Philosophy Gives Directions
By みみめめ
著書『スマホ時代の哲学』『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』『〈京大発〉専門分野の越え方』『鶴見俊輔の言葉と倫理』『信仰と想像力の哲学』など多数。
Twitter: houkago_kitsune
Philosophy Gives DirectionsMay 03, 2024
#32 文庫の解説を書くという実績を解除したよ
京都市在住の哲学者が、身近なことから雑談的に哲学するポッドキャスト。
#32は、塩谷舞『ここじゃない世界に行きたかった』(文春文庫)の話。文庫解説として、「『夜の言葉』を書く人」という文章を寄せました。夜の話に始まって、夜の話で終わる本になり、夜型の私としては大変満足しています。
#31 本を出すとき、ゾンビ映画ですぐ死ぬやつにならない?
#30 新刊『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』が発売されたよ
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#30は、4/10に発売した新刊『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』についての話。トークで紹介したレビューは、「衝動のまま生きるために必要なこととは?『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』を読む」というReal Soundの記事。
6/2には、東京でクリエイティブディレクターの古川裕也さんと対談し、5/22には、大阪で共著を書いたとある哲学者仲間と対談します(リンクと情報は4/22からオープンされます)。前者は対面のみ、後者はオンラインもあります。
#29 イベント感想戦、『私たちの金曜日』の田辺聖子小説からみる書評家・三宅香帆
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#29は、最近の対談イベントを振り返りながら、三宅香帆さんの編纂したアンソロジー『私たちの金曜日』(角川文庫)に掲載されている田辺聖子さんの短編小説の話をしています。実質三宅香帆論だったイベントの振り返りですね。
デザイナーの渡邊康太郎さん、ライターの塩谷舞さん、書評家の三宅香帆さんとの対談は、アーカイブが買えますのでよければ。9月には、株式会社アダット代表取締役社長の福澤英弘さんとの対談、そして書評家の渡辺祐真さんとの対談があります。対談もあるのでぜひ。
#28 ヤマシタトモコ『違国日記』最終巻を読んで興奮冷めやらぬ哲学者の語り
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#28は、『スマホ時代の哲学』や『信仰と想像力の哲学』など、書籍でも度々参照している、ヤマシタトモコさんの漫画『違国日記』。その最終巻を読み終えて、高ぶった感情のまま話しました。読了後、興奮のままに投稿した感想がこちら。併せてご覧あれ。いずれもあんまりネタバレなし。
ちなみに、冒頭で告知したイベントは、①三鷹・UNITÉ(ユニテ)での渡邉康太郎さん、塩谷舞さんとの対談、②梅田ラテラルでの三宅香帆さんとの対談、③下北沢本屋B&Bでの渡辺祐真さんとの対談です。いずれも、対面、オンライン、アーカイブがあります。ぜひに!
