中澤さんを引き連れ、さらに段ボールいっぱいに詰め込んだ本を抱えてスタジオに来てださいました。「これからおもしろいこと ケンメイさんに仕掛けます~」という空気が満ち満ちて、その波動に乗ったまま グルーヴィーな1時間半の対談となりました。誠治語録の応酬をPodcastでもお楽しみください。

ちゃんとしたものづくりの背景には、ちゃんと受け継がれてきた物語がある。

ものづくりの起点となる思いの原石を継承できているか。思いと結果の順序を間違えてはいないか。誠治さんにお会いすると、常々このような事を問いかけられているように思います。何気ない会話の中にその影が見えるのは「ない藤哲学」を140年間の暮らしの中で代々継承され、その毅然とした態度をお客様にもお伝えしてこられたからなのではないでしょうか。

2013年、誠治さんは ご先祖様が重ねてきたその140年の歴史から学んだ「素材、技術、方法」を使って「Mana project」をスタート、その第1弾がd&departmentでもおなじみの「JOJO Naitou」。内藤さんの言葉で表現すると「ぞうりとサンダルの架け橋」。ケンメイさんが沖縄でJOJOに出会い、すぐにファンになったというのは有名なお話です。その8年後には第2弾となる「kodori」を発表、台をウェッジソール風にすることでよりファッション性を高めたこの履物は、和装にも洋装にも合わせられます。さらには第3弾、現在makuakeにてクラウドファンディングを展開されている「ゆびまたkappo」も、履物匠として、子供たちの健やかな未来を願う大人としての思いが詰まった履物となりました。

今回の対談では「好きとか嫌いとかは別にして、とても尊敬している」という先代・内藤道義さんの話が折に触れて出てきますが、アバンギャルドで奇想天外な誠治さんを上回るほどオリジナリティー溢れた…「なんでもオンリーワン」な方だったそうで、「職商人(しょくあきんど)」「草履は乗り物」という名言も残されています。

なお、その先代が“乗り物”と称した「穴が3つ開いていて紐を通す」という日本の履物の原型は、縄文時代の後期にはすでにあったといいます。日本の気候や暮らしに寄り添った道具であるのはもちろん、そのシンプル構造ゆえに「どうやったって修理はできて当然、修理は前提です」。つまり、意図的・商業的なサスティナブルにあらず。順番を間違えてはいけないポイントです。

「祇園 ない藤」のB面…いや両A面の一面を担う「Gion Naitou 123 Market」には、色とりどり、キラキラ輝くJOJO、kodoriにkappoの数々。さらには洋菓子店「ハーモニカ」の見目麗しいスイーツ、ブックディレクター「組や」編集によるビジュアル的にも刺激的な書棚、ジャンルレスな雑誌のコラージュが彩られる脱日常空間。ここで誠治さんと中澤さんによるオリジナルコンテンツ「Book&Chat(ブック&チャット)」が折に触れて繰り広げられています。インプットのアイテムと思われている「本」を、あなたという人のアウトプットのツールとして発表してみましょう、というのが大まかな内容。参加してみるとそれはそれは楽しく発見の多いコンテンツですが、「なぜBOOK&CHATをない藤さんが熱心に繰り広げているのか」がどうしても気になるところです。謎めいた「BOOK&CHAT」の核心を是非対談で見つけて下さい。ちなみに「BOOK&CHAT」は登録商標済み…抜かりはありません。

「Gion Naitou 123 Market」の片隅には「ない藤の基本」というタイトルの小冊子が並んでいます。これはケンメイさんが対談時の「Book&Chat」で選んだ1冊でもあります。短く言語化された115個の「ない藤スピリット」には「つづく」のヒントも もちろんたくさん。その「ない藤の基本」から「事実に出会う」の章を。


事実に出会うほどパワフルなことはありません。

想像、希望、解釈…

私だけが真ん中に置かれたモノは事実ではない。

私も人も同じものが見えるモノ

反論の余地を持たないモノそれが事実です。

不二の結果。唯一無二、オリジナルの事実

「ない藤は履きやすさと美しさを提供するお店です」



JOJO Naito

https://manaproject.shop-pro.jp/


ゆびまたKappo クラウドファンディング(2023年9月18日まで)

https://www.makuake.com/project/yubimata-kappo02/?from=keywordsearch&keyword=kappo&disp


Sep 06, 202301:23:27
京都のつづく#51 山本太郎/ニッポン画家/京都美術工芸大学特任教授

京都のつづく#51 山本太郎/ニッポン画家/京都美術工芸大学特任教授

政治家でも元俳優でもありません。1999年、日本画(にほんが)ならぬ「ニッポン画」を提唱したアーティスト、そして大のラジオ好き…それが山本太郎さんです。対談前半は 熊本出身の山本さんがどうして京都に流れ着き、ニッポン画家として覚醒し、どのような活動を続けてこられたのか…「沖縄テント受験」というパワーワードを織り交ぜながらお話頂きました。


そもそも山本さんが提唱する「ニッポン画」とは?

