組織ラジオ
 いまのたかの

組織ラジオ  いまのたかの

By Shinichi Takano

マネジメント、組織開発、組織改革のベテランコンサルタントの2人が、理論に走りがちな組織の話題を、現場の実話を交えてギリギリトーク。
実戦経験を、楽しくゆる〜く語り合います。
過去に別の音声メディアで公開していたトークのバックナンバー(#000〜#015)や、それぞれのブログ、noteは「いまのたかの」のホームページをご覧ください。ラジオでは語りきれないところを補足しています。
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#197 起業した頃を振り返ると・・

組織ラジオ  いまのたかのJul 24, 2024
00:00
29:10
#241 エグゼクティブコーチの4つの視点ーマネージャーの1on1にも役立ちます
Jun 04, 202520:00
#240 SOC理論〜失ったものをそのままにしない

#240 SOC理論〜失ったものをそのままにしない

前回のジョブ・クラフティングの話題の最後にSOC理論という単語だけが飛び出しました。今回はSOC理論について。

一般的に考えてシニアは衰えて、若い頃にできていたことができなくなる、つまり一方的に喪失していくと考えがちです。努力しなければ失う一方なのですが、努力の仕方によっては失うものを補い、新たな価値を獲得することが可能になります。

そこで提唱されているのがSelection(選択)、Optimization(最適化)、Compensation(補償)の3つの要素に基づく戦略です。

「選択」は、それまで追いかけてきた目的や目標から新たな目的・目標に絞り込むことです。現状の自分と向き合ってパラダイムを変えれば絞り込むべき目的・目標が見えてきます。若い頃のように何にでもチャレンジするのではなく、チャレンジする目的・目標を絞り込むのです。

最適化とは、目的・目標が絞り込めたら、その達成のために自分が持つ資源を最適に配分し直すこと。例えば絞り込みによって生まれた時間を、絞り込んだ目的・目標を達成するための能力やスキルの向上に集中的に振り向けるのです。

補償とは、失ったものをそのままにせず、人の力を借りたり、テクノロジーを利用して補うことです。

こうすればシニアには新たな目的・目標が生まれ、それに向かって成長し、失ったと思っていたものも補完できるのです。そこで大切なことは、失ったものをそのままにしないことなのです。

シニア個人の話をしていましたがシニアでなくても、予期せぬ出来事で何かを失ったときにも、この考え方は有用です。個人ではなく組織においても、例えば退職によってエースを失ったとき、リーダーだけでなくチーム全員でSOC理論で考えてみると道が開け、組織が成長し、より強くなるのではないでしょうか。


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May 29, 202521:32
#239 “自信と勇気と活力”をもたらすジョブ・クラフティングの3つの視点

#239 “自信と勇気と活力”をもたらすジョブ・クラフティングの3つの視点

前回まで、シニアを「活躍し続ける人材」にするための講義リストについてお話ししてきました。その中で、まず自分のキャリアを棚卸して、自分の価値を再定義してみることをお勧めしました。今野の連想は止まりません。ジョブ・クラフティングが思い浮かびました。

ジョブ・クラフティングはシニアに向けたものではありません。自らが主体的に取り組むことで仕事をやりがいのあるものに変化させる手法です。ジョブ・クラフティングは3つの視点で行います。

  1. ​業務クラフティング
  2. ​人間関係クラフティング
  3. ​認知クラフティング

実は26年間のうちに開発した研修(ワークショップ)の中に、バラバラですが、この3つのワークがあったのです。それは600社を超える実績を持つ組織変革コンサルタントとしての今野のブレないコンセプト「人と組織に自信と勇気と活力を!」を実現する手法でもあったのです。今野は「あの3つのワークを合わせればジョブ・クラフティングになるんだ」と今になって気づいたのです。そしてそれがどの年齢層にも当てはまるワークだけれども、これからの日本のシニアにとってとても重要になるということにも気づきがありました。

今回は、今野が行ったワークショップを実例として上げながら、ジョブ・クラフティングの3つの視点について語りました。


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May 21, 202516:06
#238 シニアが“活躍し続ける人材”になるための講義リスト Part2