#27 「本を一回読んでどれくらい理解できますか?」という質問に答えます
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#27は、質問回。「本を一回読んでどれくらい理解できますか?」という質問をしばしばもらうので、それに答えました。参照したのは、『スマホ時代の哲学』の文学研究の営みに関する箇所。
紹介した記事は、「「名探偵コナン」は小学生の弱い探偵だからこそ面白い…哲学者が見た「子供の世界と大人の世界の緊張関係」 」と、「なぜ大人も映画館に「名探偵コナン」を見に行くのか…年800冊の漫画を読む哲学者が語る"知られざる魅力"」、そして、「1話目でいきなりあんなことになるなんて…話題沸騰『【推しの子】』がヒットした一番の理由」です。
#26 ネガティヴ・ケイパビリティと「いい負け方」
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#26は、質問回。ネガティヴ・ケイパビリティは大事だけど、答えがほしくなるということについて。那須耕介さんの『つたなさの方へ』や『自分と社会とのあいだの難関』を参照しながら、「勝つ=答えを得る」のとは違うやり方について考えました。あと、やたら『鶴見俊輔の言葉と倫理』と『信仰と想像力の哲学』を推しています。本棚に積んでください。
#25 最近読んだ本の話:川名潤『出版とデザインの26時』、岩下弘文『ふわふわする漱石』、下西風澄『生成と消滅の精神史』など
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#25は、読んだ本の感想。デザイナーの川名潤さんによるZINE『出版とデザインの26時』および『出版とデザインの27時』、そして、岩下弘文さんの『ふわふわする漱石』、佐野泰之さんの『身体の黒魔術、言語の白魔術』、下西風澄さんの『生成と消滅の精神史』、久保正彰さんの『西洋古典学入門』。
#24 心に住まわせた「多様な他者の声」に押しつぶされないために
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#24は、MARUZEN&ジュンク堂書店池袋本店で行われた『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』刊行記念トークイベントの話。そこで受け取った、「心に住まわせた多様な他者の声に押しつぶされてしまう」との疑問に答えていきます。『スマホ時代の哲学』の話ですね。
それから、私の関わった著作、『〈京大発〉専門分野の越え方:対話からはじまる学際の探求』(ナカニシヤ出版)、シェリル・ミサック『真理・政治・道徳:プラグマティズムと熟議』(名古屋大学出版会)、プレジデントオンラインのコナンの記事などを紹介しています。
ちょっとむせていたり、相変わらず噛み噛みだったりしますが。
#23 なぜ「哲学者など」と自己紹介するのか、あるいはみうらじゅんの話
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#23は、みうらじゅんや星野源を意識しながら「哲学者など」と名乗っているよという話。先日、デザイナーの渡邊康太郎さんに言われた、「〈哲学など者〉と〈哲学者など〉の違い」についても少し語っています。 いや、みうらじゅんへの愛着について語っただけかもしれない。
本文中で言及したのは、takram radio出演回、杉谷和哉さん・朱喜哲さんとの共著『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる:答えを急がずに立ち止まる力』(さくら舎)、ポッドキャスト「超相対性理論」の谷川出演回、シェリル・ミサック『真理・政治・道徳:プラグマティズムと熟議』(名古屋大学出版会)、プレジデントオンラインの記事などです。
#22 明るくないインターネットの話(説明をよく読んで)
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#22は、明るくないインターネットの話。一般論ではなく、先日SNSのトレンドに上がっていたショッキングな話題をとっかかりに話をします。
繊細な話題(人の生き死のこと)について話すので、心が安定していない人は聞かない方がいいと思います。話題は、ある一般の方の生死にかかわる動画がネット上で拡散したことについてです。事件の具体的な話はしていませんし、リスナーには検索すらしないでほしいと思っています。
どんな媒体であっても、どんな風にぼかしても、それについて語ることさえするべきではないとも思ったのですが、迷いながら言葉を選んでいます。そんな取り乱しがちな回です。
いつもの調子を取り戻すように、プレジデントオンラインの記事、『〈京大発〉専門分野の越え方』(ナカニシヤ出版)、C・ミサック『真理・政治・道徳』(名古屋大学出版会)などについても告知しています。
