
みちくさのみちpodcast 〜図書館×歴史〜
By negadaikon
なお、発信内容は個人の見解に基づくものであり、所属する組織や団体とは関係がありません。
※こんな方におすすめかと思います・・・人文系の学部・研究科等に所属する大学生・大学院生、これから人文系の学部に進学しようかと思っている受験生、研究者、教員、図書館で働いている人、図書館で働きたいと思っている人、日本史に限らず人文系の研究領域に関心のある方。
番組へのご意見・ご質問、取り上げて欲しいテーマなどがあれば以下よりご送信ください(ウェブページのリンクにもフォームのリンクを貼ります)
docs.google.com/forms/d/1KQIrTn4XpwSwErUIZGErLKODKiNMfk-LR-wqMmMYM1o/edit
BGM:お気に入り図書館(by MAKOOTO) dova-s.jp/bgm/play16559.html


#51 出版史から見た坪谷善四郎
日本出版学会の『出版研究』55号(2024年度)に「出版史から見た坪谷善四郎」という論文を発表しました。
坪谷善四郎の史料/坪谷の経歴/論文の課題/史料がどう伝わったか/名家の書簡/貴重な日記/絵葉書の情報/セルフアーカイブに熱心だった坪谷/三康図書館蔵書との関係/出版史の理解を深める/出版史における編集者の役割/編集の歴史と史料

#50 NDLに行こう
学生と一緒にNDLに行った話です。卒論で活用して欲しい機能も
50回御礼/学生と図書館見学/国立国会図書館(NDL)に行く/納本制度/利用者登録/資料請求、受取、複写まで/一生に一度はマイクロリーダを使って欲しい/鞄を持って入れない/あらかじめ検索した資料をカートに入れて出かける/いかに時短するか/展示スペース/デジタルコレクションの威力/知り合いに会う/遠隔複写を頼む/レファレンスルーム/今の場所との共通点/大学生は図書館資料をどう使うか

#49 読書装置と知のメディア史
新藤雄介『読書装置と知のメディア史』の書評を書きました。
どんな本か/明治の書籍館、大正時代の文庫、昭和の読書会まで/本書の狙っていること/「読書装置」という概念/権力への抵抗/新聞とオーラル/学校からの政治の排除/学術研究と運動の矛盾/小学校の校舎の図書室/これまでの歴史から零れ落ちるもの/研究の難しさ/書物以外のメディアとの関係/石川県の読書会史料

#48 ニューヨーク公共図書館〜エクス・リブリス上映会
学生とワイズマン監督「ニューヨーク公共図書館~エクス・リブリス」の上映会をしました。その感想と考えたことについてです。
3時間半を超える映画/2019年の公開を今の大学生と見る/講演会、演奏会、幹部会議/『図書館情報学事典』も参照しつつ…/頑張ろうという気持ちになる映画/誇り高き図書館員たち/私の好きな場面/黒人文化研究図書館での議論/学生たちの感想/10年先を考えた議論/新しいことが普通になったとき、これまでの取り組みが忘れられていく/図書館好きだった子が図書館から離れていく?/特別コレクションのある図書館/専門資料のある場所についてもっと語る必要/学生の図書館イメージを変えていく/図書館は人

#47 ゲーテはすべてを言った
鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』(2025、朝日新聞出版)を読みました。
帰省先で買った本/登場人物のいかつい名前/芸亭?/作中のwebサイトが本当に作ってある/小林秀雄の全集読みのすすめ/「ゲーテはすべてを言った」とは/言葉探しは学者の本分です、でもね…/大学教員の解像度/これは図書館のレファレンスである!/「天に星、地に花、人に愛」の出典/樗牛はすべてを言った?(笑)/東京ゲーテ記念館のサイト/統一は名言サイトに辿り着く/剽窃と引用/人文学において引用とは何であるのか/大学生に読んで欲しい本