①日本画材を使い、日本の古典技法で描いている事

②現代の姿を端的に描いていること

③ユーモアをもって再構成されていること

そして公式webサイトには こんなひと言が綴られています。「私は今日も着物にスニーカーを履いて街を闊歩し、墨を擦って“ニッポン画”を描くのです。」

なお 平面美術の領域で、若い作家の支援を目的に開催されている「VOCA展」。過去の出展者には奈良美智さん、村上隆さんらがいるこの催しで2007年、山本さんはグランプリを受賞。ニッポン画に光が差した瞬間です。ギリギリの生活が続く中、作家を辞めようか否か判断する寸前での受賞だったということで 人生は分かりません。

「山本さんの考え方がいちいち面白い」というケンメイさんの言葉通り、山本さんの視点がユニークであることは間違いありませんが、それと同時に日本画への造詣も当然のことながら深く、日本画と西洋画との違いや面白さを 非常に分かりやすく解説。「調度品」「時間軸」などの切り口に一同唸る事しきりでした。「日本画」も「ニッポン画」も、山本さんにとっては大切な「推し」ジャンル。過去と今、未来を眺めながら きっと今この瞬間も制作に没頭されていることでしょう。

山本太郎さんの作品を間近で見てみたい…という方は、2023年12月3日まで箱根ポーラ美術館で開催中の「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 ー横山大観、杉山寧から現代の作家まで」へ是非。

また 太郎さん初の、そして100年後も語り継がれることを見据えた絵本が出版されることとなりました。

「新しい昔ばなし つなぎまちと130人のこどもたち」(虚屯出版/うろたむろしゅっぱん)

こちらは、熊本県水俣・芦北地域における文化芸術活動の拠点「つなぎ美術館」を中心に行われたプロジェクトが絵本になったもので、津奈木町の80代から90代のおじいさん、おばあさんから伺った思い出話と津奈木町の文化資源のリサーチから生まれた5つの物語が綴られています。津奈木町で令和の時代から新たに語り継がれていくこと、100年後に残っている物語になることを目指して作られたそうです。

詳細 ⇒ https://ulotamlopublishing.com/items/64b18dc012e4fd004102e222


ニッポン画家 山本太郎さんの最新情報はwebサイト、Instagramをご覧ください

https://nipponga.jimdofree.com/

https://www.instagram.com/taro_yamamoto_japanese_art/


Aug 28, 202301:12:34
京都のつづく#50 金谷亘/京菓子司 金谷正廣/和菓子職人

京都のつづく#50 金谷亘/京菓子司 金谷正廣/和菓子職人

「金谷さんの、その若い感性で和菓子に向かっている感じが とてもいい」対談中に何度かケンメイさんから出た台詞。亘さんは、バブルを知らない世代のリアル京都男子。そしてその世代の「京都の職人さん」を体現する一人です。

大学でアートプロデュースを学んだあと 一般企業に就職、印刷やデザインに関わる仕事に携わるも、家族の病気等もあり「金谷正廣」の六代目に。

製菓学校には行かず 長く務める職人さんから現場で技術を習得。音楽好きでギタリストでもある金谷さんは、ザ・和菓子職人的ビジュアルではなく、トレードマークとも言える浅めのキャップをいつもかぶり、静かに和菓子を作り、配達をし、そして店頭にも立たれています。

分かりやすく大きな声はあげることはない。ただ、「今」という外の景色と、江戸時代から受け継いできた菓子を淡々と眺めながら 自分らしいスタイルを静かに積み上げていらっしゃいます。

黒豆に大豆粉と糖蜜を重ね、青のりをかけた「真盛豆(しんせいまめ)」は、明治の頃から茶人にも愛され続ける金谷正廣の代表銘菓。

「正直、あんまり期待せずに食べたんですけど(笑)、一つ食べてみるとビックリするほどおいしくて、気づいたら一袋全部食べてしまった」とケンメイさん。想像以上のポテンシャルの高さの秘訣は、実はビジュアル的には昔と同じでも、素材の味が今と昔は違うため 砂糖などの分量を絶妙に調整し続けている事にあると言います。「変えないために変える」を、京都っ子はやはり自然と習得しているのです。

そんな繊細なマイナーチェンジと並行して、アートを学んだバックグラウンドも活かして 京都市京セラ美術館でのコラボ企画「日本画和菓子」や世界のスパイスを使った「スパイス和菓子」など、過去にない試みの和菓子の開発も続けていらっしゃいます。ちなみにこのアート和菓子も「これみよがし」はタブーで、作品が生まれた背景を理解し、そのエッセンスを投影したものばかり。そのほかコーヒーショップとのコラボ和菓子や 和菓子を取り巻く道具のブランド作りなど、京都アルチザンとのコラボで静かに新風を生み出しながら、日々 堅実で納得いく和菓子作りをされています。

お楽しみの「京都人の本音」では、ヨソモンによる京都人への間違った善意、地域コミュニティデザインの落とし穴など、町衆としての複雑な心境も吐露してくださいました。「しんどかった」というコロナ禍を経ての現在、この先への思いなども語った近況メッセージまでどうぞお聞きください。 

