組織ラジオ いまのたかの
By Shinichi Takano
実戦経験を、楽しくゆる〜く語り合います。
過去に別の音声メディアで公開していたトークのバックナンバー(#000〜#015)や、それぞれのブログ、noteは「いまのたかの」のホームページをご覧ください。ラジオでは語りきれないところを補足しています。
組織ラジオ いまのたかのMay 15, 2024
#187 企業のプリンシプルは判断の拠りどころ
ハーバード・ビジネス・レビュー2024年6月号「特集:企業はどうすれば成長を続けられるのか」の中に「困難な決断を下す時こそプリンシプルに従いなさい〜ミッションやバリューだけでは不十分」という興味深い記事が掲載されています。
MVVが広まって久しく、その重要性に変わりはないのですが、実は企業には判断基準となるプリンシプルすなわちその企業の判断の拠りどころとなる独自の原則があり、それがとても重要だという記事です。そしてそのプリンシプルとは「決して譲れないこと」であり、だからこそ守られ続け、その企業の文化風土となり、さらには差別化要因、競争優位性にも昇華します。
私たちの経験に照らしたり、今2人がそれぞれにやろうとしていることに当てはめるととても納得性の高い内容です。
プリンシプルの一例として「ずば抜けて優れた製品」はバリューだが、「新製品は、自分たちが使いたくなるまで発売しません」がプリンシプルだと言っています。確かに前者は自分たちにとって大切にする価値を述べているので重要ですが、判断の基準となるのは後者です。
これからは、自分たちの会社のプリンシプルは何かが大切になるのかもしれません。
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#186 組織と個人のバックキャスティング・フォアキャスティング
バックキャスティング思考は、理想の未来像を描き、それを達成するためのステップを逆算で考えるもの。
フォアキャスティングは過去から現在を元に、それに積み上げる形で未来を描くもの。
それぞれにメリット・デメリットがあり、時と場所によってどちらかを選んだり、場合によっては同時に使う思考法です。
組織で言えば、短期目標の実現を背負った現場に近いほどフォアキャスティングで考える事象が多くなり、中長期に視点を置く経営に近いほどバックキャスティングで考えなければならない事象が多くなります。この使用法を誤ると不都合な結果になります。
それに加えて、組織がバックキャスティングで考えているときに、個人が自分のキャリアをフォアキャスティングだけで考えていると目に見えにくいギャップが生まれ、場合によってはそれが業績に影響することすらあります。
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#185 優秀な管理部門が持つ3つの指向
管理部門は何をやる部署なのか。何のためにあるのか。
実は経営トップも現場部門も、場合によっては管理部門自身もわかっていないケースがよくみられます。
管理部門改革の相談を受けると「ウチの管理部門は提案してこない」という不満もよく耳にします。しかしそういうときは、往々にして社長ご自身が管理部門とは何か、そして経営上の管理部門の重要性を理解していません。
今回はお聞きいただくと管理部門とは何かの理解の一助になると思います。
さらに進めて、「優秀な管理部門」の特徴は何でしょう?
今野は、多くの会社の管理部門を見てきました。その経験から、優秀な管理部門は次の3つの指向を持っているとその特徴を抽出しています。
- 目的指向
- 顧客指向
- 価値連鎖指向
みなさんの会社の管理部門はいかがですか?
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#184 個人と組織のエネルギーの源泉とは
今野は自らをenergizer(エナジャイザー)と位置付け、「人と組織に勇気と自信と活力を与えること」を生涯のテーマとしています。
メンバー一人ひとりのモチベーション、言い換えればエネルギーを上げたい、チーム全体、部門全体、会社全体のエネルギーを上げたい、1周回って自分自身のエネルギーを上げたいと考えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。しかし、具体的には何から手をつけ、どうすればいいのでしょう?
今野はこれまでの長年の活動を通じて、エネルギーの源泉を6つの要素に整理したフレームワークを開発しました。 今回はそのフレームワークについて話しています。
時間の都合上簡単にしか触れられてはいませんが、実践的なご参考になるかと思います。以下にその6要素を記載しておきますので、ぜひ現場の状況を思い浮かべながら、このフレームワークで考えてみてください。
エネルギーの6つの源泉
【個人のエネルギー】
- 貢献のエネルギー
- 成長のエネルギー
- 実現のエネルギー
【チームのエネルギー】
- 目的のエネルギー
- 異質のエネルギー
- 共有のエネルギー
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#183 成長をバックキャスティングで考え“脱皮”を繰り返す
今回は「現状維持は衰退か」「持続的成長とは何か」がきっかけで始まりました。高野はこれらを企業のことだと考えていましたが、今野は企業だけでなく個人のこととしても捉えていました。
これは今野が西岡塾塾長の西岡郁夫さんの生き様を見てきたからです。西岡さんはシャープからインテルに転じ社長・会長を歴任されましたが、ここ20数年はベンチャー企業を支援する一方で、西岡塾を開塾して大企業のミドル層の成長を支援してこられました。今野は塾の講師陣のひとりとして西岡さんの姿を間近に見てきたのです。
最も感銘を受けているのは、81歳になられた今でも志を貫き、成長し続けていらっしゃる姿です。そしてその成長は、現在でもなだらかな線形成長ではなく“脱皮”を繰り返す非連続成長なのです。
その姿を見て今野はあらためて「80歳のなりたい自分」を描き始めました。そして今日の収録を通じて高野は、人生の終焉がいつ来るかわからないからと思うあまりこれからの人生をフォアキャスティングで考えていたことに気づき、あらためて「80歳のなりたい自分」を描きバックキャスティングで考えようと決意したのでした。
みなさんも「10年後のなりたい自分」を描いてバックキャスティングで考えてみませんか?きっとそれが非連続成長のきっかけになります。
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#182 管理職が物足りない→その原因と管理職の意識改革
今野は相談に来た経営者にこういう問いかけをします。
管理職は自分のことで精一杯で会社のことを考えていない→社長は管理職に会社のことをどれだけ話していますか?