しとしと降る雨にふれたときのように読んだと話したのは、蓮實重彦さんの『齟齬の誘惑』です。久々に「この本があってよかった」と思える本でした。
#21 最近私が直面した「失敗」のこと
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト。
#21は、最近あったラジオ収録での失敗について。器用だとみられがちな私も失敗するし、へこむし、実は内向型的なところがあるんだよ、という雑談。スーザン・ケインの『Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking』、そして、私の新刊『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる:答えを急がずに立ち止まる力』(さくら舎)について。
ちょっとでも気になった方が買ってくださると、次の書籍にちょっとつながります。『ネガ生き』を一部抜粋したプレジデントオンラインの記事はこちら。
#20 繰り返す日常の中で、選び決断すること:新海誠「すずめの戸締まり」、S. ピンスカー『いずれはすべて海の中に』
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#20は、新海誠「すずめの戸締まり」(2022)、サラ・ピンスカー『いずれはすべて海の中に』(竹書房)の話。「すずめの戸締まり」の話では、繰り返しや挨拶を通して描く日常の意味について、サラ・ピンスカーの話では、何かを選び決断するということについて話しました。
#19 やっとポッドキャストで『スマホ時代の哲学』の話をしたよ(あと新刊などの話も)
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
久々の更新である#19は、その間にやった仕事、間もなく公開される仕事の紹介。出版されて随分経つけど、やっと『スマホ時代の哲学』(Discover21)の話をしました。あと、これから出版・公開されるものたちのことも。『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』(さくら舎)、公開予定の対談記事、執筆記事のこと。
次回こそは、もうちょっとどうでもいい感じのテーマで話します。がんばらない、ローテンションをモットーに続けていきたいところです。
#18 買った本や頂いた本の紹介:サラ・ピンスカー『新しい時代への歌』, グリーン『スマート・イナフ・シティ』, 森永真弓『欲望で捉えるデジタルマーケティング史』など
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#18は、頂いた本、買った本、読んだ本の紹介。買った本は、サラ・ピンスカーの『いずれはすべて海の中に』と『新しい時代への歌』(いずれも竹書房文庫)。フィリップ・K・ディック賞・ヒューゴー賞の受賞で知られる作家で、どちらも表紙がかっこいい。「こんなタイミングだからこそ、本を読もう」という話をしたのは、この回のポッドキャストです。
頂いた本は、クリストフ・メンケ『力:美的人間の根本概念』, ベン・グリーン『スマート・イナフ・シティ:テクノロジーは都市の未来を取り戻すために(いずれも人文書院)、そして、丸山俊一『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』(SB新書)。最近読んだ本として紹介したのは、森永真弓『欲望で捉えるデジタルマーケティング史』(太田出版)。
紹介の中で言及したのは、『テクノロジー・バブル:なぜ熱狂が生まれるのか』と、『僕たちのインターネット史』(さやわか、ばるぼら)です。
#17 なぜネタバレを人は気にするのか問題
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#17は、『中央公論』2022年8月号に寄稿した「消費者が求める体験の再編集:ネタバレを避ける人と求める人」と、9月に刊行予定の『鶴見俊輔の言葉と倫理』などについて話しました。
『中央公論』の原稿は、一部がこちらで読めますが、オチは本誌でしか読めません…!雑誌は、Kindleでも読めるみたいなのでぜひに。小川公代さんとの対談についてはこちら。
#16 買った本の紹介:アマンダ・ゴーマン『わたしたちの登る丘』、『Ms. マーベル』ほか
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#16は、最近買った本の紹介。読了前だけど、こんな感じならもっと更新できるなと思いました。紹介したのは、アマンダ・ゴーマン『わたしたちの登る丘』(文春文庫)、和泉真澄ほか『私たちが声を上げるとき:アメリカを変えた10の問い』(集英社新書)、G. ウィロー・ウィルソンほか『Ms. マーベル:もうフツーじゃないの』(ヴィレッジブックス)、由井真波『動機のデザイン』(BNN)