■webサイト⇒ http://shinseimame.com/wk/index.html

■Instagram⇒ https://www.instagram.com/wagashi_kyoto_kanayamasahiro/?hl=ja



Aug 24, 202301:06:46
京都のつづく#49 大西巧/有限会社 大與/和ろうそく

京都のつづく#49 大西巧/有限会社 大與/和ろうそく

D&DEPARTMENTではお馴染みの「大與(だいよ)」さんは、1914年(大正三年)に滋賀県高島郡で創業された「和ろうそく」の専門店です。石油由来のパラフィンを原料とするキャンドルとは性質を異にする「和ろうそく」。その優れた火の道具の存在を知らない方は意外に多いかもしれません。大與の和ろうそくは、家庭用サイズであれば蝋涙(蝋が垂れること)や油煙をほぼ発生させません。また匂いもほとんどなく、環境にも人にも優しいのが特長です。

先代である大西明弘さんは、『いかにして安く大量に作れるか』ということが求められた高度経済成長期に「本物の灯りを守りたい」と昔ながらの製法を継承し、国産・天然の植物蝋を100%使用したろうそくを、1本1本…人の手で丁寧に作る道を選ばれました。そして今回ゲストとして登場して下さった四代目の巧さんも、お父さまの意志を受け継ぎながら 100年強の大與の歴史を未来へと紡いでいらっしゃいます。

巧さんは京都の老舗企業に勤められた後 25歳で家業に入り、以降は和ろうそくの製造と共に「火と人」を繋ぐべく、現代の暮らしの中に寄り添う和ろうそくとその周辺を根気よく提案、発信し続けていらっしゃいます。マッシュルームカットが印象的、そしていつもユーモアたっぷりなおしゃべり。アイデアも豊富でブランディングの手腕も大いに発揮されていますが、対談冒頭で「実は極度の人見知り」と告白。その後に 和ろうそくのことを、どんな存在であってほしいかを問いかけたところ「黙って話をきいてくれる友人」と答えられたのが何とも印象的でした。

その他、コロナ禍直前の2019年の海外PR旅のお話や、グッドデザイン賞にも輝いたお米のろうそくのお話など 興味深いフロンティアストーリーもちらり。お決まりの「京都のイケズ」話では滋賀の人ならではの見解や、京都と滋賀のじゃれ合い(?)の中で必ず生まれる、あの定番イケズのお話も。そして、地元高島で育まれた「高島音頭」の継承を「全くお金にならない…!」と言いながらも、楽しみながら牽引、奮闘されている様子もお話して下さいました。


■information■

D&DEPARTMENT KYOTOでは、2023/8/25(金)~10/1(日)まで、NIPPON VISION MARKET「大與の和ろうそく」を開催。

期間中は、大與さんと一緒に和ろうそくにちなんだイベントも行われます。

9月2日(土)は、秋のお彼岸へ向けたワークショップ「和ろうそくをつくろう」。伝統的な櫨蝋(はぜろう)での和ろうそく作りを体験して頂けます。

また9月29日(金)はd食堂京都が夜もオープン「和ろうそくでお月見BAR」に変身します。

最新情報、詳細は D&DEPARTMENT KYOTOのInstagram(@d_d_kyoto)をご覧ください。

Aug 18, 202301:10:11
京都のつづく#48 吉田大輔/株式会社 津乃吉代表取締役社長/京佃煮

京都のつづく#48 吉田大輔/株式会社 津乃吉代表取締役社長/京佃煮

「非常によくできたサイト」とケンメイさんが絶賛した津乃吉さんのwebサイトには、こんな文言があります。

【津乃吉は無添加の商品が作りたいわけではありません。美味しいものを作るのに添加物が必要なかったのです】

「SDGs」や「フードロス」もしかり、何を今さら…順番が違う、というのが津乃吉さんの正直なところかもしれません。

看板商品「山椒じゃこ」をはじめとする商品全ての素材にとことんこだわり、手間ひまかけてひたすら「美味しい」を追及していくと、自然と無添加に繋がると言います。またフードロスに関して言えば、例えば理念のひとつである「素材を生かし切る」を体現する“京だし”は、看板商品である「山椒じゃこ」を作る時にできる「じゃこだし」と、何十年も継ぎ足しで使っている「昆布だし」を贅沢に使用した逸品です。さらに「なぜその部分にそれだけの手間が必要なのか…ハッキリとした理由を先代が残してくれていることも大きいですね」と大輔さん。津乃吉のおいしいモノづくりに迷いはありません。

食べ物への思いは強く、聞けば いったん実家を出て就職した会社も食品メーカー。ただし「食品なのに、まるで大量生産の工業製品を作っているような感じだった」といい、その経験が家業の素晴らしさに改めて気づかせてくれたそうです。そうして大好きな鴨川の近くに戻り 奥様と一緒に家業を継承、「津乃吉のターゲットど真ん中は まさに自分達ファミリー」といい、“家族”という規模感を大切に 飾らないおいしい食事と健やかな日々をサイトでも発信されています。