管理職には自分の守備範囲を超えてほしいと思っているのに一向に越えようとしない→社長はその守備範囲がどこからどこまでかを教えたんですか?
管理職にやんちゃなくらいの元気がない→彼らはメンバーの元気を出させるために何をやっていますか?
うちの管理職は物足りない連中だ→管理職を経営陣の一員として扱っていますか?
管理職の側にも問題はありますが、社長の側にもやっているつもりでやっていないことがあるのではないでしょうか。
この問題、社長と管理職の間だけでなく、管理職とメンバー、リーダーとメンバーの間にも同様のことが起きるのです。
今回、この相談に対して今野がどのような手を打っているかを明らかにしています。
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#181 『お役立ち』思考のすすめ
今回はある本の話題です。
この本は元株式会社モスフードサービス専務取締役の田村茂さんの著書。
田村さんは外食のプロであり、マーケティング、商品開発のプロですが、この本に書かれていることはその範囲に留まりません。あらゆる業種に通底する「商いの本質」であり「ブランドの本質と構築の要諦」が、極めてわかりやすく書かれています。
高野は責任者としてコーポレートブランディングを実施した経験からブランディングには一家言持っていると自負していますが、どんな理論書よりもこの本を手に取られることをお勧めします。
ブランディングに携わる人に限らず、商い(=ビジネス)に携わる方にはきっと学びがあります。町内で長く続く商店には必ず常連さんがついています。一見のお客さまがまた利用しようと思ってくださるために、そして何度もご利用いただいて常連さんになっていただくためにする努力。それこそがブランディングなのです。つまりブランディングとは「商いの本質」に他なりません。
この本のわかりやすさは、田村さんがモスフードサービス創業当初からのメンバーで(1号店のアルバイトからです)、創業から近年に至るまで、モスバーガーのブランドが育まれていく過程で体験として見出した本質を、具体的なエピソードを交えて書いておられることによります。
Amazonのリンクを貼っておきます。商い(=ビジネス)に携わる方にぜひお読みいただきたい良書です。
田村茂著 変化対応力を高める「『お役立ち』思考のすすめ」外食プロが語る「顧客志向」商いの本質 同友館刊
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#180 組織の目標と個人の主体的なキャリアの交差点
自分のキャリアは自分が主体的に考え、決めるもの。
「でも、考えてはいても結局、会社が決めてしまう」
その段階でキャリアを考えるエネルギーが低下し、思考停止に陥っていませんか?
組織の目標を達成するために人事が行われるのですから、昇進・昇格・人事異動を会社が決めるのは当然のことでした。
しかし「個の時代」と言われ始めてから久しく、日毎に個人と個性の重要性が高まっています。
加えて、職業人としてのロール(役割)のキャリアだけを考えていたのでは足りない時代になってきました。職業人としてだけでなく、家族の一員として、友人として、地域の住民として、社会の一員として・・個人はそれぞれさまざまなロールを演じ、ロール同士が互いに影響しあっています。それらのロールを統合して人生全体のキャリアを考えることが個人にとって必要な時代なのです。
個人が主体的に考えた人生全体のキャリアと、会社や組織が求める職業人としてのキャリアの交差点を考えることが、個人にとっても会社にとってもとても重要な時代が来ています。
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#179 仕事ができる人、もがいている人の動機付け
最近2回に渡りレジリエンスを話題として取り上げてきました。どん底からゼロへ、さらに高みへと復活していく力。その力の背景には必ずやる気、モチベーションの維持という問題が横たわっています。
復活に限らず、常日頃からのモチベーションの維持を考えた時、全員一律一辺倒の策では高い効果は望めません。
高い目標を掲げ、それを達成することで得る賞賛や評価、報酬がモチベーションの源泉になる人もいれば、他人からの評価よりも自分の成長が源泉になる人もいます。さらに同じ人でも業績が好調の時と不調の時では鍵となる源泉は異なります。まして好成績を維持し続ける「できる人」と低調が続いて「もがいている人」ではモチベーションの源泉は違うでしょう。
リーダー、マネージャーはさまざまなモチベーションの源泉を理解して、バランスを取ったり、使い分けたりすることが重要です。
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#178 レジリエンス続編 学習する組織と7つの習慣
前回は個人のレジリエンスをABCDE理論で語りました。その最後に組織のレジリエンスに触れたところで終了。
今回はその続編。組織のレジリエンスのお話です。
個人と違って組織の場合、何かが起きた時に即座に考えや行動を変えるのは困難です。すなわち、何かが起きた時にどう考え、どう行動するかも大切ですが、それ以前にレジリエンスができる強い組織にしておくことが非常に重要です。
そのヒントになるのがP・センゲの『学習する組織』と、意外なことに『7つの習慣』です。