#238 シニアが“活躍し続ける人材”になるための講義リスト Part2

前回に続き、今回も今野が作成した講義のリスト案をネタに話しました。(話してみると、シニアに限らず、若い人たちにとっても大切な話になっていました。)

前回はリストが「起承転結」になっているとして「承」にあたる第2講を取り上げましたが、今回は「転」の結びとなる第7講についてです。

「シニアが“活躍し続ける人材”になるための講義リスト(案)」

第2講では「自分の価値を再定義する」としました。これは過去の自分を振り返り、現在の自分の価値を再定義するという内容です。第7講は転じてそれを未来に向け、「自分は何者になるのか」という話。

再定義した自分の価値を認めることで自己肯定感が上がることは大切です。しかし未来に向けるには、社会との接点を持ち、自分の価値を社会でどう活かすのかに転じていくことが重要です。

そのためにゴール設定して、自分の目標を定め、その目標に向かうための「健康習慣」「学習習慣」「対話習慣」の3つの習慣を身につけることです。なぜこれが大切なのか。それを語っています。ぜひお聴きください。


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May 15, 202522:29
#237 シニアが“活躍し続ける人材”になるための講義リストを作ってみた

#237 シニアが“活躍し続ける人材”になるための講義リストを作ってみた

前回はShared LeadershipとCo-learningがシニア人材の活躍に役立つ重要な要素ではないかという話でした。

今野は、それでは「もしシニア人材を活かす講義をやるとしたら」と思考実験してみました。結果は8回に渡るシリーズの講義リストに。

そのリストは、こちらのリンクから見ることができます。

「シニアが“活躍し続ける人材”になるための講義リスト(案)」

ぜひこのリストをご覧になりながらお聴きください。

8回シリーズの中で今回は第2回を掘り下げました。言うなれば起承転結の「承」の部分になります。

人生100年時代と言われ働く年齢が長くなっただけでなく、技術革新、価値観の多様化など激動の時代にシニアになった人たちにとって、まず大切なのはキャリアの棚卸しをして自分の“価値”を再定義するところから始めることではないでしょうか。

今回は起承転結の「承」、次回は「転」のアンカーとなる第7回を掘り下げる予定です。


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May 07, 202517:38
#236 シニア人材を活かすShared LeadershipとCo-learning、そして・・

#236 シニア人材を活かすShared LeadershipとCo-learning、そして・・

前回は、変化の激しい現代のマネジメントとしてShared LeadershipとCo-learningについてお話ししました。今回はそこからさらに連想を広げ、その二つは実はシニア人材の活かし方、活かされ方にも有効だろうという話に展開しました。

人生100年時代。会社も個人もこれまでの考え方から抜け出せていないように見えます。それは多くの経験を積んだシニアが後輩に“教える”という構図です。しかし前回のこの番組で触れたように、今や経験を積んでいる者が正しい時代ではありません。

その点、シニアも若者も、それぞれが得意なことについてリーダーシップを取るというShared Leadership、老いも若きも学び合うというC oーlearningが文化として根付いていれば、シニア人材を活かすことができます。それは企業とシニア個人にとってWin-Winの関係です。

ただこの文化は一朝一夕には根付きません。その間もシニア世代は流動します。例えば大手企業の役職者が中小企業に招かれるというケースは今も多く見受けられます。残念ながらミスマッチも少なくなさそうです。そうであるなら、長年在籍していた会社にとっても、シニア個人にとっても、さらにシニアを受け入れる中小企業にとっても三者がWinになる打ち手はないか。

今回はそんな打ち手のアイデアにまで言及しました。


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Apr 30, 202520:20
#235 変化が激しい時代のShared LeadershipとCo-learning

#235 変化が激しい時代のShared LeadershipとCo-learning

松下村塾における吉田松陰の教育が、実は現代の組織マネジメントに通じているという話からスタートしました。

環境変化が激しくなく、日本経済が一直線に成長していた高度経済成長期やバブル期。企業におけるリーダーシップはリーダーの経験に依っていました。メンバーもリーダーと同じ道を歩みますから、リーダーが経験から言う言葉や指示は概ね正しかったのです。

しかし社会の変化が激しく、次々に新しいテクノロジーが生まれる現在、経験だけではリーダーシップが取れなくなりました。リーダーが知らない知識やテクノロジーが次々に出現します。そして往々にしてこうした新しいものは若いメンバーの方が詳しいのです。こうした激変する環境に置かれた時代のリーダーシップとはどうあればいいのでしょう?