#46 日本の歴史を教えながら考えたこと
前任校で「日本の歴史」の集中講義をしてきました。自分にとってはとても良い勉強(復習)の機会でして、そこで考えたことなどお話しております。
4日間の集中講義/教科書は読み通しづらい/オーディブルで読んでくれる歴史/背景がわかるとおもしろい/先入観と実態/説明が弱いところはどこか/人、史料、統計を加える/なんで歴史を勉強するのか/歴史は書き換えられる/生成AIの嘘/一人で説明する危うさ/わかりやすさは古くなる/高校と大学の知識の断絶を埋めるには/文庫本や新書の通史シリーズを読む/全ての歴史は事実を選んでいる/教科書に帝国図書館は出てこない
参考文献はnoteの記事も合わせてご覧ください
https://note.com/negadaikon

#45 おきざりにした悲しみは
原田宗典『おきざりにした悲しみは』(2024、岩波書店)を読みました。
6年ぶりの新作長編小説/小平市の65歳男性と同じアパートに住む姉弟の物語/モデル問題/「長坂誠の朝は早い」/物語を彩る音楽/昭和の心を忘れちゃいけないよね/天才になり損ねた男/奇跡のような展開が心地よい/父親の喪失/令和版「男はつらいよ」?/それでも時間は流れてゆく
作品特設サイト
https://www.iwanami.co.jp/book/b653723.html
おたよりフォーム
https://forms.gle/yZFRURnizUMRkMiY9

#44 目録を編む
『坪谷善四郎関係資料目録―新潟県加茂市立図書館所蔵―』を刊行しました。
※古本をめくる音がノイズになってしまっています。ご容赦ください。
資料目録を作った/22年越しの実現/博文館の坪谷善四郎/歴史学者とは何をするのか/学生の協力を得る/くずし字を読む/『大東京町名早わかり便覧』から地名を解読する/『郵便消印百科事典』から年代を推定する/編集者から見た近代日本の文化史

#43 ノートを取る話
もっとノートを取ってもらおう/アクセス可能な情報が増えている/読書ノートの記事/読書記録は大事/researchmapに載せていた資料がたくさんダウンロードされている/大学の板書/復習して考える材料を書き溜める/20年前のノートから授業内容を復元する/昔の学生のノート/脱線や板書しなかったことから内容を思い出す/『アカデミック・スキルズ 大学生のための知的技法入門』における授業ノート「傾向と対策」/友人に回覧されていた/アナログへの回帰
関連情報
小島よしおが「本」をたくさん読む理由 「読書が栄養になって、個性につながっていく」
https://dot.asahi.com/aerakids/articles/-/247579
『アカデミック・スキルズ 大学生のための知的技法入門』第3版
https://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=5128

#16 点と線
高校生から大学生になったときに迫られた(?)勉強観の転換に関する話です。
学生との読書会から/固有名詞に苦戦する/穴埋めと論述/受験科目と専門の講義/足りないものを自分で補う方法/オープンキャンパスで高校生を前にして/単語から文脈を回復すること、点を線にすること

#42 近代日本のショーペンハウアー翻訳受容史
拙稿「媒介者としての姉崎正治:『意志と現識としての世界』受容小史」『ショーペンハウアー研究』第29号(2024年12月)の紹介をします。
年末におたよりフォームを作りました/論文の紹介/姉崎正治という人/なぜ『ショーペンハウアー研究』か/2023年度学会大会の成果/翻訳する人・姉崎/日本におけるショーペンハウアー受容史/訳文の特徴/検索と表記揺れ問題/大正時代以降の受容の特徴/帝国図書館所蔵ショーペンハウアー本の受難/図書館本に落書きする読者/議論の根拠づけに採用

#41 研究とPR
なぜ配信するのかについて少し振り返ってみました。
40回を迎えて~年間20回更新が限界?/Youtubeチャンネルの使い道/質問回答ウェブサービス/おたよりフォーム、作るべきか?/研究成果を知ってもらうために/ホームページを見ている人に話しかけられた/図書館総合展!/図書館のサインの話/研究の成果と意義とを発信/PRとは/関係の築き方/ファンよりもアンチの方が内容をよく読む?/やっぱりおたよりフォームあった方がいいのかも/

#40 〈憧憬〉の明治精神史について
私の博士論文/<憧憬>とは?/明治期における「美術」の語り方と「美学」の誕生/高山樗牛・姉崎嘲風におけるドイツ哲学の受容/日清戦後における<憧憬>の萌芽/世紀転換期における<憧憬>の精神/日露戦争期における<憧憬>のゆくえ/全集の史料批判/雑誌メディアの研究が便利になるなかで/周辺人物にも分析を広げる/いろんな形態の資料を探す/読者―「誌友交際」ネットワークの研究