五条大橋を東に渡ったところにあるお店には嬉しい「ご試食セット」も。 おしゃべりが大好きな大輔さん必須のカウンターもあります。そのカウンター越しに、津乃吉監修の自慢のレシピを ちょっぴりドヤ顔で教えてくれるはず。おいしさに湯気が立つ津乃吉さんへ 是非。

津乃吉webサイト ⇒ http://www.tsunokiti.com/

Aug 07, 202301:18:40
京都のつづく#47 福永 修/ラリー ドライバー/株式会社OSAMU-FACTORY代表取締役

京都のつづく#47 福永 修/ラリー ドライバー/株式会社OSAMU-FACTORY代表取締役

番組初のラリードライバー修さん。車大好き、運転大好きなケンメイさんから「WRC自体がロングライフですもんね、是非…!!」ということでご出演となりました。


まず対談の予備知識…「ラリーとは?」

FIA 世界ラリー選手権(FIA World Rally Championship=WRC)は1973年に創設されたモータースポーツ「競技」です。世界各地で開催されていたラリーの中から選ばれた13のイベントがシリーズ化され、世界選手権のタイトルがかけられたのが その始まりです。以降、WRCは40年以上にわたりスプリントラリーの最高峰として君臨。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、ラリーが盛んな欧州や南米では、F1に勝るとも劣らない人気を誇っています。

そんなWRCの特徴はまず、SS(スペシャルステージ)と呼ばれる、交通が遮断された一般道を市販車ベースのマシンで走り、タイムを競うタイムアタック競技であること。サーキットレースとは違い、SSでは1台ずつの走行が基本となり、1~3分の間を置いてスタート。そしてそのSSは 3~4日間に渡り何本も行われ、各SSの合計タイムによって、競技最終日の日曜日に勝敗が決まります。

ターマック(舗装路)、グラベル(未舗装路)、スノーなど様々なコンディションの道で行われ、ラリーごとにコースの特色は大きく異なるほか、ドライバーとコ・ドライバーのふたりがペアを組んで戦うのも、ラリーならではの特徴です。

「日本では走り屋と勘違いされることが多いけれど、そうではなくて、れっきとした競技なんです。僕はヨーロッパのように、ラリーと街の親和性を育んでいきたい。夢はシティーラリーです!」と修さん。競技として市民権を得ることで、実施地区への集客・活性化が図れるのはもちろん、一般道で行うというラリーだからこそ入手できるという道路やドライブまつわる生きたデータは、市販車にフィードバックされる可能性を大いに含んでいます。「道が車を鍛え、車が道を整える」そんな言葉も印象に残りました。

1994年、地元京田辺市に設立された「OSAMU FACTORY(https://osamu-factory.jp/)」では モータースポーツ参戦車両の制作やオリジナルパーツの販売をされているほか、身体障害者でもMTの自動車の運転を可能にしてくれるという「アクティブクラッチ」の独自開発や企業向け運転技術講習会の開催等、様々なアプローチで「セーフティドライビング」を訴求されています。

中でも 地元での草の根運動を成就させた『やましろのくにラリーin宇治田原』は 修さんにとっても思い入れの深い催しで、2023年も大盛況のうちに閉幕。「僕の人生がラリーそのもの!」と 笑顔で言い切る修さんの活動は スピードを緩めることなく、ますます広がりを見せそうです。


福永 修YouTubeチャンネル(通称:オサムちゃんねる) ⇒ https://www.youtube.com/@user-qk6du1jo7l/featured

2023年7月29日(土)

第23回 オサムファクトリー初心者サーキット走行会2023 夏 開催

場所:三重県鈴鹿市三宅町3616 モーターランドSUZUKA

詳細 ⇒ https://osamu-factory.jp/holding/course_driving/7135/

Jul 23, 202301:14:28
京都のつづく#46 黒木裕行/株式会社「ルーフスケイプ」代表取締役/一級建築士

京都のつづく#46 黒木裕行/株式会社「ルーフスケイプ」代表取締役/一級建築士

2015年夏に1度目の出演をして下さった黒木さん。当時はちょうど京都府伊根町のランドマークになろうとしていた交流施設「舟屋日和」を建設計画中。さぞや賑わいを呼び込むような建物を考案されているのであろう…と思いきや、開口一番に「地元の方々は今自分たちが住んでいる場所を“足りない”とは感じていらっしゃらないんです」。地域の方々の暮らしと共に歩める建物とは?黒木さんは、これをいつも念頭に、小さな声の主にまで気を配り 話を聞く、調整する、また聞く、調整する、時に時間を置く…まるで一つずつ踏み石を並べるように、完成のその日まで 丁寧に案内する。「本当にね…時間がかかるんです(笑)」 黒木スタイルは常々そうであるらしい。そうして黒木さんが去った後も 地域の人々が手入れをしながら経年変化を楽しめる…そんな「舟屋日和」が、2017年に完成しました。