幕末もまた既存の価値観がひっくり返ってしまう激変する環境でした。そこで日本の次世代リーダーを輩出した松下村塾における吉田松陰の教育の根幹は「先生が教える」のではなく、「上下関係を取っ払い、その分野が得意な人が先生になり、互いに学ぶ」という考えでした。つまりそれぞれが探索してきた新しい知をみんなで学び探求したのです。

これを現代の企業組織に当てはめると、課長にもわからない新たな知識や経験は、課長の権威を下手に守ろうとせず、それを持っている若いメンバーにリーダーをやらせることです(Shared Leadership)。そしてそこでは課長も含めてみんなで議論し学びます。得意な分野があれば、課長も含めて他のメンバーがリーダーとなりお互いにみんなが学ぶのです(Co-learning)。

こうすることで経験だけでは解決できない課題を大胆に解決していくのです。そう考えるとVUCAの時代と言われる現代の様相は、幕末の日本と同じなのかもしれません。

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Apr 23, 202517:44
#234 ちゃんみな・栗山英樹・吉田松陰・孟子、人材育成の真理とは

#234 ちゃんみな・栗山英樹・吉田松陰・孟子、人材育成の真理とは

前回は、もはや社会現象ともなっているラッパー、シンガーのちゃんみながプロデュースしたオーディション“No No Girls”の話題になりました。そのオーディションでのちゃんみなのフィードバックが素晴らしいという話題でした。

高野はさっそく“No No Girls”のYouTubeアーカイブを視聴。その人間ドラマに感動するとともに、ちゃんみなはフィードバックだけでなく人材育成というスコープでも素晴らしい言動・行動をしていると感心しました。

ちょうど同じ時期にNHK「歴史探偵」で吉田松陰の教育をテーマにしていました。松蔭が27歳から処刑される30歳までの2年半の間開いていた松下村塾。なぜこの若さで、この短期間に、明治維新のリーダー、志士たちを輩出することができたのでしょう。

その番組に登場する元WBC日本代表監督の栗山英樹さんは松蔭の言葉を大切にして選手を育成してきたと言います。この番組を見ると、吉田松陰と栗山監督はもちろん、ちゃんみなにも通底する人材育成の極意があるのです。それは今から2300年前に孟子が言っている言葉だったのです。

孟子からちゃんみなまで、そこに共通する人材育成の真理とは何でしょう?


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Apr 16, 202518:20
#233 若者たちの理想の上司“ちゃんみな”に見る理想のフィードバック

#233 若者たちの理想の上司“ちゃんみな”に見る理想のフィードバック

前々回は認める、承認する。前回は褒める、称賛する。いずれもその本質について語ってきました。期せずして「上司の行動三部作」になりますが、今回はフィードバック(以下、FB)についてです。今回もテクニックは書籍などに譲って、その本質を語ります。

FBは常日頃からするものですが、話を単純化するために半年に一度の評価面談の1on1で行われるFBで考えてみました。実はその1on1の30分〜1時間は、例えて言えばサンドイッチの中身。そもそもそれを挟むパンがなければサンドイッチにはなりません。 1on1の30分の中身を挟んでいるパンに当たるものとは何でしょう?