今回の中で、以前この番組で『学習する組織』について語った4回シリーズがあったとお話ししていますが、回数を間違えました(アドリブでやっている番組ということでご容赦ください)。正しくは第42回〜第45回でした。そのアーカイブをお聴きになりたい方はこちらをクリックしてください。
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#177 レジリエンスとABCDE理論
世間は卒業シーズン。そして月が開ければ新卒が社会人デビューします。
今回は、今野が以前のクライアントから頼まれて卒業できなかった内定者のフォローにコーチングのスキルで対応した話から始まります。今野は認知行動療法のABCDE理論を応用して、落ち込んでいた内定者の心を回復させました。
これは大学生・内定者に限らず、すべての社会人にも通じることです。仕事は納期までに達成することが基本ですから、社会人の方が失敗して落ち込む機会ははるかに多いのです。
話は社会人からさらに組織のレジリエンスへと展開。組織を率いる経営者、リーダーもこの理論を知っていることで組織を危機から回復させることができると考えられます。
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#176 「教える」を教える
今野はクライアントから「新人の教育担当に『教え方』を教える研修を実施してほしい」と依頼を受け、基本設計に取り掛かったところです。そのため「教える」ことについて思考を巡らせています。
考えてみれば「教える」のは新人だけではありません。課長がメンバーに、部長が課長に、経営者が部長に「教える」を実行しています。有効な教え方は、そのどの段階でも必要なことです。
メンバーが理解し、実践できるようになることではなく「教える」ことがゴールになっていると、教えた側に満足感はあっても教えられた側が理解できておらず目的が達成できていないことが往々にしてあります。
教える内容によって教え方も違いますが、それが整理されていないケースも見受けられます。
徒弟制度では「背中を見て覚えろ」が教育の基本のように思われていますが、優れた親方の教育は果たして本当にそれだけなのでしょうか。
今回は「教える」を考えてみました。
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#175 組織を若返らせる
組織の若返りを図りたいというニーズ。伝統的な企業に多いと思われます。しかし果たしてそうでしょうか。実は5年もすれば組織は老化しているとも言えるのです。
「組織の若返り」と言った時、多くの人は人員構成など「人」の問題だと捉えているように思います。
しかし「組織の若返り」の本質を見極めると、人だけでなく、事業、商品、組織、業務と多岐にわたって「古くからやってきた遺物」があるものです。これらを刷新して初めて組織は若返るのだとすれば、伝統企業か新興かに関わらず老化してしまうことがわかります。
組織の若返りを断行するのに必要なこと、最大限配慮すべきこととは何でしょう?
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#174 重要な経営資源「時間」管理の文化はできていますか?
タイムマネジメントは個人の仕事を効率的に進めるための考え方だと思われがちです。
しかし経営が、今ある経営資源を有効に活用・配分し、将来に向けて増やす投資をすることによって最大利益を生み出し続けることであるならば、限りある「時間」という経営資源の管理、すなわち組織的なタイムマネジメントは「ヒト・モノ・カネ」と同じレベルの重要性を持っています。
そしてこれは個人個人のタイムマネジメントができているかというだけでなく、文化として定着しているかということが重要です。
あなたの会社の会議。会議が多い、時間が長い、何のために自分が呼ばれたのかわからない、一度も発言しなかった、本音が出ない、誰が言ったかに関心があり何を言ったかに関心が寄せられない・・・などの症状はありませんか?
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#173 経営者から始めるアンラーニングの文化創り
“アンラーニング”あるいは“成功体験からの脱却”。これは古くて新しい課題です。
人は成功体験を積み重ねるうちにそれが“自分の常識”になります。常識だから疑いません。
業績が芳しくない時にこの“自分の常識”が発動すると、成功体験と同じことを質を上げ、量を増やそうとします。もし事業環境が変わっていたら、昔の成功体験だから通用していないのかもしれません。自分の成功体験を、今もその成功体験が通用する環境なのかと俯瞰して疑ってみることが重要です。
個人だけでなく、組織全体、その隅々にまでアンラーニングが文化として根をおろしていることこそ、変化の激しい現代を企業が生き延びるために必須のことなのではないでしょうか。
どうすればアンラーニングの文化ができるのでしょう?「同じ仕事をするのでも、何かひとつは必ず進歩させよう」という文化が定着していれば、組織の隅々で、そしていつ何時でもアンラーニングが行われます。
そしてその文化は、トップが日頃から実践することでしか生まれないのではないでしょうか。
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#172 人と組織の成長を阻害する「対話時の癖」
今回は対話時の癖について。
人の話を聞くとき無意識に“ジャッジ”していませんか?