私のインタビューはこちら→「プラグマティズムと非合理な情熱。学びの果ての衝動。哲学者・谷川嘉浩氏インタビュー。」|Less is More.by info Mart Corporation
#15 【悩み相談】高齢の家族やペットがいる自宅での時間が不安です
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#15は、質問箱に来た質問に答えました。同世代の友人に比べると、高齢の家族やペットがいて自宅にいると「倒れるのでは」と不安になるという相談。どうすれば安心して家で過ごせるのでしょうか。
もちろん、哲学者はすべての答えを予め持っている超人ではないし、短い文面では「こうかな」と推測するしかないのですが、簡単にレスポンスしてみました。キーワードは、「かくまってくれる友人」(©ヤマシタトモコ『違国日記』)です。
最後の方で紹介したPodcast(ゲストで私が出たもの)はこちらです。
#14 こんな状況で本を読む価値について――ウクライナ、「Don't Look Up」の感想、人付き合いの悩み相談
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#14は、ロシアのウクライナ侵略を念頭に置きながら、「こんな状況で本を読む価値」について話しました。その後で、最近観たコンテンツの話をし、悩み相談に答えています。
紹介するコンテンツは、Netflixの優れたコメディである「Don't Look Up」。悩み相談は人付き合いについてのもの。書籍を紹介しながらレスポンスしていきます。そこで紹介したのは、朴沙羅『ヘルシンキ 生活の練習』(筑摩書房)。おすすめです。
#13 最近観た韓国コンテンツについて哲学する!② 「地獄が呼んでいる」と「イカゲーム」をめぐって
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#13は、林玲穂さんとの対談イベント「何がキャラクターに饒舌と沈黙をもたらすのか」——『鬼滅の刃』HIKAKINから、「パラサイト」「イカゲーム」BTSまで、日本と韓国のヒットコンテンツから考える現代社会(2021/12/26, 15:00-)を終えて、語り尽くせなかった韓国コンテンツへの印象や考察について語る回。今回は、Netflix発で世界的なヒットを巻き起こした「イカゲーム」(2021)と、早速話題を呼んでいる「地獄が呼んでいる」(2021)を扱います。
「地獄が呼んでいる」を、私たちが働いてしばらく経って「このままこうやって、この時期にはこれくらいの年収で、この繰り返しで死んでいくんだな…」という人生が見通せてしまう瞬間の予測できなさと重ねて解釈したり、「イカゲーム」を、エッシャーのだまし絵との関係から考察したり、誰も傷つけないステレオタイプによってゲームを生き残る可能性の観点から検討したりしています。
この話面白がってくれる人がいたら、どこかでちゃんと活字にしたいですね。
#12 最近観た韓国コンテンツについて哲学する!① 「パラサイト/半地下の家族」「愛の不時着」をめぐって
京都市在住の哲学者が、身近なことから哲学するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#12は、林玲穂さんとの対談イベント「何がキャラクターに饒舌と沈黙をもたらすのか」——『鬼滅の刃』HIKAKINから、「パラサイト」「イカゲーム」BTSまで、日本と韓国のヒットコンテンツから考える現代社会(2021/12/26, 15:00-)を終えて、語り尽くせなかった韓国コンテンツへの印象や考察について語る回。今回は、ポン・ジュノ監督「パラサイト/半地下の家族」(2020)と「愛の不時着」(2019)について語る。
「パラサイト」の面白さは、悪人や詐欺師の出てくるコンゲーム的な面白さがあるんじゃないかとか、「愛の不時着」と「破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」(通称はめふら)の比較とか、「愛の不時着」はメタ的な視点があるということが、現代の成熟した視聴者にあのぶっ飛んだ恋愛をベタに受容させている……みたいな話をしています。
#11 2021年冬、哲学者が高校生に勧めるコンテンツとは
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#11は、高校生向けに冬休みに音楽と本を勧める機会があったので、それをここでも紹介しています。ポッドキャスト内で紹介しているもの(一部):ぷにぷに電機「君はQueen」、星野源「桜の森 (Live from “宴会” 2021)」、Creepy Nutsのフリースタイルラップ【新聞広告の日】「#みんなに聞いてほしいことがある」スペシャルムービー、金成玟『K-POP:新感覚のメディア』(岩波新書)、『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』(晶文社)、古田徹也『いつもの言葉を哲学する』(朝日新書)などなど。