ひとつは、その30分以前に、日頃よく見てくれている、そして自分を育てようとしてくれているとメンバーが感じる“信頼”です。これがないと30分の中身は空虚になります。

もうひとつは30分の最後に伝えられる“期待”です。これがあるから困難にも立ち向かおうというモチベーションが生まれます。

この二つに挟まっているからこそ、中身に当たる30分間に率直なFBが成立するのです。

今、若者たちの間で「理想の上司」と言われている26歳のシンガーでありラッパーである“ちゃんみな”。「理想の上司」と言われるようになったのは、彼女がプロデューサーを努めるガールズ・グループ・オーディションからでした。オーディション参加者に対する彼女の接し方や言葉、そして何よりその姿勢。今野から見て彼女は合格する人にも不合格の人にも「理想のフィードバック」をしているのです。だからこそ「理想の上司」と言われるのでしょう。彼女の行動に見える「理想のフィードバック」の要素を解説します。

こちらにオーディションを追ったYouTubeのリンクを貼っておきます。この中にちゃんみなの珠玉のフィードバックが残されています。全部で16本の映像です。その中のいくつかだけでもぜひご覧ください。「フィードバックの生きた映像教材」です。

No No Girls Episode

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Apr 09, 202520:10
#232 褒めることの本質はどんな「基準」を持つかにある

#232 褒めることの本質はどんな「基準」を持つかにある

前回から「承認」に続いて「称賛」つまり褒めることをお話ししています。

褒め方、つまり褒めるテクニックについては多くの書籍が出ています。しかし、今野がクライアントの大勢のメンバーにインタビューした経験によれば、褒められる側のメンバーはテクニックだけでは空々しいと感じ、さらには上司は褒めているつもりなのにメンバーは褒められていないとさえ感じていることが多いのです。

褒めるとは何かの基準を超えた時に起きることです。基準を間違えていたら、褒めたつもりでも褒めたことになりません。

仕事の基礎と、人としてどうあるべきかの2点については「一般的な基準」があります。その基準に照らして、よくできた時に褒めます。しかし基礎が身についてきてからは「一般的な基準」がありません。個々人の「なりたい自分」が基準になるのです。つまり十人十色、百人百葉。にもかかわらず、多くの上司が「自分の成功体験」をたったひとつの基準にして全員に強いてしまっていいます。どんなにテクニックを使っても、これでは褒められたとは感じないことが多いのです。「仕事の基礎」ですら変化していてアップデートが必要な時代です。何を基準に褒めるのか、その基準を持つために何をすればいいのでしょう。


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Apr 02, 202517:25
#231 褒める以前に承認はできていますか?
Mar 26, 202521:23
#230 “部長研修”の要素はVUCAへの組織的対応の鍵だった
Mar 21, 202519:15
#229 組織変革成功の鍵「プロセスを意識する」〜シナリオの要となる3つの理論 Part 2

#229 組織変革成功の鍵「プロセスを意識する」〜シナリオの要となる3つの理論 Part 2

前回は組織変革成功の鍵として、K・レヴィン、S・ロビンスの理論を取り上げました。今回はその続編としてJ・コッターを取り上げます。

レヴィンの「解凍→変化→再凍結」を知ることで、実行中の組織改革の現在地を知ること、ロビンスの「変革への11の抵抗」を知ることで現在起きている抵抗を理解することが前回の内容でした。

続いて今回はコッターの「抵抗への6つの対処法」についてお話ししています。いよいよ対処法です。羅列すると、1.教育とコミュニケーション、2.参加と関与、3.支援と促進、4.交渉と合意形成、5.操作と協力、6.明示的・暗示的な強制です。

このラジオで全てを詳細に語ることは時間的に無理ですが、できるだけわかりやすく具体的に語っています。

そして大切なことは、これらの理論が机上の空論ではないことを今野は豊富な組織改革コンサルタントとしての経験を通して、高野は何社もの中からの改革者として活動を通して、2人とも実感し、今に生かしていることです。

それはこれらの理論が皆さんの実践でも使える有力な証左だと思います。ぜひこれを機会に3つの理論を知ってください。


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Mar 12, 202517:53
#228 組織変革成功の鍵「プロセスを意識する」〜シナリオの要となる3つの理論 Part 1