この話は○か×か△か、とか、7割は正しいけど3割は間違ってるな、とか。ジャッジを求められている場面であればもちろん良いのですが、これが癖になってジャッジすべきではない場面でもそういうスタンスで人の話を聞いてしまいがちです。
ジャッジしている時は自分のモノサシを当てています。すると、自分が経験したことがないこと、自分が持っていなかった視点など、自分のモノサシにないことを否定してしまいがち。せっかくの学びをシャットアウトしてしまいます。
組織の中では上位層に昇進すれば昇進するほど仕事に占める判断仕事の割合が大きくなります。すると知らず知らずの間にこのジャッジ癖が強化されていきます。その結果、そんなつもりはないのに「部下の話を聞いていない上司」が出来上がります。
人も組織も成長のためには、自分の“ジャッジ”をいったん横に置いて人の話を聴くことが肝要です。
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#171 戦略と仕事への思いの共有
今野は新しいクライアントに向けて、過去に立案・設計・実施した管理職研修を提案しようとしています。
今回はその内容を高野に話して反応を見る、いわば壁打ちです。リスナーの皆さんもベテランコンサルタントの壁打ちを垣間見ることになります。
内容は、管理職のエネルギーを高めるために、全社・部門・課の戦略を振り返って、戦略の肝を確認し、それを含めた仕事への思いを部下に語れるようになることです。
対話の中で、どんなフレームで考えていくのかを明らかにしています。皆さんもぜひこのフレームを使って考えてみてください。きっと自分の仕事が全社戦略と結びついていることに気づき、何に貢献できるのかも明らかになって、方向性が定まりエネルギーが高まることでしょう。
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#170 大企業本体の部長からグループ会社・ベンチャーへの転身
大企業本体の事業部長・部長クラスの方がグループ企業の経営陣へと転籍した際にうまく機能できないことが見受けれます。ベンチャー企業が大企業の部長クラスを採用してもうまく機能しないことともよく似ています。
今回はこれらのことについて支障のない範囲で具体的に語り、その原因を分析しました。
今野は「経営とは何か」についてさまざまな知見を、削ぎ落として削ぎ落として以下のように考え、それに必要な力を要素化しました。
経営とは、「意思を持って/計画し/実行する」ことである
意思:目的の力/概念化力/エネルギー
計画:先を見通す力/ストーリーを描く力/ゴールイメージ力
実行:率先垂範力/巻き込む力/心に火をつける力
多くの場合、それぞれの最初に挙げた力が不足しているように思われます。それは訓練によって獲得するものですが、得てして会社側からはその訓練は提供されません。
若いうちから視野を広くし、視座を高める努力をすること、すなわち自己鍛錬が必要なのです。
#169 良い歯科医と良い管理職の共通点
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
今回は一風変わった話題。
今野は昨年末に開業したばかりの歯科医院で治療を受けました。その際の歯科医の行動・言動に感心しきりです。
それはその歯科医の行動が、組織における管理職に求められる行動と一致していたからです。驚くべきことにその歯科医は問題解決だけでなく組織を動かすことにおいても感心する行動をしていたのです。
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#168 2023年を振り返る
今年1年を振り返ってみると成長したこともありますが、なぜか後退してしまったと思うことがありました。
①意思決定力が弱くなっていること。
②自己認識力が弱くなっていること。
③将来の自分への物語が弱くなっていること。
語り合ってみると2人に共通して起きているのです。
そうなると原因は年齢なのでしょうか。それは否定できませんが、どうやら年齢そのもの以外にも、経験を重ねてきたからこその原因がありそうです。それは年齢に関わらず起きてしまうことでもあります。
年齢だけが原因なのであれば抗いようがありませんが、そうでないのであれば、あらためてそれらを修正しようと決意した2人でした。
さて、今回の放送をもって2023年の締めくくりとさせていただきます。
今年も1年、お聴きいただきありがとうございました。リスナーのみなさまのおかげで今年も続けることができました。来年には200回を迎えます。2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
なお、新年1回目は1月10日頃に公開する予定です。
良いお年をお迎えください。
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#167 変化の時代のスキルマップ その目的から考え直してみる
その昔は、「先輩から盗め」「背中を見て覚えろ」が一般的な人材育成方法でした。しかしそれではバラツキが生まれるし、教育担当に指名された先輩も何を教えたらいいのか戸惑ってしまいます。一方、人事も個人力を上げるために、いつまでに何を身につけるべきかの指針を出したい。両者のニーズが一致して「スキルマップ」が一般化していきました。
さて、今は変化の時代。事業環境の変化に応じて身につけなければいけないスキルが積み上がっていき、膨大な量になっています。いつの間にか「スキルマップに⚪︎をつけること」が教育する側も教育される側も目的化していませんか?
果たして、これまでのスキルマップのままで企業は変化の時代に対応できるのでしょうか。
今回は、変化の時代のスキルマップの在り方について、その根本的な目的から考え直してみました。
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#166 ひとつ上のポジションを目指すときに考えること
今日は、執行役員昇進を目指す部長さんたちへのコーチングの話からスタートしましたが、最後にはそのポジションでなくても、どこのどんな立場にいても大切なことへと対話は深まっていきました。
第1歩は自分の守備範囲を細かく可視化すること。今野はカテゴリーを想定しながら質問していき、何回かのセッションの後に、それを図解して見せます。その図をもとに、ひとつ上のポジションにおける「上への影響」「全社の俯瞰」「部下の見本として自分を磨くのに何が必要なのか」等を考えてもらうのです。これらは守備範囲が変われば必然的に行動・意識・考え方を変えねばならないことなのです。
中でも「部下の見本として自分を磨くのに何が必要なのか」については、自分がそれまで変わらずやり続けてきたこと、すなわち自分の価値観を明確に自覚してもらい、次のポジションではそれはどういう行動をすることなのかを考えます。
こうしてみると、この話は部長から執行役員という場面に限らず、課長から部長、リーダーから課長、メンバーからリーダーのどの場面にも当てはまることだとわかります。
みなさんもそれぞれの立場で考えてみてください。
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#165 ミッションステートメントを書き換える
今回は個人のミッションステートメントを書き換えるという話題から企業のミッションステートメントを書き換える効用へと話が発展しました。
MVVの浸透には「概念化→公式化→共創化」の3つのステップが必要だと言われています。
言語化すると言うのは、概念を記号化することです。記号はそれを見て同じ概念が浮かぶことが重要です。言語化は言葉(記号)を作ることを通じて共通の概念を創り出す概念化の過程でもあります。全員参加型で言語化に挑むと、このプロセス自体が共創化にもなります。
しかし一旦言語化されると、後から入社した人はその言葉(記号)を見ても既存の社員と同じ解釈をし、同じことを想起することが難しくなるため、一定期間が経つとあらためて共創化をする必要が生じます。その時がミッションステートメントの書き換え時です。
ぜひご自分の会社のミッションステートメントが浸透しているか、共創化できているかを振り返ってみてください。
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#164 アートと経営
今野が新人フォロー研修で、新人たちにこれからの半年のことを色に例えてもらいました。参加者の中の2人がそれぞれ黄色と茶色と答えたのですが、「その心は?」と問うと、言葉や数字ではとても出てこない深く、パワフルで、心に響く答えが返ってきたのです。
これからの半年などこれからのビジョンを語る時、言葉や論理よりもアートの方が雄弁なのです。
今野は故郷の町役場の職員研修で「どんな町にしたいか」についてもビジョンアートを使い、感動的な言葉を引き出しました。
H・ミンツバーグは、経営は「Art × Science × Craft」の3つを頂点とする三角形の中で行われるとし、昨今は「Science × Craft」に偏っていると警鐘を鳴らしています。彼の言うとおり、最近はアカウンタビリティやエビデンスを求められることが多くなりました。どちらもアートでは答えようがありません。その結果、みなさんやみなさんの職場はアートを失っていませんか?