下記イベントもよろしくお願いします:谷川嘉浩×林玲穂「何がキャラクターに饒舌と沈黙をもたらすのか」——『鬼滅の刃』HIKAKINから、「パラサイト」「イカゲーム」BTSまで、日本と韓国のヒットコンテンツから考える現代社会(2021/12/26, 15:00-)
#10 HIKAKINと炭治郎の話し方が似ている問題:今年書いた原稿とイベントの話
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#10は、久々の収録とあって短め。とりあえず最近の原稿、「2010年代ヒット漫画の饒舌と沈黙」(『中央公論』2021年10月号)を紹介。ここでは、鬼滅の刃とYouTuberの語り方の類似性について論じています。あと、古田徹也さんの『いつもの言葉を哲学する』(朝日新書)のあとがきを例に、時々研究者が家族にも伝わる文章を書こうとするよ、という話をしている。
今回紹介した論考から派生した、下記イベントもよろしくお願いします:谷川嘉浩×林玲穂「何がキャラクターに饒舌と沈黙をもたらすのか」——『鬼滅の刃』HIKAKINから、「パラサイト」「イカゲーム」BTSまで、日本と韓国のヒットコンテンツから考える現代社会(2021/12/26, 15:00-)
マイク変わったので収録の出来が不安な10回目でした。
#9 映画について語る回。「その街のこども」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」「モンスターズ/地球外生命体」「メッセージ」
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#9は、久々の収録。とりあえず、最近観返した映画について語ることに。NHKのドラマをもとにした、阪神淡路大震災15年後の夜を描いた「その街のこども」、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形」、「モンスターズ/地球外生命体」、「メッセージ」について語る。何をどのように面白がり、読み解くかについて深い話ができればよかったけれど、ただ単なる紹介になったかもしれない。
あと、下記イベントもよろしくお願いします。『信仰と想像力の哲学』出版記念 谷川嘉浩×三木那由他 新しい哲学の語り方ー専門知と総合知を考えるー
#8 プライベートを大切にしたい人のためのフェミニズム、競争とケアリングについて:アン=マリー・スローター『仕事と家庭は両立できない?』
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#8は、おすすめコンテンツを紹介する企画。今回取り上げ、紹介するのは、プリンストン大学の国際法学者で、ヒラリー・クリントン国務長官時代に国務省の政策企画部長を女性ではじめて務めた、アン=マリー・スローターの『仕事と家庭は両立できない?:「女性が活躍する社会」のウソとホント』(NTT出版)。
家事がうまい女性はいるが、女性だから家事がうまいわけではない。仕事ができる男性はいるが、男性だからできるわけではない。にもかかわらず、そういった言葉遣いが社会にはあふれている。こうしたステレオタイプと、それが個々人の生活にもたらす悪影響について、スローターは多角的な観点から検討を加え、魅力的な議論を展開している。彼女の話題は、「となりのトトロ」から、家庭を大事にし始めればキャリアを諦めた扱いされる問題、ミルトン・メイヤロフの『ケアの本質』、ホワイトカラーとブルーカラーなど多岐にわたる。
女性だけでなく男性にも、子育てする人だけでなく未婚の人にも、働く人だけでなく家事を担う人にも読んでほしい本について雑談する、PGD#8。
#7 本は前から読まなくていいし、すべて理解しようとしなくていい:私の執筆スタンスや読み方について
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#7は、ついに発売された『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)のあとがきや終章を朗読したり、私なりの哲学書との関わり方、私が学部時代に経験した「哲学わからん」問題について話す回。
友人たちが世界最速読書会を二回も開いてくれたので、そこでのエピソードを切り口に、読書会とはどんな感じのものかについてだけでなく、私は哲学とどう関わっているのか、社会学と本書の関係はどのようなものかなどの問題に答えながら、学術書を読み慣れない人のための読み方のコツを解説したりもしている。でも、終盤には(噛み噛みだけど)ちゃっかり宣伝する、そんなPGD#7。(ちなみに、同書の参考記事はこちら。)
#6 『信仰と想像力の哲学』の表紙と導入と帯文についての雑談