#228 組織変革成功の鍵「プロセスを意識する」〜シナリオの要となる3つの理論 Part 1

様々な企業で「組織変革をしよう!」という掛け声は上がります。しかしプロジェクトが単発で終わってしまい、変革は成し遂げられずじまいという例は多いものです。

組織変革は単発の取り組みで実現できるものではなく、プロセスを意識し、先を読み、シナリオを描き、常に現在地を意識しながら進めることが肝要です。

プロセスの理解、シナリオの作成のベースとなる理論を3つご紹介します。

ひとつは社会心理学者K・レヴィンの変革マネジメントモデル、すなわち「解凍→変化→再凍結」です。現時点はそのプロセスのどこにいるのかを明確に自覚すること。3つのステップはそれぞれやるべきことが異なるのです。

2つ目は組織行動学者のS・ロビンスによる変革への11の抵抗。変革を進めると起きる個人の抵抗と組織の抵抗を理解すれば変革プロセスの中で何が起きているのかが理解できます。さらにあらかじめどのような抵抗が起きるかを予測できるので、それに備えたシナリオを書くことができます。

この2つを知り、意識して進めるだけでも変革プロセスの解像度とシナリオの実効性が上がって組織変革は成功に近づくでしょう。

さらに3つ目としてJ・コッターの名前が出たところで今回は時間切れ。次回はPart 2をお話しする予定です。

まずはPart 1をお聴きください。


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Mar 05, 202516:52
#227 コンセプチュアルスキル(概念化能力)を身につける二つの方法
Feb 26, 202516:59
#226 企業理念3つのポイント
Feb 18, 202512:22
#225 360°評価で経営課題を出し切る方法

#225 360°評価で経営課題を出し切る方法

今野は様々な企業で役員陣に対する360°評価をもとにした役員陣のレベルアップとチームビルディングをしてきました。そのとき、数値で評価する評価項目と、それとは別にその役員の「長所」「改善点」「今後の期待」の3つについて自由記述をしてもらっています。

大企業の場合は、役員を評価する評価者は通常、事業部長や部長など管理職にします。その役員とほとんど接点を持たない社員層にまで広げると印象評価にしかならないためです。

一方、100人規模くらいまでの中小企業の場合、社員全員に評価をしてもらいます。このとき「今後の期待」の自由記述欄に面白い現象が起きます。

問いはその役員個人に対する期待を聞いているのですが、個人ではなく会社や経営に対する不満や期待、提言などが書かれるのです。社員が部長や課長の評価をつけるときとは明らかに違います。

しかも何の制約もつけていないため、そこに書かれていることは経営視点から現場視点まで、未来のことから目前のことまでと、とても広い空間と時間で自由に語られるのです。

役員陣がそれを正面から受け止めようという覚悟を持っていれば、それは生の声による経営課題の抽出になっており、経営にとって宝の山となります。


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Feb 12, 202517:15
#224 【追悼】野中郁次郎先生 Part2 「失敗の本質」から
Feb 05, 202517:44
#223 【追悼 】野中郁次郎先生
Jan 30, 202517:46
#222 “ゼロベース思考”に切り替えるための問い

#222 “ゼロベース思考”に切り替えるための問い

事業(企業)が成熟期を迎えると次に来るのは衰退期。

そこで衰退期に入らず、再成長期に向かうためには過去からの延長線上ではなく、あえて“ゼロベース思考”をしてみることが役立ちます。

「ゼロベースで考えてみよう」という言葉はよく耳にしますし、私自身もよく使う言葉です。しかしそう言っているだけでは自分の頭はゼロベースにはなってくれません。ゼロベースに切り替えるにはそのための問いが必要です。

例えば、すでに安定化した企業グループを再活性化するためにグループビジョンを考えるとしましょう。そこで「グループ各社がグループから独立した会社だったら、それぞれの会社はどんなビジョンを掲げるだろう?そして各社はグループやグループの他社に対してどんな支援を期待するだろう?」と考えてみます。この問いによってグループの一員であるという既成概念と視点から離れ、ゼロベースで視ることができるようになります。

組織も個人も、思った目標に届かない時には懸命に考えるものですが、標準化されたやり方で安定的に目標を達成できるようになると考えようとしなくなります。

そんなとき、自分や自分の組織に“ゼロベース思考”に切り替える問いを工夫して立て、自分にその問いを投げかけてみましょう。それはきっと衰退期ではなく、再成長期へのきっかけとなるでしょう。


