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幸せな人しかたどり着けない場所

幸せな人しかたどり着けない場所

By 幸せな人しかたどり着けない場所

文芸とその周辺のことが好きな三人が、日々のあれこれについて、書いて、読んで、話し合うPodcastです。

【登場人物】

・けむりさん
2000年生まれ。詩人。座右の銘は「存在の耐えられない軽さ」

・ざくろくん
2000年生まれ。文学者、会社員。「一人の人間が世界を描くという仕事をもくろむ。長い歳月をかけて、地方、王国、山岳、内海、船、鳥、魚、部屋、器具、星、馬、人などのイメージで空間を埋める。しかし、死の直前に気付く、その忍耐づよい線の迷路は彼自身の顔をなぞっているのだと」(ボルヘス)

・秕目(しいなめ)
2000年生まれ。会社員。仕事もプライベートも不健康。

メール:shiawase.teidan@gmail.com

note(Podcastで読んだ文章などが載ります)
note.com/shiawase_na_hito
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#9 哲学ってなんだろう?/永井玲衣『水中の哲学者たち』

幸せな人しかたどり着けない場所Apr 08, 2024

00:00
48:09
#9 哲学ってなんだろう?/永井玲衣『水中の哲学者たち』

#9 哲学ってなんだろう?/永井玲衣『水中の哲学者たち』

「哲学対話をしたい」というけむりさんの発案から、「哲学ってなんだろう?」ということを、永井玲衣の『水中の哲学者たち』という本を参考にしつつ考えてみました。

【あらすじ】
・水に入ることってある?
・「哲学」ってどういうイメージ?
・哲学対話をしたい(「夜ふかしの読み明かし」を聞いて)
・「哲学してる?」ってなに?
・アテナイの学堂
・テオーリア
・永井玲衣『水中の哲学者たち』の紹介
・言葉の手触りと、不確かな言葉で触れる世界
・同世代的ポエジー
・「前のめり哲学エッセイ!」
・こういう風に対話できたらいいな
・他人の話をちゃんと聞くってむずかしい
・ロールプレイ的飲み会
・わからないことをわかりたい
・すぐわかった気になる
・「うまく言えないんだけど」
・「バランスってむずかしいですね」
・「でも」って言っちゃう
・自分のことをわかってほしい
・主張するということ
・主張ごと変わっていけたら
・人類は哲学してきたのか?
・世の中の仕組み
・レスバ師
・正解がないということでもない
・前に進んでる感
・本と対話する快楽
・その場で水に潜る
・「話しましょう」から始まる話
・居酒屋で一人で読書
・Base Ball Bear「夕日、刺さる部屋」と相まって泣ける
・作者個人のパーソナリティに惹かれる
・息遣いが聞こえてくるような本
・寄り道の楽しさ
・どこかでは終わらないと
・ふしぎな時間でした
・対話って楽しい

ちなみに、失われた時間(過去)が居酒屋や本で簡単に取り戻せる、というのは、それいいよね、というよりむしろ、そんな簡単に取り戻せてしまうのかな……というちょっとした絶望だったりもします。人生ってむずかしいね。(けむり)

◯今回紹介した本
永井玲衣『水中の哲学者たち』
www.shobunsha.co.jp/?p=6703

(メールアドレス:shiawase.teidan@gmail.com)
Apr 08, 202448:09
#8 your room (There will be Time after Time.)

#8 your room (There will be Time after Time.)

今回はけむりさんの『your room (There will be Time after Time.)』という詩について読書会しました。

「さわれない詩と、戻れない過去は、なにがちがうの?」

【あらすじ】
(0:00)
朗読
・けむり『your room (There will be Time after Time)』

(2:39)
本編
・朗読してみてどうだった?
・「少しだけ扉が開いているようです」
・引用との接続(クラムボン「君は僕のもの」、アニメ「けいおん!」によせて)
・川口晴海「春とシ」
・君と僕のバランス
・アニメ「けいおん!」
・幻の放課後
・それは実体験?
・フィクションと自分の思い出の区別
・懐かしいもの/遠くにあるもの
・喚起、想起、惹起
・詩の言葉と戻れない過去
・「さわれない詩と、戻れない過去は、なにがちがうの?」
・ごっちゃにするのを敢えて楽しむ
・過去の自分は他人だと思ってる
・自分がこれまで、あの体験をどう語ってきたのだろう?
・思い出したくないことは思い出さない
・川野芽生「Blue」
・自分のための自分史
・あのとき放課後ティータイムに加入していれば
・「けいおん!」の影響
・平沢唯ちゃんが好き
・あずにゃんが先輩だったらよかった
・悲劇をなかったことにしてない、と言いたくなる
・日常のシーンとその背後の結びつき
・悲劇と社会生活
・直接的に書かれていなくても、書いた人はその世界に生きてる
・アキ・カウリスマキ「枯れ葉」
・戦争との距離
・半径5メートルの話
・詩人としてのけむりさん
・横書きと英題
・西脇順三郎の横文字
・メディアの違い
・詩集を作ろう
・平沢唯さんのどこが好きか
・根源としての優しさを煮詰めたようなあなたへ
・曲がいい