そこからコロナも経ての2023年初夏、黒木さんは新たな名刺を携えて再登場。2008年から日本各地の古民家活用を主としたまちづくり事業に携わられていましたが、その色をさらに深めた一級建築士事務所(株)ルーフスケイプを2017年に設立。島根県津和野、岡山県高梁市吹屋、富山市八尾などの街で黒木式「直して磨く」を展開されています。直近では2022年完成の北海道函館「風花日和」。函館市にある明治9年築、茶舗として建てられた居蔵造りの建物を、個人住宅兼店舗として改修。明治期からの度重なる耐火を逃れ耐えてきた「函館最古の住宅」を黒木さんがどんな風に再生させたのか…?キーワードは「次の世代が手に負えるもの」。ケンメイさんとのLONG LIFE DESIGNな対談をお楽しみください。なお「風花日和」は、函館の町並み保存に取組む「函館の歴史風土を守る会」の2022年度(第40回)歴風文化賞の再生保存建築物に選出されました。

黒木さんが繰り広げる「屋根並み(ルーフスケイプ)」は、新着も含めコチラでご覧ください

https://www.roofscape.jp/

https://www.facebook.com/roofscape.kyoto.japan


Jul 12, 202343:20
京都のつづく#45 山岡憲之(山岡駒蔵)/株式会社「山岡白竹堂」代表取締役/京扇子

京都のつづく#45 山岡憲之(山岡駒蔵)/株式会社「山岡白竹堂」代表取締役/京扇子

平安時代、京都に誕生した「扇子」。扇子ができ上がるまでには、骨作りから地紙づくり、絵付け、組み立てなど約88の工程があり、そのほとんどが手仕事で熟練を要するため細かく分業化されています。国内産の扇子のうち、京都で作られるものはおよそ8割。その中で白竹堂さんは京扇子の悉皆屋(プロデューサーのようなもの)として創業から300余年という年月を重ねてこられました。その当代との対談です。(収録・放送は2018年)

「8代将軍吉宗の頃に創業」という、嘘のような“京都あるある”パターン。おそらくその時代時代に押し寄せたであろう困難の波を乗り越えての今。

10代目として事業継承された山岡憲之さん(後に山岡駒蔵を襲名)は、現在でこそ芸能・文化の要人と親交を持ちながら家業を健やかに盛り上げていらっしゃいますが、昔は「家を継ぐのが嫌で嫌で、家出したんです」。家出したからには仕送りはなく、突如の文化住宅暮らし、そしてなんと!新聞配達をして学生生活を続けられたといいます。またアメリカへの憧れが強い世代ゆえに、アメリカへのワイルドトリップも遂行。雅な京扇子とは全く別の世界にいらっしゃったというから驚きです。そんな外気に身を沈めた青年も お父さまのご病気をキッカケに家業を継承される決意をされますが、「どうせ僕がやるならば!」と、どんどん新しい事にチャレンジされます。

洋服とのマッチング、名だたるミュージシャンやアニメとのコラボ扇子など、扇面を時代を映すパレットのように展開し続けるほか、京都市内や羽田空港への新たな出店、各メディアへの露出にもスピーディーに対応されます。しかし考えてみれば、「時代の写し鏡」であったのは300年前の扇子も同じこと。京都に幾多有る扇子店は文化人との交流サロンのような役割も果たしていたと聞きます。ちなみに「白竹堂」の屋号は、近代日本画壇の巨匠 富岡鉄斎からおくられたそうです。京都恐るべし。

電動のハンディーファンも涼しいけれど、末広がりで軽い扇子は 見た目にも涼やかで粋、祇園祭にはやはり扇子です。

低音の効いた良いお声、ロック魂を常に携えながらも グイグイはこない京都スタイルの語り。対談ラスト、コロナを経ての現況報告コメントまでどうぞお聞きください。

<Information>

「ふぁん ファン FUN 扇子いいね(Fun with Fans)」

場所:嵯峨嵐山文華館  https://www.samac.jp/

会期:2023年前期7月14日(金)~8月28日(月)

      後期8月30日(水)~10月9日(月)

※白竹堂蔵品(竹内栖鳳、山元 春挙作品など)も展示

Jul 09, 202346:42
もののまわり#25 「知多木綿」④ 新美弘郎/新美株式会社

もののまわり#25 「知多木綿」④ 新美弘郎/新美株式会社

ゲスト: 新美弘郎 / 新美株式会社 専務取締役

2023年6月の「もののまわり」は、愛知県知多半島で育まれている織物「知多木綿」をご紹介します。

最終週は、新美株式会社が 浴衣生地 を織る伝統技術を生かして立ち上げたブランド「YOKUI」についても詳しくお伺いします。

知多は木綿の白生地産地として発展してきました。代表的な製品は手ぬぐい、浴衣、半纏、ガーゼ等々。現在も ほとんどの機屋さんが白生地製造を主体とされています。全盛期には知多に669社あった織物関連の会社も、現在は18社に。さらに ケンメイさんの故郷である阿久比町に現存しているのは2社のみとなりました。その一社が新美株式会社です。

化学繊維の台頭等により 知多木綿を取り巻く環境は変化していますが、新美株式会社では昔ながらの織機で織る事、そして日本の伝統文化に欠かせない「小巾(こはば/巾が50センチまでのもの)」にこだわることで、実用性・日常性を備えながらも 貴重な“伝統美”としての知多木綿を支えていらっしゃいます。

※d news aichi aguiの店舗は、かつて機織り工場であったのこぎり屋根の建物を利用して作られた店舗で、そこには 今もなお現役で稼働している新美㈱の旧式織機が展示されています。

旧式織機が稼働する様子を見られるのは、おそらく愛知県では豊田産業記念博物館とこの店舗だけ。知多木綿アイテムも多数並んでいます。是非、リニューアルしたd news aichi aguiへ!