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Jan 21, 202517:25
#221 生産性を上げる“攻めの休養”〜させてますか?してますか?
Jan 15, 202517:37
#220 一年の計 3つの習慣
Jan 08, 202522:22
#219 スランプ脱出とリフレクション

#219 スランプ脱出とリフレクション

スランプが起きるのは良いときがあったからこそです。

そうであるだけに良いときのやり方にこだわってしまうことがあります。確かにフォームが崩れているのであれば元のフォームに戻すことがスランプ脱出に有効でしょう。

ところがそれではうまく業績が戻らないことが往々にしてああります。それは、以前はうまくいっていたやり方が通用しなくなっているケース。元のフォームに戻してもパフォーマンスは戻りません。

スランプに陥ったときに大切なのはリフレクションです。それも“以前のやり方に戻すための点検”だけでなく、もっと俯瞰して“自分が良いと思っているやり方が今も通用しているのかどうかを振り返る”という視点も兼ね備えることがスランプ脱出の鍵となります。

そしてそれは個人にとどまらず、チームや組織にも当てはまります。うまくいっていた戦略を繰り返しても思うような結果が出ないとき、チームを上げて思い切ったリフレクションをすることをお勧めします。


2024年もこの番組を1年間継続することができ、200回を超えることができました。これもひとえにリスナーの皆様のおかげです。

心より御礼申し上げます。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

良いお年をお迎えください。


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Dec 25, 202415:45
#218 今さら聞けないOKRとKPIの目的と役割の違い
Dec 20, 202417:52
#217 この仲間となら成し遂げられる=集団的効力感を高める方法
Dec 20, 202416:47
#216 【実例】文化を創るためにすぐできる方法

#216 【実例】文化を創るためにすぐできる方法

組織にトップが望む文化を創りたいと思っても具体的にはどうするのでしょうか。

今回は、その実例のひとつをご紹介しています。

文化を創るためには大きく3つの方法の組み合わせでしょう。

①トップが繰り返し実行することで、メンバーの模倣を促す

②組織の行動の中で繰り返し行われることに、その文化を埋め込む

③カルチャー・コードと言われる、わかりやすく、受け継がれやすい言葉を創出し、職場で繰り返しその言葉が使われる状態を創る

今回はこの中で特に②に注目しました。

実例として挙げたのは、地味ですが確実で効果が高い方法。その会社は「時間を大切にする」という文化を創るために、「時間を大切にすること」が繰り返し実行されるように、定例会議の在り方を、意図を持ち意識的に設計し、強い気持ちで実行しています。

キーポイントはその覚悟とそれに伴って、慣例にとらわれず大胆に会議の在り方を変えていること、「時間を大切にする」ことについて当事者意識を持たせるようアジェンダの優先順位付けをファシリテーターの仕事と位置付けていることでしょう。

この施策は「時間を大切にする」ということ以外にも広く応用でき、しかもすぐに実行できる方法です。

ぜひご参考にしてください。


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Dec 04, 202416:04
#215 人的資本経営の本質は個人にある
Nov 27, 202416:53
#214 “挑戦したくなる土台”はどうやって作るのか

#214 “挑戦したくなる土台”はどうやって作るのか

社員が挑戦する会社にしたいという経営幹部の要望をよく聞きます。曰く「ウチの社員は挑戦心が足りない」と。

そこでMVVに掲げたり、スローガンにしたり、評価制度に盛り込んだりしているのですが、暖簾に腕押し。なかなか社員は挑戦の重い腰を上げません。

そういう会社を観察していると、いくつかの共通点が見えてきます。

そのひとつはせっかくMVVや人事制度を作っても、そもそも挑戦しようという心を打ち砕き、折ってしまう言動や行動をトップや上司がしていることです。しかもトップや上司はそれに気づいていません。まずそれに気づき、挑戦心を一瞬で折ってしまう言動、行動をやめることから始めましょう。それはどんな言動、行動なのでしょう。

それができたらその上に「挑戦したくなる土台」をコツコツと築き上げていきます。残念ながらMVVや人事制度だけではその土台はできないのです。土台ができていなければ、MVVも人事制度も文字通り砂上の楼閣です。それではその土台はどうやって築き上げるのでしょう。