◯今回読んだ文章
【詩】your room (There will be Time after Time.)|幸せな人しかたどり着けない場所 @shiawaseteidan #note
note.com/shiawase_na_hito/n/nc552029b55e0

絵:フェルメール ≪天文学者≫


(メールアドレス:shiawase.teidan@gmail.com)
Apr 01, 202435:08
#7 転勤ブローカー

#7 転勤ブローカー

今回は粃目の書いた『転勤ブローカー』という短篇小説について読書会をしました。

「大阪転勤が発令された真っ先に、友人の新居を趣味で仲介し周っているという、とある転勤ブローカーに連絡を入れた。」

【あらすじ】

(00:00)
朗読
・粃目『転勤ブローカー』

(06:59)
本編
・朗読してみてどうだった?ーー窒息しそうだった。
・「転勤ブローカー」って怪しすぎない?
・住居探しの真のサイト
・春樹みを感じました
・僕という一人称
・私/僕の使い方
・住居探し楽しくない?
・転勤ブローカーに頼ってよかった
・コンクリート打ちっぱなしなど
・自分は人であることを認識させられる
・自己分析大事
・住居に求める条件
・自分の健康
・二口ガスコンロ
・キッチンについて
・けむりさんの変な家
・引っ越しの不思議な感慨
・雑談的記事
・冒頭が好き
・文士って感じ
・中身が詰め詰めになった文章としての創作
・小説的語り
・新生活にまつわる虚脱感
・まっさらな思考↔新居のイメージ
・語りによって立ち上がるイマジナリー人物
・これでよかったのか?
・その後が知りたい
・窪美澄『よるのふくらみ』
・新生活の季節
・ブローカーという言葉

◯今回読んだ文章
【短編】転勤ブローカー|幸せな人しかたどり着けない場所 @shiawaseteidan #note
note.com/shiawase_na_hito/n/n6d091343ef58

(メールアドレス:shiawase.teidan@gmail.com)
Mar 22, 202433:28
#6 水族館の廃墟
Mar 17, 202436:31
#5 涙の価値

#5 涙の価値

今回は粃目さんの問いから、「涙の価値」について考えてみました。

人が泣くって、冷静に考えてみるとどういうことなんでしょう?

【あらすじ】

・眼の前で人が泣いてたらどうする?
・嬉し泣きについて
・泣いたから大事みたいな風潮
・泣いたら対話が終わる
・綾波の涙
・涙は人間しか流さない
・人類はいつから涙を流すようになったのか?
・源氏物語の時代の涙
・「泣けない」ということの意味
・泣けると安心する/自然に泣けない自分に違和感
・涙は指数じゃない
・涙神話/涙の誕生
・涙は目で見てわかりやすい
・悲しいから泣いてる→泣いてるから悲しいの転倒
・日常系アニメにおける涙
・あなたは絶対泣く、という映画
・他人が泣いてないシーンで泣く(「君たちはどう生きるか」「ゴジラ−1.0」「PERFECT DAYS」)
・いつかは必ず終わる、という悲しさ
・必ず終わる、ということに安心する
・始まる瞬間から終わりが見えてる
・神回?

(メールアドレス:shiawase.teidan@gmail.com)
Mar 08, 202439:39
#4 小砂川チト『猿の戴冠式』と三木三奈『アイスネルワイゼン』の話【芥川賞候補作】

#4 小砂川チト『猿の戴冠式』と三木三奈『アイスネルワイゼン』の話【芥川賞候補作】

先日発表された、第170回芥川賞について、あれこれ話しました。

その最終回である今回は候補作の「猿の戴冠式」と「アイスネルワイゼン」について紹介します。

【あらすじ】

・もはや選考委員?

(03:58)
・小砂川チト「猿の戴冠式」について

・小説とあらすじについて紹介
・あらすじには映らない面白さばかり
・ざくろくんの推し作品
・語りが話を引っ張っていく作品
・人とボノボとの語りの区分
・言葉が与えられることの悲劇
・ジャック・ラカン的存在
・言葉以前のつながり
・名付けの妙
・ラストのドライブ感

(19:04)
・三木三奈「アイスネルワイゼン」について

・小説とそのあらすじについて紹介
・そのキャリーケース重たいよな
・笑えない毎日を送っているのに、くすっときちゃう感じ
・主人公には世界がこう見えてる
・声がよく聞こえる小説
・家族こそ幸せ、みたいな価値観
・人物像が語りから浮かび上がってくる
・「この人」の話
・今村夏子の系譜?
・人と人のあいだにあるグロテスクさ