みなさんはご自分と職場の来年1年をどんな色にしたいですか?
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#163 目的意識と当事者意識
高野が古巣のコスモスイニシアの全社マネージャー会議に招かれ講演しました。依頼されたお題は「自ら機会を創り出し 機会によって自らを変えよ」について。
そこで高野は、リクルートでこの言葉を実践できる人材に育成するために発せられる二つの問い「目的は何だ」「お前はどうしたいんだ」について解説しました。
リクルートマネジメントソリューションズの前身が研究した結果、「どんな業種の、どんな職種の、どんな階層であっても求めらる共通の意識は目的意識と当事者意識である」という成果を得ています。
常時発せられるこの二つの問いはまさに目的意識と当事者意識を身につけさせ、実践させるために発せられる問いです。
リクルートがそれを徹底したことが、社員に個性を発揮させながらもひとつにまとまった活性化した組織になっていることや、OB・OGが社会のさまざまな場所で活躍し「人材輩出企業」と言われるようになったことの理由のひとつです。
自律的な人を育成し、自律的な組織を目指した一例としてご参考になれば幸いです。
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#162 部下をやる気にさせるリーダーの4つの資質
このところツイてなかった今野のプライベートの話からスタート。今野の弱点が明らかになりますw
最後の失敗はハーバード・ビジネスレビュー編集部著「リーダーシップの教科書」を、1冊でよかったのに2冊注文してしまったこと。
その本の中のロンドン・ビジネススクールのロバート・ゴーフィー教授の論文「共感のリーダーシップ」が今回の話題になります。
教授は、部下をやる気にさせるリーダーの4つの資質を説いています。
1. 自らの弱点を認める
2. 直感を信じる
3. タフ・エンパシー(厳しい思いやり)を実践する
4. 他人との違いを隠さない
この4つそれぞれについて語り合っていますが、特に3.タフ・エンパシーはハラスメント問題、個人情報問題が注目される中、ビジネス界全体に後退している印象があります。
この4つの資質はどのような働きをするのでしょうか。
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#161 グレイナーの5段階企業成長モデル
今回はグレイナーの5段階企業成長モデルにまつわるお話になりました。
企業は、起業してから時間が経過し、人数が増える中で5つの段階(期間)を経るというものです。それぞれの期間は組織が変身することによって勢いを取り戻すのですが、その期間の最後の頃には新たな成長阻害要因が現れるという説です。
①創造性による成長→<統率の危機>→②指揮による成長→<自主性の危機>→③権限移譲による成長→<統制の危機>→④調整による成長→<形式主義の危機>→⑤協働による成長
人数は線形成長しますが、組織の成長は非線形です。
ところが“中の人”はこの変化に気づきにくく、危機の傷が大きくなっていきます。
みなさんの会社、チームは今、どの段階にありますか?
グレイナーの言う危機に陥っていませんか?
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#160 傍観者効果に陥っていませんか?
「傍観者効果」は社会心理学の用語です。
自分以外にも傍観者が多くいる時、率先して行動を起こさなくなる集団心理です。
その原因は、他の人が積極的に行動しないのを見て緊急性が低いのだと考える(多元的無知)、他者と同調することで責任が分散されると考える(責任分散)、率先行動を起こしたときに周囲からネガティブな評価を受けるのではないかと恐れる(評価懸念)の3つであると言われています。
これは組織内部でも起きます。何か問題だと思っていても上の3つの心理が働いて誰も率先して解決に動かないというのはよく見る光景です。
これを防ぐには、リーダーが「傍観者効果」というキーワードを知っていて対処すること、あるいはメンバーが小さな問題意識でも自由に発言できる場を設けて発信し共有することです。
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#159 裸になることもリーダーシップだ!