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#6は、2020年最後に読んだ本、古川不可知『「シェルパ」と道の人類学』(亜紀書房)の話から入り、『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)の表紙絵(後藤史春さん描き下ろし)について語り始める。
本論では、導入部分を朗読している。導入を読むことで、本書のコピー(帯文)のニュアンスを深く知ることができるからだ。「アメリカを考えることは、『私たち』を考えることだ。デューイという『集合知』を通して、アメリカ知識人の社会批評をたどる」というコピーについて、十分以上話続け、他者や状況から学び、影響を受けるということに特異的な才能を発揮したジョン・デューイという哲学者を今学ぶ意義について、ノープランで話し始める、そんなPGD#6。
#5 「自分の頭で考える」は危うい?:自分の頭で考えないための哲学
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#5は、二本立て。前半では、『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)の第3章をベースに、自分の過去との付き合いについて考える。私たちは、自分を質的に変えるほどの大きな経験とどのように付き合えばいいのだろうか。羽海野チカ『三月のライオン』や青山軽『ストロボライト』も少しだけ登場。
そして後半では、ウェブメディア「まなびとき」に寄稿したコラム「自分の頭で考えないための哲学」を紹介する。「自分の頭で考えた」結果、ろくなことをしない問題について、ロバート・ライト『なぜ今、仏教なのか』やアントニオ・ダマシオ『デカルトの誤り:情動、理性、人間の脳』を取り上げつつ語り、「なぜ勉強した方がいいか」問題を裏側から論じていく、PGD#5。
#4 人生の岐路で、どう決断した方がいい?:L. A. ポール『今夜ヴァンパイアになる前に』
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#4では、分析哲学者L. A. ポールの『今夜ヴァンパイアになる前に』をとりあげる。ヴァンパイアになるか選べるならどうする?その道を選べば、これまで通りの自分ではいられなくなるかもしれない。そう考えると、「今夜ヴァンパイアになるかどうか」という不思議な問いかけは、私たちが人生の岐路でどう決断するのかという実存的な問いへと変貌する。
少しシリアスな主題にも負けず、新著『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)の紹介や宣伝を差し挟み、著名なラジオパーソナリティの "commencement speech"(学位授与式での講演)に関する雑談も忘れない。もちろん「適職どこにあるのか」「就活どうしよ」な悩みにも答えていく、PGD#4。
(ちなみに、ラジオ内で話している「認識的」の原語は、"epistemic"なので、ここで訂正しておきますね…)
#3 硬直化した関係を抜け出すには? Guest: 三浦祥敬
京都市在住の哲学者によるポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#3は、早速の番外編。三浦祥敬をゲストに迎えました。彼は、僧侶の松本紹圭さんとの共著本『トランジション:何があっても生きていける方法』を2019年に上梓しています。今回は、ゲストが原稿執筆のために思考を整理をしたいと連絡をくれたのをきっかけに、突発的に収録しました。トークテーマは、「どうして抑圧的な関係が生まれてしまうのか」。ハラスメントやマウンティングで地獄化する人間関係についてです。スピノザ、対立は悪いことなのか、エモさ、怒りの習慣、『ゴーグル』(豊田徹也)、カズオ・イシグロ、仏教とキリスト教などなど、話題は多岐にわたります。ビール(エビス!)を飲みながら、調子の悪いマイクとともにお届けする低音質のPGD#3。
#2 変えられることだけ変えればいい:ストア派のエピクテトス
京都市在住の哲学者が、毎回何かを紹介するポッドキャスト、Philosophy Gives Directions。
#2では、解放奴隷という肩書を持つ古代ローマの哲学者、エピクテトスを扱う。彼が生きていたのは、もう2000年くらい前! 「そんなおじさんの話を聞いて何になるの?」という声が聞こえてきそうなところだが、実は最近、エピクテトスは日本で小さく人気がある(『その悩み、エピクテトスならこう言うね』など、関連書籍がかなり出ている)。眠気と戦いながらノープランで解説し始め、ついには悩み相談に答えていくPGD#2。
#1 Philosophy Gives Directions, はじまるよ!
京都市在住の哲学者、谷川です。ランチのときのようなトーンと言葉遣いで、少しだけ込み入った話題を使って、哲学に触れていくポッドキャスト。更新テストを兼ねた、挨拶回です。