新美株式会社 ⇒ http://niimi-textile.jp/

衣食住用品の布ブランド「YOKUI」 ⇒ https://www.yokui.jp


Jul 02, 202314:20
京都のつづく#44 村瀬貴昭 /Re:planter/植栽家

京都のつづく#44 村瀬貴昭 /Re:planter/植栽家

村瀬さんオリジナルのプロダクト「Space Colony」は、きっと一度見たら忘れられない。

吊り下げられた直径50センチほどのガラスの球体の中に、まるで盆栽のように植物と土が植わり、さらにその球体の上部からは 光りが灯される。“空中版テラリウム”とでもいうべきその丸い物体は、美しく神秘的、そしてそれ自体が小さな生命体のように感じられてならない。そんな生命体を1200体以上、その手で生み出しきたという。

村瀬さんは大阪で21歳まで過ごし、海外への長期旅行を経て京都に住むようになった。現在は“苔パラダイス”な大原暮らし。

植物遍歴を伺うと、幼い頃から祖父の盆栽を見て育ち、中学時代には水中と陸上空間を一つの水槽の中に作り上げる「アクアテラリウム」に没頭、珍奇植物収集を経て植栽家に。

元々凝り性で研究体質。じーっと眺めて、じーーーーっと考え、答えがでるまで自分の頭の中で反芻する。そうすることで、物の裏にあるカラクリを見出す。

「Space Colonyも 繊細な部分がどこまで理解できているかが大事なんです。」見える部分の美しさ、だけではあの球体に命は宿らないらしい。

そんな村瀬さん、京都は肌にあったようで、定番質問「京都のイケズ」については、「イケズもデザインとして捉えればいい」とニヤリ。「いわば、言葉の返しのデザインな訳で、システムやHOW TOが必ずある」というのです。

一見クールそうに見える村瀬さんですが、植物愛はもちろん、密かにサービス精神も溢れているのではないかと思われます。

Instagram(@replanter)のストーリーズハイライトには「好きな植物教えて下さい」欄があり、フォロワーさん1人1人に対して、豆知識と共にフレンドリーなコメント投稿。「これからも植物と離れる気はないです。飽きることがない。」ということで、これからもマイペースに、進化と深化を遂げる村瀬さんの植栽プロダクト。植物たちの知られざる表情を まだまだ引き出してくれそうです。


Jul 01, 202301:12:43
もののまわり#24 「知多木綿」③ 新美弘郎/新美株式会社

もののまわり#24 「知多木綿」③ 新美弘郎/新美株式会社

ゲスト: 新美弘郎 / 新美株式会社 専務取締役

2023年6月の「もののまわり」は、愛知県知多半島で育まれている織物「知多木綿」をご紹介します。

3週目は、東京の大学へ進学し、某メーカーの海外事業部でキャリアを積まれていた弘郎さんが 家業に入られるまでのことや、ケンメイさんが新美さんと共に阿久比町で生み出したい循環についてお伺いしました。

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白生地の産地として発展してきた知多半島。知多木綿の代表的な製品は手ぬぐい、浴衣、半纏、ガーゼ等々。全盛期には知多に669社あった織物関連の会社も、現在は18社に。さらに ケンメイさんの故郷である阿久比町に現存しているのは2社のみとなりました。その一社が新美株式会社です。

化学繊維の台頭等により 知多木綿を取り巻く環境は変化していますが、新美株式会社では昔ながらの織機で織る事、そして日本の伝統文化に欠かせない「小巾(こはば/巾が50センチまでのもの)」にこだわることで、実用性・日常性を備えながらも 貴重な“伝統美”としての知多木綿を支えていらっしゃいます。

新美株式会社 ⇒ http://niimi-textile.jp/

衣食住用品の布ブランド「YOKUI」 ⇒ https://www.yokui.jp


Jun 25, 202312:24
京都のつづく#43 伊藤弘/デザインスタジオ「groovisions」代表

京都のつづく#43 伊藤弘/デザインスタジオ「groovisions」代表

groovisionsは、グラフィックやモーショングラフィックスを中心に、音楽や出版、プロダクト、インテリア、ファッション、ウェブなどあらゆるプラットフォームで活動する、日本を代表するデザイン・スタジオです。RIP SLYMEやFPM等のCDジャケット、「Metro min.」誌、「ノースフェイス展」等のアートディレクション、「MUJI to GO」等のキャンペーンのアートディレクション、「NEWS ZERO」でのモーショングラフィック制作など、錚々たる活動数多。着せ替えキャラクター『Chappie(チャッピー)』と共にその名をインプットしている方も多いかもしれません。