#39 博覧強記とインターネット
前回の続き…/脱線も「ノイズ」?/最短でゴールに着くために人の話に耳を傾けるのは無駄か/人の話を聞いていない人のコメント/いろいろな分野の本を読む/松岡正剛の千夜千冊/ある妄想/技術革新が構想を塗り替える/どうしたら博覧強記の人になれるか/博覧強記は求められなくなっている?/教養への期待が変わった?/なんでも知っている個人よりも/力をあわせれば乗り越えられること/One-pieceの「仲間」/再び「好きなことを役立てるには仲間を作ること」について/自分の問題を解決したら次は/専門的であることを手放さず、理解を得る道を諦めず

#38 人文学の意義を就活で聞かれたら
前回の続き…/なぜ「人文系は何の役に立つか」と考え続けるのか?/そもそも社会が変わっている/国家須要の学とされた時代と現在/ビジネスと教養/読書は仕事の役に立つのか/『UP』掲載の文章「日中の読書史を比べ読む」/中国史上の読書論争/読書は趣味にとどまるのか/社会変革が実感できる時代と経済性が優先される時代/「ノイズ」になってしまう他者のコンテクスト/他人の考えに触れる機会/共感がすべてか/わかりあえそうもないものに付き合う/会議の議事録取りが上手くなる?/いろんな人の話に興味を持つ訓練/次回へ続く…

#37 好きなことと役に立つこと
なぜかうまく話せない話題/友人の個展を見に行って/好きな仕事ができていいよね/好きなことを突き詰めた職業/問いかけに答える/「歴史が好き」のなかに潜む微妙さ/好きなことを役に立つことにするためには/自己表現と納得感の先にあるもの/期待してくれる人を増やしていく/会をつくる

#36 わたしにとっての「日本研究」
秋の授業に向けて/日本研究って何?という質問/哲史文の学問のなかの日本/外からの目線/比較という手法、歴史という手法/私の関心/ベルツの観察/明治30年代の人文学の形成/学際的アプローチと地域研究/固定化したものの見方を作り替える/日本研究の目的/簡単じゃない、手間がかかること/歴史学から日本研究にどう貢献できるか?

#35 「知の基盤」としての帝国図書館
『日本史研究』2024年7月号に拙論が掲載されました。
石川で中田邦造展を見てきました/地域の読書会の歴史/日本史研究と図書館史研究との対話/『帝国図書館』に寄せられた質問に答える/まだまだ検討しなければならないことが多い/学問の「タコツボ化」と図書館/『図書館書籍標準目録』のこと/近年の研究動向/これからの課題

#34 サブスク時代
カラオケに行った話/サブスクとYoutube/多様化?/イエスタデイ・ワンス・モア/アニメのリバイル/40年という時間の物差し/円本ブーム/零れ落ちるもの/マイナーなものに宿る時代感覚/こそが保存している時代特有の感覚/誰がそれを保存するのか/歴史は役に立つのか

#33 論文のさがし方(日本史関係)
回顧と展望/日本歴史関係雑誌論文目録/日本史に関する文献を探すには(リサーチ・ナビ)/日本史のコア・ジャーナル/日本史文献事典・展望日本歴史・研究事典/プロの専門性とは?/プロのプロたるゆえんとは/研究者と論文を50本説明できるか/修論の参考文献/研究動向のなかに自分を位置づける/対象の上位概念を考える/どういう分野と対話できるのか考える/研究レビュー自体が面白い論文はあり得る
リサーチ・ナビ「日本史に関する文献を探すには」
https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi/humanities/post_266

#32 近代日本思想案内
鹿野政直『近代日本思想案内』(1999年、岩波文庫)を紹介しました。
高校日本史をやっていなくても読める日本近代史の本/岩波文庫の解説/最強の入門書/思想の捉え方/民衆思想史の立場/文学作品の思想性/思想の歴史を見る意味/構成