強い会社、柔軟な組織とは何か。
それをリーダーシップの視点で考えると、組織が「全員リーダーシップ」の状態になっていることが望ましいと思われます。
全員というならば新入社員に至るまでリーダーシップを発揮するにはどうしたらいいのか。今野は考えました。
ひとつ目はリーダーシップの定義。
「目標達成のために、自分にできることで、他の人に影響を与えること」と定義すればハードルが大きく下がります。
二つ目はお題の出し方。
「目標達成のために、また場面を変えるために、自分に何ができるかを考えてほしい」
この二つが組織に浸透していれば「全員リーダーシップ」は可能です。
そして「自分にできること」も難しく考えず、素の自分を出すこと、つまり裸になること。自らハードルを上げてしまうことが「全員リーダーシップ」を阻害します。番組内では裸になるリーダーシップの具体例も挙げました。
「みんなが裸になる」と「会社が強くなる」。
まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな今回の話、実は筋が通っています。ぜひお聴きください。
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#158 対部下リーダーシップ4つの機能 気づき難いが重要な“通意性”
リクルートマネジメントソリューションズの超ロングセラー研修LDP(Leadership Deveropment Program)では対上司リーダーシップ2機能、対部下リーダーシップ4機能を測定します。
以前、#153で対上司リーダーシップについてお話ししました。
先週、今野はコーチングで、高野は経営合宿で、まったく偶然に対部下リーダーシップ4機能のうちの通意性にアプローチしていました。通意性は、これが弱った時の現象が掴み難いためなかなか気づかないのですが、実はチームの活性度に大きな影響を与えます。
2つの具体例とその共通点から通意性の重要性を語り合いました。
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#157 組織エネルギーの中核“効力感”〜後編〜「自分たちならできる!」組織効力感の2つの要素
前回の個人の効力感に続き、今回は集団や組織が持つ効力感です。
具体的にはメンバーが「自分たちならできる!」「この仲間とならきっとやり遂げられる」と思っている状態です。
スポーツでも職場でも、チーム全体が効力感を持っている時には1+1が3にも4にもなるものです。
分解してみると、「自分たち」というチームを自分と同じように捉えているチームが作られていることが前提です。
自己効力感の高い個人が集まっただけでは組織効力感にはなりません。
そして「できる」と思えていること。
そのためには成功体験と、成功を振り返る自己教示、つまり自分たちを認め、褒めることが重要です。
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#156 組織エネルギーの中核“効力感”〜前編〜個々人の“自己効力感”の4要素
組織改革コンサルタント歴25年の今野が辿り着いたのは“効力感”の重要性でした。
それを理論化し、実践で使えるメソッドにしたのが社名の由来でもあるGood & Moreです。
A・バンドゥーラ教授が提唱した自己効力感とは「自分ならできる」「きっとうまくいく」と信じることができる認知のことです。
その逆を考えてみれば「自分にはできない」「きっとうまくいかない」という認知になります。
高い目標を追い続ける企業組織において、そのどちらが組織を活性化し、強くし、成果を出すのかは自明のことでしょう。
そしてバンドゥーラ教授は、自己効力感には4つの要素があるとあるとしています。
個々人の自己効力感が高い組織を作るには、この4つの要素(達成経験・社会的説得・代理経験・生理的感情的状態)を備えることです。
その4要素とは具体的にはどんなことを指しているのでしょう。
今回は、個々人の“自己効力感”についてお話ししています。
次回は、“集団効力感(組織効力感)”について取り上げる予定です。
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#155 二刀流のススメ:委員会活動による管理部門経験の効果
今野が“中の人”になった会社は社員数が約30人。
全社員が本業の現場の仕事をしながら、人事・総務・経理・広報の4つの委員会のひとつに所属して二刀流で活動しています。
現場でのお客さまや取引先と相対する視点と、管理部門での全社視点を同時に経験させているのです。
これは経営の疑似体験に他なりません。
小集団活動による組織の活性化だけでなく、個々人も経営としての高い視座を共有するようになり、個人も成長し組織も高いレベルに上がることになります。
30人だからこそできることでもありますが、将来会社が100人になり、300人になり、500人になった時、この30人が組織のさまざまな場所で中核になっていることは想像に難くありません。
アレンジ次第では大企業でも組織単位で実行可能な施策です。
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#154 リーダーの自己開示の重要性
ダブルバインドという言葉があります。日本語では二重束縛。矛盾した2つのメッセージに束縛されることです。
今日はそんな話から始まりましたが、いつもの通り、話は次々に展開していきました。
リーダーは朝令暮改になることを恐れず、今ここで正しいと思う判断をして指示を出さねばなりません。
その時に、判断の背景と理由も伝えないと、指示を聞いている側には一貫性が無いように映ることもあります。
さらに進めると、リーダーの判断の理由と背景には、そのリーダーの価値観や生き様が無意識のうちに投影されています。
そこまで理解しているか否かで受け止める側の認識がずいぶん違うものです。
これを打破するために今野が発案し効果をあげた手法も含めてお話ししています。
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#153 対上司リーダーシップの重要性
今野があるクライアントの要請で“社内”取締役に就任することになりました。
起業して25年の今野にとって、25年ぶりに組織の「中の人」になったのです。
そこで今野が感じたことはエンプロイアビリティの重要性。そしてリクルートマネジメントソリューションズの超ロングセラー商品であるOBS(Organization Behavior Survey)とLDP(Leadership Development Program)における「対上司リーダーシップ」の重要性でした。
リーダーシップとは影響力のことです。組織において人は部下に対する影響力だけでなく上司に対する影響力を発揮することも組織にとって重要なことなのです。
長年コンサルタントをしてきたので十分に理解していたことなのですが、25年ぶりに組織の「中の人」になったからこそ感じた重要性。
それはきっと、今、組織の中でがんばっているみなさんの参考になると思います。
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#152 定期メンテナンスで予兆を見逃すな!_健康・経営・組織