今回はコーチングやコンサルの現場から原理原則とともに、具体的な実例をお話しています。

この番組はSpotify for Podcastersのほか、AppleのPodcastでもお聴きいただけます。

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Nov 20, 202416:50
#213 ビジョンワークショップの実例〜その過程を通じて“Our Company”が実現する
Nov 13, 202417:59
#212 “愛するということ”  愛の定義をさらに深める
Nov 06, 202415:32
#211  “愛”は行動にブレークダウンし定義する

#211  “愛”は行動にブレークダウンし定義する

マネジメントについて考えるとき、特にマネジメント研修などをしていると“愛”が大切だという話になることが多くあります。

確かに“愛”は大切なのですが、“愛”という言葉はBig Wordです。意味するところが広く、大きく、抽象的。しかも中間管理職の“愛”の対象は部下に限定して考えられがちですが、実はとても多岐にわたっているのです。

そのため“愛”という言葉のままでは行動に結びつきません。“愛”を実践するためには、まず“愛”の対象を整理し、“行動”にプレークダウンして定義することが大切です。

今回はそのブレークダウンの例も挙げました。また、さまざまな対象に対する“愛”の共通点は、「良いところを探す」ということになりそうです。


この番組はSpotify、Apple、GoogleのPodcastでお聴きいただけます。

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Oct 30, 202416:31
#210 真の退職理由は部下の信頼を裏切ってしまう上司の行動
Oct 24, 202417:19
#209 課長の最も大事な仕事〜実務編
Oct 16, 202416:42
#208 課長の最も大事な仕事
Oct 09, 202415:40
#207 経営者の成長を阻む5つの要因
Oct 02, 202415:37
#206 心の筋肉のトレーニング
Sep 25, 202415:40
#205 今さら聞けない「チームワークってなに?」
Sep 18, 202416:42
#204 サクセッション・プランは各階層に
Sep 11, 202415:31
#203 スーパージェネラリストの根幹は「自己限定しないこと」
Sep 04, 202417:58
#202 スーパーゼネラリスト〜7つの知性の垂直統合
Aug 28, 202416:60
#201 総理大臣は究極のゼネラリスト
Aug 21, 202415:42
#200 『組織ラジオ』の原点 “組織”の醍醐味とは

#200 『組織ラジオ』の原点 “組織”の醍醐味とは

おかげさまで、無事に第200回を迎えることができました。

2020年8月19日に第1回「30人の壁って何?」をお話しして以来、ちょうど4年。207週目に200回を迎えました。

スタートしたときはPodcastの収録方法も公開方法もわからず、ツクルバの若者たちの力を借りました。しかも対面で話して収録していたため、毎週神田神保町のカラオケボックスで録音していました(笑)。それが200回も続いたことに、誰よりも自分たちが驚いています。

今では北見と八ヶ岳の間でzoomで収録し、音源だけをPodcastにして公開するという技も覚えました。

そんな今回は、そもそも2人が“組織”のどこに面白さや醍醐味を感じているのかという話題です。その魅力があったからこそ200回続いたのだとも言えますし、組織作りや組織改革の核心であるとも言えます。


さて来る9月18日(水)夜、東京のどこかでリスナーの皆さんと私たち2人でオフ会をしたいと考えております。大掛かりなものではなくみんなで語り合えればと思っています。すでに参加希望の方からもご連絡をいただいていますが、これからでも参加してもいいなと思われる方は今野でも高野でも、直接メールなりメッセージなりでご連絡ください。


この番組はSpotify for Podcastersのほか、Apple、GoogleなどのPodcastのプラットフォームでお聴きいただけます。

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Aug 14, 202427:39
#199 日本フェンシング協会に経営を学ぶ
Aug 07, 202416:59
#198 ジョハリの窓・広報の真髄、そして天日干し経営