#31 論文・レポートの書き方本紹介
アカデミックライティングの授業を持っていたとき、授業づくりの参考にしていた本を紹介しました(新刊が続々出ていますが、概ね、2023年までに刊行された本を対象にしています)。
以下の本を紹介させていただきました。
木下是雄『理科系の作文技術』(中央公論社、1981)
清水幾太郎『論文の書き方』(岩波書店、1959)
木下是雄『レポートの組み立て方』(筑摩書房、1994)
小川仁志『5日で学べて一生使える!レポート・論文の教科書』(筑摩書房、2018)
佐々木健一『論文ゼミナール』(東京大学出版会、2014)
佐藤健二『論文の書きかた』(弘文堂、2014)
小熊英二『基礎からわかる論文の書き方』(講談社、2022)
戸田山和久『論文の教室 : レポートから卒論まで』最新版(NHK出版、2022)
小笠原喜康『大学生のためのレポート・論文術』(講談社、2002)
小笠原喜康 著ほか『マンガでわかる|大学生のためのレポート・論文術』(講談社、2020)
慶應義塾大学教養研究センター 監修ほか『学生による学生のためのダメレポート脱出法』(慶應義塾大学出版会、2014)
石黒圭『論文・レポートの基本 : この1冊できちんと書ける!』(日本実業出版社、2012)
石原尚『卒論・修論研究の攻略本 : 有意義な研究室生活を送るための実践ガイド』(森北出版、2021)
阿部紘久『文章力の基本 : 簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック』(日本実業出版社、2009)
田中草大 『#卒論修論一口指南』(文学通信、2022)

#30 読書国民の誕生
永嶺重敏『読書国民の誕生』(2023、講談社学術文庫)※初版『〈読書国民〉の誕生』(2004、日本エディタースクール出版部)について紹介します。
学生時代に影響を受けた本/読者研究の視点/地方の読者/図書館の普及/「想像の共同体」/ 使っている資料の面白さ/『帝国図書館』の利用者/「読書国民」は本当に明治に成立したのか?
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000384080

#29 図書館史と学校図書館と情報検索と(4・完結編)
みちくさのみちpodcast史上初のゲスト回です。
学校図書館の歴史について研究し、現在も様々な取り組みを行われている図書館情報学研究者の今井さんにお話を伺いました。
(2024年3月某日、Zoom収録)。
卒論のテーマ決めから、高校生と大学生の検索の目的の違い、Wikipediaとの付き合い方まで、ぜひお聞きください(全4回)。
最終回では『情報教育と学校図書館が結びつくために』の本のお話を伺っています。 https://youkoodoo.co.jp/item/series-manabinokankyou2/

#28 図書館史と学校図書館と情報検索と(3)
みちくさのみちpodcast史上初のゲスト回の続編です。
学校図書館の歴史について研究し、現在も様々な取り組みを行われている図書館情報学研究者の今井さんにお話を伺いました。(2024年3月某日、Zoom収録)。
卒論のテーマ決めから、高校生と大学生の検索の目的の違い、Wikipediaとの付き合い方まで、ぜひお聞きください(全4回配信予定)。
この回では高校生と大学生の情報検索についてお話しています。

#27 図書館史と学校図書館と情報検索と(2)
みちくさのみちpodcast史上初のゲスト回の続編です。
学校図書館の歴史について研究し、現在も様々な取り組みを行われている図書館情報学研究者の今井さんにお話を伺いました。(2024年3月某日、Zoom収録)。
卒論のテーマ決めから、高校生と大学生の検索の目的の違い、Wikipediaとの付き合い方まで、ぜひお聞きください(全4回配信予定)。
第2回目では今井さんが現在の研究テーマを選んだ理由などをお聞きしています。

#26 図書館史と学校図書館と情報検索と(1)
みちくさのみちpodcast史上初のゲスト回です。
学校図書館の歴史について研究し、現在も様々な取り組みを行われている図書館情報学研究者の今井さんにお話を伺いました。
(2024年3月某日、Zoom収録)。
卒論のテーマ決めから、高校生と大学生の検索の目的の違い、Wikipediaとの付き合い方まで、ぜひお聞きください(全4回配信予定)。
第1回では自己紹介と我々が知り合った経緯について