身体の健康を保つには人間ドックや健康診断など定期検診による早期発見が肝要です。
組織は生き物。日々刻々変化しています。
自覚症状がないまま事業成長に不都合な病気が生まれ、悪化しているかもしれません。
これを防ぐためには身体と同様、定期メンテナンスをして予兆を見逃さず早期発見、早期治療をすることが大切です。
どんな経営戦略も事業戦略も、それを実行するのは組織。
組織の定期メンテナンスは、緊急ではないが重要な経営課題なのです。
手遅れにならないうちに組織の定期メンテナンスを毎年のカレンダーに入れておくことをお勧めします。
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#151 行動に正直な言葉と言葉に誠実な行動=広報の真髄は組織の真髄
広報を35年勤めてきた高場さんはこの本を広報だけでなく、経営やマネジメントの本でもあると言っています。
その内容に入ってみるとまさにその通り。それは経営の真髄でもあり、マネジメントの真髄でもあり、管理部門の行動規範になりうるものです。
経営者に寄り添い、水面下の本音の想いを引き出し、時に経営者の覚悟を問い、それを現場の行動に接続していく。
広報の話が組織の話にどう展開していくのか。ぜひお聴きください。
管理部門に限らず、ぜひお読みいただきたい1冊です。
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#150 終戦記念日に読む名著「失敗の本質」
先週は収録予定日に今野に急遽仕事の予定が入りお休みしました。
その予定日は終戦記念日。そこで今回は名著「失敗の本質」を取り上げました。太平洋戦争の日本の敗退を、日本軍を組織論で研究し、現在の組織の反面教師にしようという意欲作。読めば思い当たることが次々に出てきます。
番組内では触れなかったことを2点書いてみます。
そもそも戦争は外交の一手段です。しかし戦争そのものが目的化してしまうと、グランドデザインのない理念なき膨張に陥ります。企業で言えば、社会に価値を提供することが目的で、その価値提供を最大化するための一手段として営利企業が存在します。にもかかわらず、売上・利益を上げることが目的化してしまうと、信用よりも短期的な利益を求め、サービス品質の低下、場合によってはコンプライアンス違反を惹き起こし自滅します。それはつい最近の例を見ても明らかでしょう。
また既成概念が固着した結果、有用な小さな声を無視してしまうこともあります。日本軍がシンガポールを占領したとき、イギリス軍が残した文書を解読しましたが、どうしてもわからない単語がありました。そこでイギリス軍の将校にそれを尋ねたところ、不思議そうな表情で答えたそうです。その"YAGI”という単語は、八木・宇田アンテナの開発者である八木秀次博士の名前でした。日本軍には攻撃が最大の防御という固着した思想があり、守りを軽視する風潮がありました。そのため防御兵器であるレーダーを軽視していたのです。その間に連合軍は八木博士の理論をもとにレーダーを実用化しました。戦争終盤に、日本軍は特攻を行いました。レーダーを実装していた連合軍の艦船は早期に特攻機の位置を捕捉しており、特攻機の多くは目標の遥か手前で撃墜されたと言われています。落命した若い兵士たちを思うと心が痛みます。現在の企業に「攻撃偏重」の気風は残っていないでしょうか?
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#149 上の立場に立つほど「自分はまだまだだ」と考えることの大切さ
経営幹部候補者のコーチングをして今野が気づいたことからスタート。
社長がどんな人物を経営幹部に選ぶか。その意思決定が組織に思わぬ影響を与えます。
経営幹部自身も、経営幹部に選ばれたことによって全能感にとらわれたり、ゴールテープを切ったように思ってしまうとそれが担当組織全体に悪影響を与えてしまいます。
組織の上の立場になるほど、自分が思っている以上に自分の考えや振る舞いが組織に影響を与えること、経営幹部になっても社長になっても「まだまだだ」と成長し続けることが組織を活性化します。
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#148 図解力がグランドデザインを生む
7月30日、今野は起業25周年を迎えました。
#144で25年を振り返っていますが、もうひとつ、良かったと思うことがあります。
それは「図解力」。
図解力を磨いたことが組織改革コンサルタントとしてどんなメリットがあったかという話から、現場の数多ある課題を図解して俯瞰するとグランドデザインが見えてくるという発見へと展開しました。
それはコンサルタントというだけでなく、あらゆる仕事に応用できるものです。
みなさんも「図解力」を高めていきましょう!
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#147 アメーバ組織はフリージャズ=1人ひとりが真のプロ
今回はNHK 「最後の講義 ジャズピアニスト 山下洋輔」から。
クラシックを学ぶ国立音楽大学の後輩たちに即興演奏をしてもらいます。はじめは譜面がないことに戸惑った学生たち。スタートは合うはずもないのですが、山下さんはその不協和音さえ「いいね!」と言います。演奏を進めるうちに学生たちはアイコンタクトで見事にセッションを成立させるのです。自分の中から溢れ出る音たち。それが他のメンバーの中からの音と調和していく。彼らの感想は「音楽した〜!」という充実感。
仕事もこうありたいものです。大きな組織も小さなチームの集合体。アメーバ組織は言うなればフリージャズ状態
ただしフリージャズもアメーバ組織も、1人ひとりがハイレベルなプロフェッショナルであることが求められます。
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#146 【実例】理想のタックマンモデル(経営チームのチームビルディング)
今回は高野のFacebook投稿から話がスタート。
その内容は、高野が創業初期から関わってきた株式会社ツクルバの適時開示について、共同創業者の立派な決断を称えた投稿でした。
それを読んだ今野はタックマンモデルを想起。
タックマンモデルについて今野が620社のコンサル経験をもとに話を進めていくと、ツクルバに伴走してきた高野はツクルバの創業期から今回の決断に至るまでの経緯がまさにタックマンモデルだったと気づいたのです。
もちろん決してスムーズに何事もなくチームビルディングが成されたわけではありません。この番組内では語られなかった幾度もの壁を彼らはとことん話し合って乗り越えてきました。その乗り越え方が素晴らしかったのだと、高野はあらためて思い返したのでした。
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#145 器の大きい人と組織のリスペクトの文化に共通の行動
今回は一般的なシーズンからは遅れながらも新卒採用に成功した企業の話からスタート。
そこから面接官の素養、人としての器の大きさを決めるものへと、さらに組織のリスペクトの文化を作る行動へと展開していきました。
「リスペクトの文化」とは言いますが、具体的にはリスペクト(尊敬)とは何で、どう行動することなのでしょう?