#198 ジョハリの窓・広報の真髄、そして天日干し経営

ジョハリの窓は自分が知っている自分・知らない自分、たにんが知っている自分・知らない自分のマトリックスで、自分も知っているし他人も知っている「開放の窓」をおおきくするよう努力することで周囲との関係性を良くするという考え方です。
これを企業に当てはめると企業広報の真髄です。そしてそれは村井満氏の「天日干し経営」にも繋がる考え方だとかんがえられます。
そしてこのことこそが企業のブランドを構築するのです。

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Jul 30, 202415:12
#197 起業した頃を振り返ると・・
Jul 24, 202429:10
#196 誰にでも起きて誤りを誘発する心理現象 認知バイアス

#196 誰にでも起きて誤りを誘発する心理現象 認知バイアス

今回は部下の指導にあたって認知バイアスのひとつである確証バイアスに陥っている上司の例からスタート。

ひとつの大きなミスをした部下について「仕事ができないやつだ」と思い込んでしまい、良いことがあっても目に入らないという状態です。心理現象によって「思い込み」が起きてしまうため、本人は気づきにくいのです。これに対するコーチからの質問は、確証バイアスから自身で離脱するためにとても参考になります。

続いて話は個人から組織改革へ。ここでは現状維持バイアスという心理現象に今野も高野も数多く直面してきました。

トップが組織を改革しようとすると、必ず出てくる反対意見。もちろんその全てがバイアスがかかったものではありません。しかし現状維持バイアスがかかった状態の意見には注意が必要です。そもそも心理現象が影響しているので合理的なようでいて合理性を欠いた意見なのです。だから合理的な説明によってある程度は解決するのですが工夫が必要です。

番組の最後には、誰にでも起きるこの心理現象から逃れるためのアイデアにも触れています。

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Jul 17, 202429:42
#195 人生企画書と計画的偶発性理論、そしてキャリアアンカー

#195 人生企画書と計画的偶発性理論、そしてキャリアアンカー

前回は今野が開発した人生企画書について語り合いました。

この世に生を受けてから現在までのバイオリズムとターニングポイントを振り返ることで自分の価値観や信念、生き様を知る前半部分と、なりたい自分を描き、そこからバックキャスティングで思考してこれからの人生を企画する後半部分からできています。

この後半部分はクランボルツ氏の計画的偶発性理論と矛盾するのでしょうか?計画的偶発性理論は偶発的な出来事や出会いがキャリアに影響を与えるという理論ですが、氏は、だからこそ、出来事や出会いなどの機会を増やすよう計画的(意図的)に行動することが大切だとしています。

しかし無闇に行動しても機会を掴むことはできません。人は見たいものしか見えないし、聞きたいことしか聞こえないのです。そこで大切なのが仕事において最も大切にする価値観、すなわちE・シャイン氏のキャリアアンカーなのではないでしょうか。見たいもの、聞きたいことが明確になれば出来事や出会いの自分のキャリアにとっての意味に気づき、それを機会とすることができるでしょう。

そう考えると人生企画書は過去を振り返る前半部分でキャリアアンカーを発見、または再発見しようとしているのかもしれません。

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Jul 11, 202427:41
#194 「人生企画書」のススメ

#194 「人生企画書」のススメ

今野が開発した「人生企画書」。

今野自身が10年前に書いた自分の人生企画書を読みなおす機会がありました。

人生企画書は、この世に生を受けてから現在に至るまでのバイオリズムをグラフにし、さらにその間の「人生のターニングポイント」を3つ挙げます。そしてそのターニングポイントにおけるフォロワー、すなわちそのターニングポイントで自分に決定的な影響を与えた人からどんな気づきを得て、どんなことを学んだのかを書きます。

手を動かし、文字に起こすことで自分の中核となっている価値観が明確になります。そしてそれをもとにこれからどんな人生を過ごすのかを企画するのです。この人生の企画立案に際しても、ある工夫があります。

ここまでは個人としての人生企画書ですが、これをチームメンバーで共有することで、究極の相互理解が起こり、強力なチームビルディングにもなります。

まずは個人で人生企画書を書いてみませんか?


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Jul 03, 202425:58
#193 完璧な管理職でなければならないという“錯覚”
Jun 26, 202429:25
#192 もしも社長に抜擢されたら
Jun 19, 202426:05