#25 好きなマンガのはなし
ゆるい回になってしまいました。
これまで読んできたマンガ、今読んでいるマンガの話をしています。
※取り上げている作品
みずしな孝之『幕張さぼてんキャンパス』(竹書房)
細野不二彦『ギャラリーフェイク』(小学館)
冬目景『イエスタデイをうたって』(集英社)
さいとうたかを、戸川猪佐武原作『劇画・小説吉田学校』(読売新聞社)
ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』(小学館)
北崎拓『ますらお~秘本義経記』(小学館)
末永裕樹原作、馬上鷹将作画『あかね噺』(集英社)
埜納タオ『夜明けの図書館』(双葉社)
ずいの原作、系山冏 漫画『税金で買った本』(講談社)
染谷みのる『刷ったもんだ』(講談社)
岩田雪花 原作、青木裕 作画『株式会社マジルミエ』(集英社)

#24 参考文献。キーワードから見るか、著者から見るか
参考文献は何から探す?/授業で聞いてみた/著者に興味を持つこと/情報源の信頼性と書いている人のバックグラウンド/どうやって第一人者を探すのか/図書館にはツールが揃っている/研究者の配置図=研究史が大事だよねという話/学際化し情報が増える中で/次の人のために/指導教員の著作リストを自力で作れるか/とりあえず3つ集める作戦の効用

#23 中島京子『夢見る帝国図書館』を読む(2022.5.29 at 関西文脈の会)
古い音源ですが、勉強会で中島京子さんの『夢見る帝国図書館』を読んだ回の私の発表部分です。音が悪いのはご容赦ください。
作品情報/物語の構成/今日のねらい/舞台設定/喜和子さんをめぐる人々/帝国図書館から国際子ども図書館へ/歴史パート考/上野の歴史/喜和子さんは上野で何を読んだのか?/レファレンス小説としての『夢見る帝国図書館』/喜和子さんが手に入れたもの/「場所としての図書館」再び/わたしたちが「自由」であるために
中島京子『夢見る帝国図書館』
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167918729


#21 日記ならざる日々の記録
毎年、年の瀬についついやってしまう習慣の話をします。 年末年始にやってしまうこと/博文館当用日記/どういう風に書いているか/何を書いているか/日記は感想を書かねばならないか/振り返って後からわかること/読書の記録を付ける

#20 高山樗牛と私
12月24日は高山樗牛の命日でした。
卒論以来取り組んできた樗牛との出会いについてお話しします。
高山樗牛(たかやま・ちょぎゅう)という人/卒論での出会い/美学と美術から考える/パーソナリティへの共感/日清戦争後の文化史を考える/「美的生活を論ず」の衝撃/研究途中で出会った方々
高山樗牛(近代日本人の肖像より)
https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/285/

#19 古内一絵『百年の子』を読んで
古内一絵さんの小説『百年の子』をよみました。出版史・雑誌の歴史に関心がある方必読の、壮大な物語だと思います。
神田古本まつりにて/オーディブルで聴いて紙で買う/出版史小説/ぐっときたこと/昭和と令和をつなぐ物語/雑誌は歴史を語る

#18 プロの「技」を受け継ぐ若者が出て来る小説2つ
若い人が専門的な技能を受け継ぐ小説2作品を読んだ感想です。たまたま似たような時期に聞いていて、印象に残りました。
大学に移ってから考えていること/才能と努力/楽しいばかりじゃないこと/一流の人の厳しさ/失敗を楽しむ境地
作品情報は以下の通りです。物語の核心には触れていないつもりですが、ネタバレが嫌な方はご注意ください。
『羊と鋼の森』
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167910105
『線は、僕を描く』
https://senboku.kodansha.co.jp/

#17 本を読まなかった大学生が図書館に出会うまでの話
自分と図書館との出会いを語る回です。恥ずかしいです。
本を読まなかった/専門的な議論の土俵に上がれてすらいない/人に追いつくための読書/1日1冊の日々/目次を書き写す/わからなくても最後まで読む/その後起きた変化/大学図書館で感じたこと