E.フロムの尊敬の定義と名将ボビー・バレンタイン監督が考える良いチームの行動、それらにインスパイアされた今野のメソッドなど、リスペクトの具体的行動を語りました。
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#144 起業25周年のMore & Good
今月、今野は起業25周年を迎えます。
来し方を振り返ると後悔(More)が先に浮かんでくると言います。
もう一度やるなら、やり直せるなら・・。
人間は不思議なもので、人が違い、時代が変わっても、同じ失敗をするものです。
だから私たちベテランの失敗は、後に続く人たちの役に立つのだと思います。
その一方で、そうした失敗を乗り越えてきたからこそ得た人生の宝物(Good)もあるのだと思います。
今回は、1人の先輩の赤裸々な失敗と、そこから得た宝物についてお聴きください。
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#143 メンバーは経営の本気度を探っている
経営から新たな指示が降りてくるとき、メンバーは経営の本気度を探っています。組織改革など大きな変化があるときは尚更です。
経営が本気だと思えばやりますが、いつの間にか立ち消えになるなら無駄なことはしたくないからです。
つまり、経営の本気度がメンバーに伝わらなければ組織は動きません。
本気度を伝えるために、経営者はどうすべきでしょう。
また中間管理職はどうすべきでしょう。
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#142新入社員教育 “魚の釣り方”を教えていますか?
新入社員が入社してもうすぐ3ヶ月。
育成の進捗はいかがですか?
専ら役員クラスのコーチをしている今野が珍しく新入社員のコーチをしています。
そこで気づいたことの中から3つの症候群を選んでお話ししました。
名付けて(その場で名付けたのですがw)
①「守破離の守」症候群
②「何でもかんでも学ぼう」症候群
③「素振り100回」症候群
髙野が振り返っても「あるある」です。
これらの症候群に陥らせいないために大切なことは「魚が欲しい人に、魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」ことだと言ってもいいでしょう。
「成長」と「馴れ」は異なるものです。
初めは恐る恐るだったのに、遠慮なく魚をもらえるようになるのは「馴れ」。
環境や獲物が変わっても、自分の力で魚を釣れるようになるのが「成長」。
みなさんの周囲の新入社員は「成長」していますか?
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#141 “マクナマラの誤謬”の教訓をさっそく実践してみたら
前回取り上げた“マクナマラの誤謬”にはさまざまな反響をお寄せいただきました。
そのなかでリスナーの柴田教夫さんに教えていただいた「爆撃機の装甲」という話。
目の前にあるデータを鵜呑みにせず、見えないデータを見ることの重要性を説いた話です。
そんな折、高野はクライアントのCS(カスタマーサクセス)部門のマネージャーから相談を受けたのです。
経営から降りてきた「解約率1%」という目標に違和感を覚え、それに変わってこんな目標を考えているがどう思うかという相談でした。
それはまさにマクナマラの誤謬と爆撃機の装甲の話でした。
さっそく簡単な資料を作成して、CS部門のメンバーとセッションを行ってみると、目標を変えただけで見違えるように元気になり、アイデアが湧くのです。
その姿を見て高野は、28年前に自分がよく似た経験をしていたことを思い出しました。
マクナマラの誤謬と爆撃機の装甲。それは時を超え、場を超えて、いつどこでも起きることだったのです。
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#140 “マクナマラの誤謬”はビジネスでも起きる
来月でコンサル開業25周年を迎える今野の、最初のクライアントでの失敗談から話はスタート。
それはまさに“マクナマラの誤謬”でした。
奇しくも5月29日放送のNHK「映像の世紀 バタフライエフェクト」のテーマがベトナム戦争時の米国国防長官マクナマラの誤謬。
“マクナマラの誤謬”とは定量的な観察のみに基づいて決定を下し、定性的な観察を無視するために全体像を見失うことを言います。
企業においてもKPIの設定、評価項目の設定において定量的なものだけに偏っていたり、あるいは定性的な観察をしないために数字の意味が正しくなかったりすることがあります。
その結果、その定量目標は組織をミスリードします。
ベトナム戦争と同様、「KPIは達成しているのに戦争には敗けている」という恐ろしい結果を招きかねません。
みなさんの周囲に、気づかぬうちに存在する“マクナマラの誤謬”はありませんか?
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#139 人事の最も大切な仕事は「人を育てられる人」を育てること
6月に入り、新入社員に対して本格的なOJTを開始する会社も少なくないでしょう。
新入社員が一定の規模の人数になると人事部が直接育てることよりも現場のOJTの比重が重くなります。
だとすれば人事部の最も大切な仕事は「人を育てることができる人」を育てることだと言えます。
しかし多くの会社では、OJT担当者の選抜に際してどんな社員に適性があるのかを深めることなく選抜していないでしょうか。
また選抜したOJT担当者に、OJTとは何で、どうすることなのかを学ぶOJT担当者研修を実施している会社も少ないように思います。
今回はOJTとは何をすることで、どんな人にOJT 担当者としての適性があり、どんな人は不向きなのかを語り合いました。
人事部の方々だけでなく、組織で働くみなさんは多かれ少なかれOJTを担っているはずです。
みなさんのご参考になろのではないかと思います。
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#138 「集団浅慮」の罠と対策
それが起きる4つの要件とそれが起きる理由、そしてそれを防ぐ4つの対策があります。
元々は政治における集団浅慮の研究成果ですが、実は企業組織にも当てはまります。
特に若いベンチャー企業に起きそうな要件ですが、大企業でも伝統ある中小企業でも、また会社全体ではなく部署単位でもその要件の全部または一部が揃ってしまう危険があります。しかもそれは、自分たち自身では気づきにくいものです。
みなさんの組織にこの4つの要件がないか、点検してみてはいかがでしょう。
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