・選考会ってこんな感じ?
・「名付け」と「視線」

◯今回紹介した本

・小砂川チト「猿の戴冠式」
bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000386060

・三木三奈「アイスネルワイゼン」
books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163918129

小説の話をするときに、それを読んでいない前提で読書会ができるの?という思いから、今回はあらすじをかなりきちんと紹介してから作品の話をしたのですが、この形がよかったのか、微妙だったのか、どうなんだろうって感じなので、アドバイスなどあれば教えてください。

(メールアドレス:shiawase.teidan@gmail.com)
Mar 01, 202439:22
#3 安堂ホセ『迷彩色の男』と川野芽生『Blue』の話【芥川賞候補作】

#3 安堂ホセ『迷彩色の男』と川野芽生『Blue』の話【芥川賞候補作】

先日発表された、第170回芥川賞について、あれこれ話しました。

今回は候補作の「迷彩色の男」と「Blue」について紹介します。

【あらすじ】

・「なにかがはみ出してくる」(堀江敏幸)

(04:05)
・安堂ホセ「迷彩色の男」について


・小説とそのあらすじについて紹介
・悲しい話
・暴力へと追い込まれていく過程
・前作にも出てくる登場人物
・内在化「してしまっている」視線、ステレオタイプ
・スリラー小説としての魅力
・匿名性と固有の身体性
・現代のリアリティ
・私という一人称、それを選ぶということ
・象徴的な冒頭、色彩のモチーフ、語りの鮮やかな小説

(20:20)
・川野芽生「Blue」について

・小説とそのあらすじについて紹介
・「いま最も読みたいトランスジェンダーの物語」(集英社)
・いま、読んでほしいと勧めたくなるような、世代感の話
・コロナ禍の大学生
・映画「ムーンライト」からの引用
・「おまえが何者かを決めていいのはおまえひとりだよ」
・冒頭の脚本とか、語りの構成の面白さ
・作中作の文量がいい
・等身大の話、温度感の心地よさ
・誠実な語り
・人と人のあいだにある小さいこと、繊細な感覚
・にこにこと読める会話、連帯したくなる切実さ
・「おやすみ、ほむほむ、LOVE(いままみの中にあるそういう優しいちからの全て)。」(穂村弘)

・同じ時代に書かれた、同じ賞の候補になった作品

◯今回紹介した本

・安堂ホセ「迷彩色の男」
www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309031415/

・川野芽生「Blue」
www.shueisha.co.jp/books/items/contents_amp.html?isbn=978-4-08-771866-9


けむりさんめっちゃ喋ってるな。と思いました。話したくなることがたくさんあるのは嬉しいこと、それが作中の人物たちを取り巻く「視線」とつながっていることは留意しつつ、やはり小説を読むことは楽しいです。聞いてくれてありがとうございました。ぜひ、今回の2作も読んでみてください。(けむり)

(メールアドレス:shiawase.teidan@gmail.com)
Feb 19, 202442:53
#2 九段理江『東京都同情塔』の話【芥川賞受賞作】
Feb 13, 202433:25
#1 「私は、その男の写真を三葉、見たことがある」【自己紹介】

#1 「私は、その男の写真を三葉、見たことがある」【自己紹介】


メンバーがそれぞれ三者三様の、「私は、その男の写真を三葉、見たことがある」から始まる自己紹介文を書いてきたので、それを読み合います。

【あらすじ】

・自分の声好きですか?
・自分のアバターネームについて

(5:30)
『第一の手記(けむり)』
・好きなものの話をするラジオ
・夏目漱石「三四郎」
・Base Ball Bear「short hair」
・今泉力哉監督「愛がなんだ」
・好きなもので自分を語ろう

(16:54)
『第二の手記(ざくろ)』
・自分を見つめる語り
・太宰治「人間失格」を読んで
・自己紹介というより文体紹介
・そして(甘噛しつつ)「祝福」へ
・好きな文芸誌

(24:43)
『第三の手記(秕目)』
・話を始める前に一言言っておきたい
・自分を言語化ってむずかしい、普通に
・自己紹介をしてくださいって言われて、「あなたは……」と語り始めたらむしろクール
・主題があって、血肉の通っている文章
・自分のことを自分の言葉で語ることができる場所≒幸せな人しかたどり着けない場所?

(35:19)
・「人間失格」のはしがきは天才
・好きな作家は?という軽さ
・じゃあ、最近読んだ本は?
・ジェイムズ・ジョイス「死せるものたち」
・ボードレール「パリの憂愁」
・ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ「パターソン」(×ジム・ジャームッシュ)
・小川哲「君が手にするはずだった黄金について」

・これからよろしくお願いします
(メールアドレス:shiawase.teidan@gmail.com)



◯朗読した文章
【Podcast】#1「私はその男の写真を三葉、見たことがある」【自己紹介】|幸せな人しかたどり着けない場所 @shiawaseteidan #note #自己紹介
note.com/shiawase_na_hito/n/n8604093be2dc
Jan 21, 202442:13