#15 正しさと影響力
最近ぼんやり思っていることを話しました。
歴史研究者に寄せられる疑問/大河ドラマの解釈/なんでも相対的に見ればよいか?/「斬新」な解釈に飛びつく危うさ/事実・解釈・意見/紙の本の影響力/批判を受け止めること
たぶんなのですが、新聞社とかが配信するネットニュースに色々なコメントをぶらさげたくなる人の心理も、これと似てるのかもしれないですね。

#14 『帝国図書館』執筆余話(2023.7.1 at 関西文脈の会)
関西文脈の会の発表内容をお届けします。
第39回関西文脈の会まとめTogetter
https://togetter.com/li/2178105?fbclid=IwAR1Gxc2X3hG-3zUpk6LXOAAx8nZ3TOPtFjzzsk9SyEzcX5jZ3UHd21ltB_o

#13 ある宗教学者の闘病記を読む
岸本英夫『死を見つめる心』(講談社)を読みました。

#12 専門知識をつたえる―大学生と教養新書について
新書刊行後、大学で授業するなかで漠然と考え、少し悩んでいる事柄について話してみました。よろしければお聞きください。
新書を出して/売れている新書の世界/教養書としての新書/『映画を早送りで見る人たち』が示していること/大学生に「とりあえず新書を読もう」というだけで良いか?/コロナ後の大学生の学びに向けて
コンテンツ内で取り上げた書名は以下の通りです。
稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)
松沢裕作・高嶋修一『日本近・現代史研究入門』(岩波書店)
犬塚元・河野有理・森川輝一『政治学入門』(有斐閣)


#10 本が出ます~『帝国図書館―近代日本の「知」の物語』
4月に中公新書の一冊として『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』が刊行されます。その簡単なご紹介をさせていただきます。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784121027498?fbclid=IwAR0Ma43uj5xeETQ-idmJWrIoU7-edPO_x76P3Zoog9DDbKxedxzGVzh8B0c
中公新書『帝国図書館』/内容紹介/2つのねらい/議論のきっかけになれば/国際子ども図書館の展示
国際子ども図書館「「東洋一」の夢 帝国図書館展」(会期 2023年3月28日(火)~7月16日(日))



#7 日本主義と個人主義~『思想史講義』明治篇Ⅱより
最近発表した成果についての解説です。あわせて本のほうもお手に取っていただければ幸いです。 長尾宗典「日本主義と個人主義」山口輝臣・福家崇洋編『思想史講義』明治篇Ⅱ(ちくま新書、2023年)所収
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480075413/
ちくま歴史講義のなかの思想史シリーズ/高山樗牛の「日本主義」/教育問題への提言/日清戦争後の個人主義思想の捉え方/近代日本思想史のなかでこの20年間で変わったこと

#6 文にあたる/校正のこころ
牟田都子さんの『文にあたる』
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1074
大西寿男さんの『校正のこころ』増訂第二版
https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4252
を読みました。校正について色々と考えました。
大学院生時代に最初に買った本/『文にあたる』から真似したこと/『校正のこころ』で感じたこと/自著での誤字脱字/仕事をみつめ直す

#5 小さなまちの奇跡の図書館
猪谷千香さんの『小さなまちの奇跡の図書館』を読みました。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480684448/
人生が変わる本との出会い/図書館で人生が変わった人/指宿市立図書館/図書館のレファレンスと地域の歴史/「愛され、手をかけられて伸びる施設」/図書館をつかっていくこと
その他配信中で参考にした記事やサイトは以下の通りです。
今村翔吾「書店の今とこれから」 https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/477499.html
指宿市立図書館 http://www.minc.ne.jp/ibusukilib/
E2479 – 市民NPO「そらまめの会」による指宿市立図書館の運営 https://current.ndl.go.jp/e2479

#4 卒業論文添削を終えて
一大イベントが終わりました・・・4年生おつかれさまでした。
卒論を終えて/議論と形式/プロみたいに書ける必要があるか/何のためにやるのか/副産物的な成果


#2 雑誌研究と図書館
最近書いた記事の話です。
掲載誌は以下の通りです。『専門図書館』311号 特集「「雑誌」と図書館」(2022年12月)
https://jsla.or.jp/publication/bulletin/no311/
そもそも『専門図書館』とは/執筆のスタンス/図書館での雑誌管理の過去/歴史資料としての雑誌/文化史の画期を知る手がかり