そんなgroovisionsは1993年、京都で誕生しました。伊藤さんは大学進学時、故郷新潟を離れなぜか東京ではなく京都のエリート国立大「京都工業繊維大学」へ入学。大学院へと順当に駒を進め、そのまま何もなければ 「今ごろはコーセンの教授」だったはず。しかし当時 京都の多くの若者がそうであったように、若さと好景気に後押しされた享楽の日々の中、伊藤さんも京都の老舗クラブ「Metro」に足しげく通い、そこで偶然にもPIZZICATO FIVEのステージビジュアルを手伝うことになります。すると、すぐさま才覚を発揮し イベントに引っ張りだこ。そこから気づけばグラフィックデザインの大きな渦に巻き込まれて30年、現在に至る。なお1997年以降 活動のベースは東京。「一番おもしろい時代を京都で過ごせたことは、とても良かった。」その詳細は対談にて。なお前述の着せ替えキャラクターChappieは、上京後の1999年「水中メガネ (作詞:松本隆 作曲:草野正宗)」でまさかのCDデビュー。全国のラジオ局で大量プレイされましたが、初音ミクの登場よりもずっと前の事であり、当時はChappieのような存在を世間が理解することに時間を要したと記憶しています。

気になるのはケンメイさんとの馴れ初め。当時を良く知るD&DEPARTMENT高橋さんに伺ったところ、『D&DEPARTMENTの前身である“DRAWING AND MANUAL”というデザイン事務所を、グラフィックのナガオカケンメイと映像作家の菱川勢一が中心となって立ち上げました。DRAWING AND MANUALは、グラフィックを動かすという、当時としては新しいジャンルに世界で初めて「モーショングラフィックス」と名づけて「モーショングラフィックス展」を3回開催しました。世界的に注目されているデザイナーや、クリエーター集団に参加いただき、作品制作を依頼しましたが、その中にグルービジョンズさんもいらっしゃって、最初のつながりは、そこだったと思います。』

さらに高橋さんによると『どんなジャンルのどんなクライアントのお仕事でも、グルビらしいデザインのテイストに落とせるという…そこがすごい。グルビらしさはあるのに作風が主張しすぎず、カルチャーの中に作品が浸透してる感じ。クライアントワークだけでなく、自分たちの活動を展覧会や書籍などで しっかり発表しているところも素晴らしいです。』

2023年3月、京都dddギャラリーで活動30周年を記念した「ppp groovisions」展が開催されました。伊藤さんいわく「展覧会は、外に向けてやっているようで、実は内の人間に向けたブランディング作業。筋トレみたいなものです。」

対談中、デザインに対する思いを垣間見せる時も常にフラット。飄々とした口調で素敵なお話をされます。 GRVスタイルを視覚的に感じ取ることができるユニークな作品集「groovisions highlight」(PARCO出版)を眺めながら、是非お聞きください。

Jun 19, 202301:19:18
京都のつづく#42 久保 統/志ば久/京漬物

京都のつづく#42 久保 統/志ば久/京漬物

京都の人気の観光地であり、自然豊かな大原の地にある漬物商「志ば久」は、1945(昭和20)年に創業されました。 名物は、茄子、紫蘇に手塩を振り、樽の中で長期熟成させた自然乳酸発酵のしば漬け…志ば久ネーム「赤志ば」です。「赤志ば」の年間生産量は 茄子の重量換算で15トン!そんな「志ば久」次期代表であり 4代目となる久保統さんは、d京都店にとって「アニキ」的な存在、そして「畑の人」。畑のど真ん中で採れたての赤紫蘇を手にニカっと笑う。久保さんご自身が健やか度1000%で、それは志ば久のお漬物や紫蘇の美味しさに通じているように思えてなりません。

聞けば、大原は良い赤紫蘇ができる土地柄で、ほとんどのお店が赤紫蘇は自家栽培だとか。志ば久さんでも5反ほどを育て、しかも「種は外から買ってきたものではなく、畑で育ったものを代々受け継いでいます」とのこと。「志ば久」さんでは そんな愛情いっぱいに育てられた赤紫蘇を使ったお漬物をはじめ、四季折々 旬のお野菜を古くから大切に使い込まれた道具達を使って漬け込まれています。


ケンメイさんとの対談では、看板商品「赤志ば」の美味しさの秘密や 食品商社勤務を経て28歳で実家に戻るまでの統さんの道のり、京都という街での「仕事の評価基準」などをお伺いし、スタジオは素直で明るい統さんらしい 楽しい雰囲気に包まれました。

なお、この対談が行われたのは2019年2月ですが、近況コメント収録の際に 開口一番「久しぶりに4年前の対談を聞きましたけど…やってる事も考えている事も全然変わってなくてよかった!」と話されました。「僕たちの仕事って半分以上畑仕事なんで、結局 同じことをずーっとやり続けることが大切なんです。自然が相手なんで、変わってないって言っても変わってる部分もあるし。で 僕、本当に畑が好きなんですよ!畑のお世話をさせてもらっているっていう感じですかね。(ニカッ)」

d京都店のスタッフが久保さんの畑でお世話をさせて頂いている赤紫蘇たちもきっときっと健やかです。2023年6月は そんな「志ば久」にまつわる催しが満載、是非 D&DEPARTMENT KYOTOのインスタグラム( https://www.instagram.com/d_d_kyoto/)で最新情報をご覧ください。

ちなみに、「赤志ばの美味しさってばどうかしてる!」とまで絶賛されるケンメイさんですが、この対談まで 赤志ばのお野菜が茄子であるという事実に気づかれていませんでした。京都のトラディショナルしば漬けは 胡瓜ではありません。茄子なのです。

Jun 18, 202350:42
もののまわり#23「知多木綿」② 新美弘郎/新美株式会社

もののまわり#23「知多木綿」② 新美弘郎/新美株式会社

ゲスト: 新美弘郎 / 新美株式会社 専務取締役

2023年6月の「もののまわり」は、愛知県知多半島で育まれている織物「知多木綿」をご紹介します。

2週目は、新美株式会社独自の織り柄の詩的ネーミングについてや、「昔ながらの織機を自分達の手でメンテナンスし続けること」の意味、大切さについて等 伺いました。


知多は木綿の白生地産地として発展してきました。代表的な製品は手ぬぐい、浴衣、半纏、ガーゼ等々。現在も ほとんどの機屋さんが白生地製造を主体とされています。全盛期には知多に669社あった織物関連の会社も、現在は18社に。さらに ケンメイさんの故郷である阿久比町に現存しているのは2社のみとなりました。その一社が新美株式会社です。

化学繊維の台頭等により 知多木綿を取り巻く環境は変化していますが、新美株式会社では昔ながらの織機で織る事、そして日本の伝統文化に欠かせない「小巾(こはば/巾が50センチまでのもの)」にこだわることで、実用性・日常性を備えながらも 貴重な“伝統美”としての知多木綿を支えていらっしゃいます。


新美株式会社 ⇒ http://niimi-textile.jp/

衣食住用品の布ブランド「YOKUI」 ⇒ https://www.yokui.jp


Jun 18, 202313:12
京都のつづく#41 小川裕嗣 /長樂窯

京都のつづく#41 小川裕嗣 /長樂窯

1906年 開窯の「長樂窯」。ゆくゆくは四代小川長樂となられる小川裕嗣さんは、非常に良い声と豊かな知識、気さくなお人柄で 陶芸の世界を分かりやすく案内してくださいました。<2018年10月放送>

「他の京都の焼き物と比べて 割と京都の原材料を使う」という長樂窯は、先代、先々代による土を継承し作陶。聞けば初代は五条坂の若宮八幡近くで始められたそうですが、登り窯や土にとってより良い環境を求めてやがて岡崎、そして現在は清水焼団地に居を構えていらっしゃいます。

言わずもがな、生粋の京都人であり 「京都の伝統と良さを凝縮した仕事」であることを自覚されていたがゆえに、あえて大学は京都から離れた地を選択。京都と伝統工芸を俯瞰する力を育まれます。対談を通して、あらゆる事柄に関して 易しく品のある言葉で的確に解説される姿に、ケンメイさんもスタッフも「とても良い先生を見つけた」と目を輝かせたものです。お決まりの質問「京都のイケズ」に関しても 「この街で暮らす上での 智慧やスキルである」という表現をされ、悔しいながらも?!「なるほど~なるほど~」と頷かざる負えなかったケンメイさんでした。

また、当Podcastの「京都のつづく#36」の西村和香さん(象彦)と後にご結婚され、伝統に携わられるお2人ゆえの京都式結婚準備についても伺えたほか、茶道の所作の難しさに直面されていたケンメイさんに、「茶道は現代のアート的コミュニケーション」という見解を述べられ、緊張感をほどいて下さるシーンも。

焼き物の技術の継承については、もちろんマニュアルなどは一切なく、親子と言えど“手取り足取り”の手ほどきも皆無。「書き記したものは情報の範疇を越えない。そしてそこから身に着いたものは自分の本当の技術にならない」という思いから、「見て盗む」の繰り返しだとか。そんな親子の作品が並ぶ「父子展」が 2023年6月初頭 3年ぶりに開催され 連日多くの方が来場され盛況のうちに閉会。8月には 水戸でも開催予定で、父子それぞれの作品と息づかいを 直に感じて頂ける機会となります。


■ 楽焼 小川長樂 → https://ogawachoraku.com/


<Exhibition Info> 「芒種 酒器展」

会場:酒のうつわ Toyoda

会期:2023年6月7日(水)-6月25(日)

時間:11:00-19:00


「三代小川長樂 裕嗣 父子展」

会場:水戸「京成百貨店」

会期:2023年8月31日(木)-9月6日(水)

Jun 11, 202358:04